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ユニコーンS

函館スプリントS

ヴァイトブリック

(牡3、美浦・和田郎厩舎)

シンボリクリスエス
ヴァイスハイト
母父アドマイヤベガ
通算成績4戦2勝
連対時
平均馬体重
494kg (最高:504kg)
(最低:486kg)
前走時馬体重504kg
POINT
胸前~肩周りの筋肉が盛り上がるように発達。トモも横幅があって、容量が大きい。雄大な骨格でありつつ、肉付きの良い体型で迫力のある立ち姿を披露している。直飛節でもともと後肢の長い馬ではあるが、キ甲の辺りを見てもまだ背が伸びそうな雰囲気。馬体はもう一回り大きくなるだろう。胴自体の長さはフレームに対して平均といったところだが、四肢をスラッと見せている。豊富な筋肉量でマイルにも対応可能なスピードを秘めつつ、1800m以上でより持ち味が活きそうなシルエットだ。成長余地を残しつつも馬体の張りは上々で、全身に血管が浮き上がっている。毛艶も黒光りしていて体調も良さそう。

ヴァニラアイス

(牝3、栗東・高柳大厩舎)

キンシャサノキセキ
アジタート
母父タイキシャトル
通算成績7戦3勝
連対時
平均馬体重
440kg (最高:446kg)
(最低:432kg)
前走時馬体重446kg
POINT
クビさしが太く短めで、胴も詰まった体型。前肢は短めで低重心、やや前傾気味のバランス…と短距離向きの要素が揃った馬体といえるだろう。今回は初のマイル戦となるが、1F長い印象だ。前走時で馬体重が446キロと小柄な馬だが、トモはパンと張っており、肩周りの筋肉も父キンシャサノキセキと似た立派な造り。全体的に数字よりも大きく見せている点は高評価できる。今回、立ち写真がある馬の中では比較的完成度が高そうだが、もう一回りパワーアップする余地も感じられる。ダートで結果を出している一方、繋ぎの長さにはゆとりがあるため、デビューから芝を使われていた点も納得。馬格的にもスピードを活かしてこそのタイプで、時計の出る脚抜きの良い馬場が向きそう。馬体の張り、毛艶いずれも申し分のない状態で、能力を存分に発揮してくれるだろう。
今週のイチオシ

デアフルーグ

(牡3、美浦・鈴木伸厩舎)

ベーカバド
パイクーニャン
母父フレンチデピュティ
通算成績4戦3勝
連対時
平均馬体重
502kg (最高:506kg)
(最低:498kg)
前走時馬体重500kg
POINT
全体に整ったバランスもさることながら、やはり目に留まるのはその豊富な筋肉量。トモは横幅があって丸みを帯びた造りをしており、大きく明瞭なスジが浮いて抜群の張りを見せている。立派なトモは大きな推進力の源であり、高い素質を秘めていると見て良いだろう。胸前から肩周りの筋肉も隆起するように発達していて、前駆からも力強さを感じる。力の要る馬場で更にパフォーマンスを上げてくる、パワータイプのダート馬だ。背中が短く、胴の伸縮性に優れた体型。中山ではマクリ気味に進出して勝利を収めているが、直線までタメて一気に末脚を爆発させる東京コースは合っている印象。背中から腰にかけて薄っすらと銭型も浮き始め、代謝の良さを感じさせる。重賞初制覇に期待。

デュープロセス

(牡3、栗東・安田隆厩舎)

Daiwa Major
Rose Law
母父New Approach
通算成績5戦4勝
連対時
平均馬体重
468kg (最高:472kg)
(最低:464kg)
前走時馬体重470kg
POINT
バランスが良く、均整の取れたシルエットを披露している。ダイワメジャー産駒の逆輸入馬で、馬体のアウトラインは父と似通う部分がある一方、この馬は前走時の馬体重が470キロとコンパクトにまとまっている。筋肉の輪郭がハッキリしているが、立ち姿からは重苦しさを感じさせず、体つきは素軽いスピードタイプのイメージ。胴がやや詰まり気味の体型を考慮しても、ベストは1400mで、マイルが上限といったところか。速さを持ち味とする馬なので、脚抜きが良く速い時計の出る馬場でパフォーマンスを上げてきそう。トモはパンと張っており、毛艶も上々。体調は良さそうだが、1週前の時点で肋骨が浮いている点が気になる。ムダ肉の無い仕上がりといえる一方で、これ以上は減らしたくないところ。

ノーヴァレンダ

(牡3、栗東・斉藤崇厩舎)

ダイワメジャー
モンプティクール
母父クロフネ
通算成績5戦3勝
重賞勝利 18年全日本2歳優駿(G1)
連対時
平均馬体重
531kg (最高:534kg)
(最低:528kg)
前走時馬体重528kg
POINT
デュープロセスと同じくダイワメジャー産駒だが、こちらは胴周りの造りがゆったりとしており、全体的にスラっとした印象の立ち姿。母父のクロフネはこのようなシャープな体型をした馬を出すケースもしばしば見られ、父よりも母方の血統が発現した馬体と考えられる。背中が長く映るシルエットを考慮しても、距離は延びて良さそうなタイプ。腹周りと背中のラインが平行に近く、瞬間的な切れよりも長く良い脚を使う持続力型の造りで、早めに動く競馬でこそ真価を発揮するだろう。脚が長く、広い東京コースは合っている印象だ。全体的に筋肉の輪郭が明瞭で、皮膚を薄く見せている。特にトモは大きなスジが浮いていて、張りが素晴らしい。毛艶も上々、好仕上がりでレースを迎えられそうだ。

ワイドファラオ

(牡3、栗東・角居厩舎)

ヘニーヒューズ
ワイドサファイア
母父アグネスタキオン
通算成績5戦2勝
重賞勝利 19年ニュージーランドT(G2)
連対時
平均馬体重
501kg (最高:512kg)
(最低:496kg)
前走時馬体重500kg
POINT
父と似た独特のラインを描いている曲飛節で、産駒にはこの造りが遺伝することが多い。やや背が垂れている馬も見られるが、この馬はキ甲も比較的背腰がパンとしている印象がある。同父のアジアエクスプレスよりも一回り小さい体つきをしているため、芝でより鋭い決め手を発揮できると考えている。繋ぎの角度が立っているためダート自体はこなせそうな造りをしているが、スピードに優れたタイプのため、速い時計が出やすい脚抜きの良い馬場の方が良さそうだ。胴が詰まり気味の体型をしているので、距離はマイルが上限と見ている。GⅠの後になるが毛艶も光っており、薄っすらと肋骨が浮いてムダ肉の少ない好仕上がり。立ち写真のあるメンバーの中で、筋肉の張りは上位のモノがあり注目の1頭。

ダイメイフジ

(牡5、栗東・森田厩舎)

アグネスデジタル
ダイメイダーク
母父ダンスインザダーク
通算成績28戦6勝
連対時
平均馬体重
513kg (最高:520kg)
(最低:508kg)
前走時馬体重508kg
POINT
幅広で丸みのある、容量の大きなトモ。胸前の筋肉も隆起しており、父アグネスデジタル譲りの豊富な筋肉量を披露している。以前は腰高な印象が強かったものの、歳を重ねて身長も伸び、完成度が高まった。胴周りの造りがゆったりとしているため、体型だけ見るとスプリンターらしくない。距離適性でいえば、1200mよりも1400mの方が合っている印象。近年は高速決着が続いているが、函館の洋芝は一般的に中央場所よりもパワーを要する傾向にあるため、絶対的なスピード勝負になりづらい。今回初の北海道シリーズ参戦となるが、この馬は繋ぎが立ち気味で、力の要る馬場も苦にならない脚元の造りをしている。馬場への適性は高そう。休みなく使われているがダメージも感じさせず、馬体の張りも良い。能力を発揮できる好仕上がりだ。

タワーオブロンドン

(牡4、美浦・藤沢和厩舎)

Raven’s Pass
スノーパイン
母父Dalakhani
通算成績10戦5勝
重賞勝利 19年京王杯スプリングC(G2)
18年アーリントンカップ(G3)
17年京王杯2歳ステークス(G2)
連対時
平均馬体重
515kg (最高:522kg)
(最低:510kg)
前走時馬体重518kg
POINT
前脚が短いため前重心になっており、胴も短め。折り合いに不安のある馬では無いため、マイルでも勝利を挙げているが、本質的には1400m以下が合うはず。距離短縮は全く問題ないだろう。前走時で520キロを超す雄大な骨格もさることながら、それに伴って筋肉量も多く、非常に力強い印象を与える立ち姿。馬体が成長し3歳時よりも更に迫力ある体付きになってきた。前走はレコードタイムでの勝利だったが、パワーにも秀でているため、洋芝にも対応可能と見ている。下腿部には太い血管が浮き上がっており、馬体の張りは申し分ない状態。肋骨も薄っすらと浮いており、1週前の時点で太め感の無い仕上がり。重賞連勝が期待できるデキと言っていい。
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