日本ダービー

近年の好走馬馬体を分析

エポカドーロ

(牡3、栗東・藤原英厩舎)

オルフェーヴル
ダイワパッション
母父フォーティナイナー
通算成績5戦3勝
重賞勝利 18年皐月賞(G1)
連対時平均馬体重494kg (最高:498kg) (最低:492kg)
前走時馬体重492kg
POINTやや胴の詰まった正方形のシルエット。本質的には2000mくらいが良いタイプに見えるものの、背中のラインと比較して腹側が長く見えるので、展開次第ではこなせても全く不思議ではない。先行押し切りで結果を残しているので末脚が切れるイメージはないものの、体型的には背中の伸縮性を秘めている可能性もあり、東京コースでの決め手勝負でも侮れない。胸前、トモの張りは抜群で、前走以上のデキ。充実一途といったところだ。

オウケンムーン

(牡3、美浦・国枝厩舎)

オウケンブルースリ
ムーンフェイズ
母父エリシオ
通算成績5戦3勝
重賞勝利 18年共同通信杯(G3)
連対時平均馬体重460kg (最高:468kg) (最低:456kg)
前走時馬体重454kg
POINTスッキリとした印象を与える、シャープなシルエット。馬体重は460キロ台とさほど大きくはないが、脚が長いため立ち写真では数字以上の馬格があるように見える。骨格的に距離は延びても問題なく、父が菊花賞馬でJC2着のオウケンブルースリなら血統的にも東京芝2400mは合っていそう。毛艶もピカピカで、ダービーに向けてキッチリと仕上げられてきた。腰高で成長余地を残しつつも、現状の能力はフルに発揮できそうだ。

キタノコマンドール

(牡3、栗東・池江寿厩舎)

ディープインパクト
ベネンシアドール
母父キングカメハメハ
通算成績3戦2勝
連対時平均馬体重492kg (最高:494kg) (最低:490kg)
前走時馬体重502kg
POINT良血馬らしく、非常にバランスの良いシルエット。胴が長く、2000mはこなせてもベストの距離は2400mの印象を受ける。脚もスラッと見せているように長く、ストライドも大きいので東京替わりは歓迎だろう。ディープインパクト産駒らしく斜尻直飛で瞬発力と持続力を兼ね備えている。背中には銭型が薄っすらと浮き、代謝の良さも窺える。完成度はさほど高くないものの、素質は高く仕上がりも上々。好勝負できる状態だ。

ゴーフォザサミット

(牡3、美浦・藤沢和厩舎)

ハーツクライ
ラグジャリー
母父Storm Cat
通算成績6戦3勝
重賞勝利 18年テレビ東京杯青葉賞(G2)
連対時平均馬体重493kg (最高:496kg) (最低:492kg)
前走時馬体重496kg
POINTハーツクライ産駒の特徴とも言えるゆったりした胴周りで、距離は延びて良いタイプ。フットワークの大きさからも、やはり中山のような小脚を使う必要のある競馬場は向いていない。広い東京でノビノビと走らせてこそ持ち味が活きてくる。青葉賞を好時計勝ちした反動が気になるが、馬体を見る限り毛艶・筋肉の張りは良く、影響は感じさせない。引き続き警戒が必要な1頭。

コズミックフォース

(牡3、美浦・国枝厩舎)

キングカメハメハ
ミクロコスモス
母父ネオユニヴァース
通算成績5戦2勝
連対時平均馬体重472kg (最高:476kg) (最低:466kg)
前走時馬体重466kg
POINTキングカメハメハ産駒ということもあって、骨格に対する筋肉の割合が多い。やや曲飛よりの飛節で、比較的小脚も使えるタイプ。近年のダービーでは一瞬の切れ味が必要になってくる場合が多いので、昨年のようなスローペースからの瞬発力比べになると浮上の可能性も。前走では時計勝負にも対応しており、プリンシパルS組とはいえ侮れない存在。毛艶も良く、能力は問題なく発揮できそう。

サンリヴァル

(牡3、栗東・藤岡健厩舎)

ルーラーシップ
アンフィルージュ
母父アグネスタキオン
通算成績5戦2勝
連対時平均馬体重484kg (最高:488kg) (最低:482kg)
前走時馬体重488kg
POINTルーラーシップ産駒らしい胴長の造りで、骨格も大柄でたくましい。父の産駒は全体的に緩い馬が多いが、この馬に関してはキ甲も抜けてきており、割と完成度が高い。とはいえトモの張りを見てもまだこれから良くなりそうな雰囲気で、今後の活躍が楽しみな1頭といえる。ダイナミックな走法で一瞬の切れ味勝負では分が悪いが、長く良い脚を使える。広い東京でも強気の競馬を期待したい。腹周りもスッキリと引き締まり、状態はかなり良さそうだ。

ジェネラーレウーノ

(牡3、美浦・矢野英厩舎)

スクリーンヒーロー
シャンハイロック
母父ロックオブジブラルタル
通算成績5戦3勝
重賞勝利 18年京成杯(G3)
連対時平均馬体重496kg (最高:498kg) (最低:496kg)
前走時馬体重496kg
POINT背中と腹のラインが平行に近く、このような体型をした馬は一瞬の切れ味というよりも長く脚を使う展開に強い。皐月賞は好位から強気に仕掛けたのが奏功したといえる。仙骨の角度も近年の活躍馬にしては珍しく平尻によった形で、これはスクリーンヒーローの活躍馬、そして父自身と似た部分。父はJCを勝っているし、東京適性はイメージ以上にあるはず。毛艶も黒光りして、筋肉の張りも抜群。皐月賞よりも良い仕上がりで本番を迎えられそうだ。

ジャンダルム

(牡3、栗東・池江寿厩舎)

Kitten’s Joy
Believe
母父Sunday Silence
通算成績5戦2勝
重賞勝利 17年デイリー杯2歳S(G2)
連対時平均馬体重486kg (最高:494kg) (最低:480kg)
前走時馬体重492kg
POINTバランスの良い体型で、母はスプリンターだったがこの馬は胴周りに比較的ゆとりがあり、距離の融通も利く。ただ、それでも2400mは長い印象で、上限は2000mくらいまでと見ている。筋肉量が多く良いスピードがあるので、スローからの直線スピード勝負なら望みもある。トモの張りは抜群で、皐月賞で力を出し切っていない分、他馬と比較して状態面に余裕 がある雰囲気。展開次第では一発もあって良い。

ステルヴィオ

(牡3、美浦・木村厩舎)

ロードカナロア
ラルケット
母父ファルブラヴ
通算成績6戦3勝
重賞勝利 18年フジTVスプリングS(G2)
連対時平均馬体重460kg (最高:466kg) (最低:456kg)
前走時馬体重460kg
POINTロードカナロアは筋肉の鎧を着たような馬だったが、この馬は全体にシャープに見せる造りで、父にはあまり似ていない。それ故に距離が延びても問題なく対応できるのだろう。イメージ的には2400mは長すぎるかもしれないが、このシルエットならこなせる。曲飛で瞬発力に長けているので、出来れば馬群が一団になるようなスローペースが良いだろう。毛艶も良好で、肩周りには血管が浮いているように馬体の張りも抜群。ここでも有力の1頭。

タイムフライヤー

(牡3、栗東・松田国厩舎)

ハーツクライ
タイムトラベリング
母父ブライアンズタイム
通算成績7戦3勝
重賞勝利 17年ホープフルステークス(G1)
連対時平均馬体重457kg (最高:460kg) (最低:456kg)
前走時馬体重454kg
POINT骨格自体はさほど大きくないが、各パーツがゆとりある造りで距離の融通は利く。やや折りの深い飛節、胴の長さは父ハーツクライから遺伝したものと考えるならば、父の産駒が得意とする東京コースで巻き返しがあっても驚け無い。薄っすらと肋骨が浮いて見えるようにムダ肉の無い体つきで、ここ目標に長距離仕様に絞ってきている印象。これ以上減らしたく無いが、目一杯仕上げている証ともいえる。G1馬の意地を見せてほしい。
今週のイチオシ

ダノンプレミアム

(牡3、栗東・中内田厩舎)

ディープインパクト
インディアナギャル
母父Intikhab
通算成績4戦4勝
重賞勝利 18年報知杯弥生賞(G2)
17年朝日フューチュリティ(G1)
17年サウジアラビアRC(G3)
連対時平均馬体重486kg (最高:498kg) (最低:476kg)
前走時馬体重498kg
POINT盛り上がった胸前の筋肉、そして丸みを帯びた筋肉量豊富なトモ。どの馬も立派な立ち姿を見せてくれているが、馬っぷりの良さはこの馬が一枚抜けている。皐月賞をザ跖で回避した影響が懸念されているが、肋骨が感じ取れるほどムダ肉の少ない造りになっており、想像を遥かに上回るデキ。特に下腿の血管は網目のように浮いており、筋肉の張りは弥生賞時とは比べ物にならないほど良い。本質的に中距離馬だが、絶対能力で2400mもこなせるはず。性能の違いを見せてほしい。

ブラストワンピース

(牡3、美浦・大竹厩舎)

ハービンジャー
ツルマルワンピース
母父キングカメハメハ
通算成績3戦3勝
重賞勝利 18年毎日杯(G3)
連対時平均馬体重521kg (最高:522kg) (最低:520kg)
前走時馬体重522kg
POINT馬体重500キロを超える大型馬だけに見た目からして骨量と筋肉量が多い。背中がやや短く、胴が長い馬で伸縮性に富んでいる造り。優れた瞬発力を生み出すのも頷ける。下腿部には血管が浮いており、トモの筋肉は現状でも立派だが、これから更にボリュームが増すことにより張りも良くなってくるはず。腹周りがゆったりして見えるのは元々の体型で、毛艶も良く、休み明けでも太さは全く感じない。ここでも上位争いに期待している。

ワグネリアン

(牡3、栗東・友道厩舎)

ディープインパクト
ミスアンコール
母父キングカメハメハ
通算成績5戦3勝
重賞勝利 17年東京スポーツ杯2歳S(G3)
連対時平均馬体重451kg (最高:454kg) (最低:450kg)
前走時馬体重452kg
POINTディープインパクト産駒らしい、斜尻直飛で長駆短背のシルエット。体の伸縮性は相当優れており、決め手は今回のメンバー中、1~2を争う。皐月賞時も良い仕上がりを見せていたが、トモの張りは前走よりも明らかに良化してきており、ダノンプレミアムと並んで下腿部の血管が網目状に浮いている。かなり引き締まった馬体と言えるだろう。ダービーに向けて目一杯の仕上げを施してきた印象。両前蹄に接着装蹄、充填剤の跡が見受けられるが、杞憂に終わる可能性のほうが高そう。勝ち負けできる素晴らしい状態。
【5月13日更新】近年の好走馬馬体を分析

いよいよ日本ダービー(G1)が行われる5月27日(日)が迫ってきた。しかし、今年は皐月賞が波乱に終わった上にアクシデント明けの実績馬もおり、今年は例年よりも難解なメンバー構成になりそう。

当コーナーでは「ダービー増刊号」として、ダービー歴代活躍馬の馬体を当時の写真を見ながら再チェック!東京芝2400mを走り切るポイントを馬体から探った。勝てる馬体、今年のダービーに合う馬体はコレだ!

ポイント① 長駆短背な馬

過去5年の好走馬、15頭の馬体を見ると、全体的に背中側のラインが短く、お腹側のラインが長く見える「長駆短背(ちょうくたんぱい)」な馬が多いことがわかる。

近5年の上位3着馬の平均上がり3Fタイムは33秒9と直線でのトップスピード、瞬発力が求められる展開になりやすく、東京競馬場の長い直線で速い脚を持続的に使う必要があるため、一般的に背中の伸縮力に優れた体型である「長駆短背」の馬が活躍していると考えられる。

例えば、13年の勝ち馬キズナ。この馬は典型的な長駆短背で、背中のラインに対してお腹側のラインが長く見える。筋肉量が多いので胴自体は詰まって見えるが、背中の伸縮力が素晴らしかったこともあり、2400mのダービーを後方から差し切って勝利することができたのだろう。

▼2013年1着 キズナ

キズナ

他には17年3着のアドミラブルも背中が短く、腹側のラインが長く見える長駆短背といえる体型だ。キズナと同じディープインパクト産駒ではあるが、コチラは距離が延びても良さそうな印象。

▼2017年3着 アドミラブル

アドミラブル

17年のダービーは前半5F通過が63秒2と過去を振り返っても例を見ないほどのスローペースで流れたが、そんな展開の中で唯一中団後方からメンバー中最速上がりで差して来ていたように、瞬発力に秀でた形であることは確かだろう。ダービーというレースにおいては、どんな展開になろうとも瞬発力が重要なことを好走馬の馬体から読み取ることができる。

ポイント② 胴自体が長く見える馬

また「腹側のラインが長く見える馬が好走している」としたが、胴自体が長く見える馬の活躍も目立つ。

昨年2着のスワーヴリチャード、16年2着のサトノダイヤモンド、13年2着のエピファネイア。この辺りは比較的背中と腹周りのラインが平行に近く、所謂距離が延びても良さそうな体型。(続く↓)

▼2017年2着 スワーヴリチャード

スワーヴリチャード
▼2016年2着 サトノダイヤモンド

サトノダイヤモンド
▼2013年2着 エピファネイア

エピファネイア

ただ、このような体型の馬は、瞬間的な加速力ではどうしても分が悪くなってしまいがちなので、ゴール前で決め手の差が出てしまうことから、2着止まりが多いのではないだろうか。
このうち2頭は後に菊花賞を制しているように、以前はダービーと菊花賞の成績が直結していなかったが、こと胴周りが長く見える馬でダービーを好走する実力があれば、菊花賞でも期待できる。また、ダービーまでに1800m重賞勝ちや2000m重賞で好タイムをマークしていたようなスピードの裏付けがあると、より信頼できるだろう。

日本ダービー

近年の好走馬馬体を分析

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