一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
日曜に騎乗馬(9鞍)が集中しました
2021/11/18(木)
先週はアケルナルスター(4人気)で勝つことができました。今回もスタートしてからの進みがよくなかったものの、初戦でしっかり脚を使えることが分かっていたので、焦らずじっくり構えて乗りました。最後は想像を絶する反応をしてくれて、先々が楽しみになるような末脚を使っています。前半に課題を残してあの競馬ですから、能力が高い馬だと思います。
ランプロティタ(3人気4着)は道中苦しいところがあったのか、モタれながら走っていた印象。それでも他の先行馬を思えば頑張れており、組み合わせひとつでという段階です。フォーチュネイト(2人気5着)は上手に競馬してくれているのですが、大外枠が堪えた感じはあります。以前ほどムラなところがなくなっており東京コースも合うので、最終週で何とかしてあげられませんか。コスモスタック(6人気5着)もいいペースで上手に走れていたと思います。ちょっとの工夫でもうひとつ前進できそうなので、また一緒に頑張りたい。
この土曜は東京5R(2歳新馬)でトルヴァルツァーに騎乗します。続けて追い切りに乗せていただいており、大分しっかりしてきました。気持ちはある馬なのですが、もう少し体に芯が入ってきてほしいところ。競馬を使いながら良くなっていくタイプかもしれません。
日曜も東京で9鞍に騎乗します。1Rのマイネルシトラスは使いつつレースを覚えて力をつけています。コースも間隔も申し分ないので、ここでの勝利を目指して頑張りたい。3Rのシャノワールは使う毎にテンションが上がってきました。前走はメンコを外したのが裏目に出たのかもしれません。今回は着けて臨む予定で、返し馬からより折り合いを意識して乗ってみます。1800mに戻るのはいいほうに向きそうだと感じています。7Rのセイカヤマノは久々の騎乗になりますが、中間の調教にも乗せていただきました。休み明けでも馬の雰囲気はいいので、展開がかみ合えばそんなに差はないと見ています。
8Rのディスカバーはなかなか馬の気持ちが乗ってこない現状。最後まで集中して走らせてあげられるかが鍵になります。10Rのマイネルステレールの前走は途中から絡まれて、なかなか厳しい展開になってしまいました。この馬のリズムを守って上手に走らせてあげたい。11Rのイメルは力のある関西馬で有難い依頼ですね。ダート1400mマイスターともいえる実績なので、しっかりと研究して最善を尽くします。12Rのソスピタは中1週でもいい状態をキープしています。カイバを食べて馬体が減らずに競馬できているので、休み明け3戦目で結果を出したいタイミングです。
先週は久々の勝利で気持ちが高まり、今週は水曜夜に葉加瀬太郎さんの渋谷オーチャードホールのコンサートに行くことができました。コロナ禍で延期や人数を制限しての開催に苦しまれていたようですが、今回は満員御礼で素晴らしさが増したかという演奏でした。パワーをチャージできたので、2週続けての勝利を目指して頑張ります。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。