一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
全頭がレースや調教で背中を知っている馬です
2023/12/7(木)
先週は除外が多かったという話を書きましたが、さらに日曜騎乗予定馬の一頭が枠順確定前に除外。自分のレースが終わった後はかなり時間があったので、他のレースもパトロールビデオを見に行きながら研究し、ウズウズしながら過ごしていました。今週は全頭がレースや調教で背中を知っている馬に乗せていただくので、そんな鬱憤を結果で晴らせたらと力が漲っています。
この土曜は中山で6鞍に騎乗します。3Rのカイトルビーの初戦は口向きが気になったので、この中間は馬具を工夫しています。調教の感じは良くなっており、距離短縮と相まってもう一歩前進がありませんか。4Rのパーセルペーパーの前走は先着された2頭が強かったという印象。中間も変わりなく順調で、かねてから中山コース向きだと思っています。気持ちが入りやすい馬ですが、前走程度で臨めれば改めてチャンスがあるはず。
5R(2歳新馬)のヴォーグアルタイルは調教に跨らせていただきましたが、バランスが取れたいい走りをしています。とても素直で乗り手の指示に従順なタイプ。初戦から力を出してくれると思います。8Rのヒラリーステップの前走は久々が堪えたのかタイムオーバー。普通に走れば時計的にも足りるはずなので、状態面の上積みに期待しています。
10Rのホワイトガーベラは先週の追い切りに乗せていただきましたが、いい動きでした。中山1200mの実績も十分で、力が入るタイミングでの依頼。馬の力を信じて勝利を目指します。12Rのリズムオブザナイトも調教に乗せていただきましたが、近走の内容に納得と言いますか、使える脚は把握できました。好走パターンのイメージは浮かんだので工夫して乗ってみます。
日曜も中山で3鞍に騎乗します。1Rのコスモビオラは転厩と相まって、調教パターンを工夫していただいています。気持ちが入らないところがあるので今回もブリンカーを着用。久々と初コースでキッカケを掴みたいところです。
5R(2歳新馬)のマイネルブラボーは続けて追い切りに乗せていただいます。真面目で一生懸命なタイプですが、まだ時計が詰まってこない状況。使いながら上向いていくタイプかもしれません。8Rのキガサは2走前に乗せていただいた時は1800mが忙しかった。中山なら2500mがベストだと思うので、ロスなく立ち回って上位進出を狙います。
日曜の夜はノルマンディーさんのパーティーが新宿のヒルトンホテルであったので出席させていただきました。あちらこちらで厩舎の忘年会が始まって、今年は騎手クラブの忘年会もあります。久々に年末を感じるスケジュールで、忙しい中でも労いができる環境になってきました。いい締めくくりをしたいなと、改めて身が引き締まる思いです。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。