クリソベリル

19年12/1(日)4回中京2日目11R 第20回 チャンピオンズC(G1)(ダ1800m)

  • クリソベリル
  • (牡3、栗東・音無厩舎)
  • 父:ゴールドアリュール
  • 母:クリソプレーズ
  • 母父:エルコンドルパサー

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インティは自分の流れでの競馬をして東海S同様の上り脚を駆使できた。だがそれを上廻る脚でゴール板を駆け抜けたのがゴールドドリームであり、クリソベリルだった。2頭の3Fの末脚が35.4の切れ。勝ち時計も秀逸、この無敗の3歳王者はこのまま負け知らずで行けそうな予感をさせる器。まだたった6戦のキャリア。来年はさらに大きく羽ばたくのであろう……。

今の私は駐車場も一般。今日は8時開場だと言うことで、朝6時半には新名神を運転していた。駅から競馬場へと続く歩道の半分ぐらいの列に並ぶ。食堂も9時から、腹をすかして名物のきしめんとかつ丼セットを平らげて競馬を楽しむ。昨日は風が冷たかったが、今日は寒いものの全然まし。何よりも空高く雲ひとつない青空が広がって気持ちがいい。5階から見る馬場内は、隅々までしっかりと見わたせて最高だ。あっという間に10Rまでが終わる。

その間に一度だけ検量室のそばへと降りる。目の前を音無師が通った。思わず《オトちゃん、阪神でバンバン勝っているね!そうそう、ゴールドドリームが1番人気になっちゃって、クリソベルリを交わしたよ》と軽口をたたく。師は『いいよ、いいよ。人気はあちらでお金はこちらで』といなされる。阪神で2勝を挙げ、機嫌も悪くない。また席へと戻りチャンピオンズカップ。全馬の馬場入りをしっかりと見届ける。ゴールドドリームが先出しで4コーナーへと去って行く。続いてデットーリ騎乗のオメガパフュームが走って行く。デットーリは先ほどの10Rのウイナーズサークルで《フライングディスマウント》を見せてくれた。これには廻りを囲んでいたファンも大喜び、やっぱり彼は偉大なデットーリだ。

そして私は帰路へと急ぐ。G1デーで帰りが大変。まして駐車場は満杯。返し馬まで見れれば、後はラジオで聞く。急いで競馬場を後にして駐車場を出てガード下ぐらいで、メインの放送が始まった。インティが軽快に逃げていく。マイペースで行っているのが見える様である。淡々と流れて直線へ来た。アナウンサーが『インティがもうひと伸びっ!』には思わず、グッときたが、それからの放送で《ああ、負けたんだ~》とガックリ。クリソベルリとゴールドドリームのデッドヒートで終わった様だった。

火曜朝、調教へと出かける前にビデオを何度も見る。あと200からの攻防が凄い。インティが最後の力を振り絞って仕掛ける。それをゴールドドリームが交わしにかかる。その内からクリソベリルがスルっと抜けて行く。着差はクビだが、もっと差があるほどに見える。最後の2Fが11.6~12.1と切れ切れである。勝ったクリソベリルが凄すぎるだけで、ゴールドドリームも力は出し切っている。インティも自分の形で競馬ができ、完璧での結果。前の2頭が強すぎたと言うことだった。 もちろん朝の坂路監視小屋は賑やか。音無師は祖母のキャサリーンバー(これも音無厩舎の馬だったそうだ)から15,6年続く血。芝でも走った兄弟馬もいたが、ダートではやはりこの馬が最高。吉田勝己氏も『ゴールドアリュールにソックリになってきた』と言っているとの話も聞けた。来年早々から、海外遠征の話も出てきそうである。

クリソベリルを調べてみる。馬名の意味は宝石クリソベリル。ギリシャ語で黄金を意味する《クリソ》と緑の宝石の《ベリル》からきているそうだ。そして《心に安らぎをもたらし、自信を強めてくれると言われるクリソベリル。優しさや寛大さ、善意、希望、楽観性や気持ちを新たにすること、出発、思いやり、許しなどを助けてくれる》との伝説だそうだ。調べれば調べるほどに非常に興味ある内容である宝石の世界。今、読んでいるジェフリー・ディーヴァーの《カッティング・エッジ》に通ずるなと…。