元騎手という視点から最新競馬ニュースを大胆解説。愛する競馬を良くするために、時には厳しく物申させていただきます。週末重賞の見所と注目馬もピックアップ!
新ヒーロー
2015/8/13(木)
さて、そんな幸せな気分のまま、先週のレースを振り返りましょう。まず小倉では、小倉記念が行われ、競馬界の若こと、松若風馬騎手が初重賞制覇をしました。注目の新星が、早くも重賞制覇と盛り上がっていますが、レースでは小回りコースということもあり、向こう正面より早めの仕掛けを行うと直線ではヨレる馬をしっかりとコントロールしての優勝は堂々としたものでしたね。まだまだ若さが残る騎乗ではありましたが、それでも挑戦し掴んだ初重賞は評価するに値するレースだったと思います。そして、勝ったアズマシャトルはまだまだ伸びしろがありそうですね。柔らかさもあって、マイルから中距離までこなせそうな体でもありますしね。
同日に新潟ではダート界の新ヒーローを多く輩出するレパードSが行われました。レース前にはダート王者ノンコノユメに惜しくも負けたクロスクリーガーが1番人気、2番人気にはドバイ挑戦したゴールデンバローズが推されました。レースは内枠に入ったゴールデンバローズが出たなりでハナをきる形。それを見るようにライドオンウインドやクロスクリーガーなど人気馬が進む流れとなりました。迎えた向正面では、自在性が武器のクロスクリーガーが早めに押していくと、直線でも早めに抜け出し、見事、前走の悔しさを勝利で晴らしました。そして、2着には初ダート挑戦をしたダノンリバティが入り、血統の強さを見せてくれたと思います。どちらの馬も、走りを見ているとまだまだ伸びしろを感じさせるため、これからの成長次第ではノンコノユメに逆転も十分あるのではないかと思います。
そんなダート界の新ヒーローの誕生と共に、盛岡ではダート界の新スプリント王がまたやってくれましたね。そうです、岩手の盛岡競馬場で行われたクラスターCでダノンレジェンドが6馬身差をつけて見事優勝を飾りました。騎乗のミルコは意外にも今回が初のダート重賞制覇となり、更に結果を残す形となりましたね。こちらは疑い様のない強さになってきただけに、ヴァーミリアンの様な絶対的王者になり始めたのでは?と期待しています。是非、日本一のダートスプリント馬になり、ブリーダーズカップスプリントに挑戦してもらいたいと一ファンとして願っています。
今週はまだまだ、ここから重賞が続きます。札幌ではエルムSが、新潟では関屋記念が行われます。特に関屋記念では夏のサマーマイルチャンピオンを狙うスマートオリオンが出馬してくるだけに注目が集まります。しかし、今回は鞍上が再度変更になることがどうなるのかが鍵になるでしょうね。その出馬予定の中で、私が気になるのはカフェブリリアントとサトノギャラント、そして穴にはゴールドベルを狙いたいですね。今週は、澤さんのお祝い馬券10番なんかもお勧めです!皆様も大きな花火を打ち上げてください!!!
プロフィール
松田 幸春 - Yukiharu Matsuda
北海道生まれ(出身地は京都)。1969年騎手デビュー。通算成績は3908戦377勝で、その中にはディアマンテ(エリザベス女王杯)、リニアクイン(オークス)、ミヤマポピー(エリザベス女王杯)など伝説の名馬の勝利も含まれる。1987年にアイルランドの研修生として日本人騎手では始めて海外の騎乗を経験しており、知る人ぞ知る国際派のパイオニア。1992年2月の引退後は調教助手に転じ、解散まで伊藤修司厩舎の屋台骨を支え、その後は鮫島一歩厩舎で幾多の名馬を育て上げた。時代を渡り歩いた関西競馬界の証人であり、アドバイスを求めに来る後輩は後を絶たない。