競馬専門紙にて記者として30年余り活躍。フリー転身後もその情報網を拡大。栗東の有力ジョッキーとの間には、 他と一線を画す強力なネットワークを築く平林氏が、現場ならではの視点でレースを分析します。
【マイラーズC】今年は久々に阪神開催
2021/4/20(火)
過去のレコードはサングレーザーの1.31.3だが、桜花賞でソダシが1.31.1で勝っただけにどれくらいのタイムになるのか予測が出来ない。その時の3着エアスピネルが8歳の今年も参戦するが、近走はダートで結果を出しているだけにどうかだろう。
同じく笹田厩舎からエアロロノア。目下、3連勝でついに重賞初挑戦。松山騎手は香港遠征で乗れずも、鞍上は池添騎手。
福永騎手はアルジャンナ。前走が休み明けでの1戦で、超スローの前残りで出遅れた分だけの負けだった。2戦目でどこまで変身か。
ギベオンが前回、あっと驚く逃げ切り劇。今回はどう出るのか。ならばケイデンスコール。あのNHKマイルで際どく迫った脚は凄かった。調子も取り戻しつつあるはず。G3の次はG2、さらに夢は広がる。
【皐月賞の回顧】
21年4/18(日)3回中山8日目11R 第81回 皐月賞(G1、芝2000m)
- エフフォーリア
- (牡3、美浦・鹿戸雄厩舎)
- 父:エピファネイア
- 母:ケイティーズハート
- 母父:ハーツクライ
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昼頃には日差しも戻り、乾きが意外と早まった中山競馬場。8Rから発表も稍重となる。直線の攻防で内を避けることもそうなく、本来の中山は内が有利な傾向となる。 1番人気はダノンザキッド。これは鞍上の最近の勢いに寄せつけられた感もあったか。パドックを周回している馬を観ていて、すこぶるいい仕上げに見えた。前回よりもスキッとし良かった。だが結果は違った。スタートはまずまずの五分。 好発はタイトルホルダー。開いた瞬間に前にいた。内のワールドリバイバルが先手を主張。ダノンザキッド、エフフォーリアもスッと前に取りつく。1コーナーに入るあたりでダノンザキッド、後ろのラーゴムに気負いが見られた。ラーゴムは2コーナーに入るあたりまで掛り気味。
7番手で廻ったレッドベルオープが1000を前に動き出す。タイトルホルダーの外に並ぶ。福永騎手らしい動きか。しかし、またタイトルホルダーが前を主張し先頭に並び加減。ここらでダノンザキッドの鞍上の手が動く。その内をエフフォーリアが前との差を詰める。あと600を通過する時は前の6頭がひと塊り。レッドベルオープの外へ出したダノンザキッドだが鞍上に促されている。
4コーナーへはタイトルホルダーが先頭で入った。その内へすかさずエフフォーリアが潜り込む。横山武史騎手の渾身のステッキが入り、そこから伸びてゆく。一方でダノンザキッドはまったく伸びずに下がっていく。真ん中に出したアドマイヤハダル、内を衝いたステラヴェローチェが伸びていくが、タイトルホルダーを交わすまではない。そしてその3馬身先を悠々とエフフォーリアが無敗のゴール。関東の若武者、横山武史騎手がついに5大クラシックを勝利した。
馬名は《強い幸福感》だそうだが、まさしくその余韻に浸ることだろう。2着に3馬身はオルフェーヴルと同じ。この意味合いは3冠を示しているのではなかろうか。今年も牡牝とも無敗でのクラシック路線。楽しみが膨らみそう。
プロフィール
平林雅芳 - Masayoshi Hirabayashi
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、その情報網を拡大し、栗東のジョッキーとの間には他と一線を画す強力なネットワークを構築。トレセンおよびサークル内ではその名を知らぬ者はいないほどの存在。