元騎手という視点から最新競馬ニュースを大胆解説。愛する競馬を良くするために、時には厳しく物申させていただきます。週末重賞の見所と注目馬もピックアップ!
見逃さない心の余裕
2020/1/29(水)
皆様、こんにちは!まずは何といってもですが、皆様コロナウィルス大丈夫ですか?くれぐれもお出かけの際にはお気をつけくださいね!そして、暖冬とはいえ、大雨や東京では雪が降り、かなり寒くなりましたね。そんな中、我が家には孫娘が遊びにきてくれました。3歳になったのですが、来た初めは照れて話してくれなかったのですが、帰る前には「じぃじとお風呂入る!」と言ってくれ、もうメロメロにさせられてしまいました。何歳になっても可愛いものですが、写真で見ているよりも触れ合うことで、更に可愛く感じてしまいました。
昨年は感動のシャケトラ復活があったアメリカJCCと京都競馬場で東海Sが行われました。そんなAJCCでは、凱旋門帰りのブラストワンピースが出走してきましたね。出走メンバーを見ても、ここは順調なら負けようがないかなと感じていました。レースはスティッフェリオが楽に逃げる形となりました。2番手にはステイフーリッシュが並び、社台RHのステイコンビでレースを作る形になりました。これは、レースとして早くはならないなと感じました。その通り、ペースは平均か少し遅いくらいで進むと、道中から我慢ができなくなったマイネルフロストが動きました。
ここで、レースに動きが出たことで、ベストポジションを取っていたブラストワンピースに流れが向いてきました。そして迎える4コーナー手前でマイネルフロストが故障発生し、後ろから動いてきた馬に影響が出ました。その際に逃げていたスティッフェリオは馬場の良い外を選択すると、内にぽっかり空いたスペースをルメールとのコンビで挑んでいたステイフーリッシュが突き、故障の影響とスティッフェリオが外にいったことで、多くの馬が大外へ向かう中、ブラストワンピースの川田君は、内から出し抜けしようとしているステイフーリッシュを見逃しませんでした。
ここが勝機のポイントでした。前を行くステイフーリッシュを追うことでブラストワンピースの本来の走りを見せてくれたと思います。本当に川田君のファインプレーだなと思わせてくれましたね。2着に敗れてしまいましたがルメールとステイフーリッシュのコンビも最高の走りをしたと思います。それでも2着というのは何かしら足りないのか、いつか爆発してくれるのかとモヤモヤする結果となってしまいました。
重賞とは違いますが、日曜京都5Rでは富田君が非常に素晴らしい騎乗を見せてくれたなと思いました。結果としては2着でしたが、オーストラリアでの修行が活きた騎乗に見えました。豊ちゃんが若い時から言っていた若い騎手は海外で修行や経験することも必要だということを見せてくれましたね。勝ちではないですが価値を見せてくれた騎乗だったと思います。更なる彼の成長に期待したく思いました。
今週からは中山が終了し、東京・京都・小倉の3場開催となりますので、お間違えなく。そんな中、東京では根岸Sが、京都ではシルクロードSが行われます。特に注目は根岸Sのコパノキッキングに集まると思います。リーディングでもトップを走るマーフィーの帰国前最後の騎乗になりますし、今回はどんな走りを見せてくれるのか非常に楽しみにしています。硬さが取れていればミッキーワイルドも怖い1頭ですね。今までも力が違う勝ち方をしていましたし、重賞でも十分通用すると思っています。その他にも初のダート挑戦モズアスコットや忘れたころにくるドリームキラリも軽視できません。前半戦で傾向を見ることが非常に大事なレースになってきそうです。是非、朝からレースをチェックで馬場を確認してください!
プロフィール
松田 幸春 - Yukiharu Matsuda
北海道生まれ(出身地は京都)。1969年騎手デビュー。通算成績は3908戦377勝で、その中にはディアマンテ(エリザベス女王杯)、リニアクイン(オークス)、ミヤマポピー(エリザベス女王杯)など伝説の名馬の勝利も含まれる。1987年にアイルランドの研修生として日本人騎手では始めて海外の騎乗を経験しており、知る人ぞ知る国際派のパイオニア。1992年2月の引退後は調教助手に転じ、解散まで伊藤修司厩舎の屋台骨を支え、その後は鮫島一歩厩舎で幾多の名馬を育て上げた。時代を渡り歩いた関西競馬界の証人であり、アドバイスを求めに来る後輩は後を絶たない。