元騎手という視点から最新競馬ニュースを大胆解説。愛する競馬を良くするために、時には厳しく物申させていただきます。週末重賞の見所と注目馬もピックアップ!
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2024/9/19(木)
皆様、こんにちは!フランスから田口君貫太が帰ってきました。少し大人になったなと顔からも成長を感じました。帰国前にフランスで2連勝と結果を出し、渡仏のために背中を押してくれた師匠や周りに感謝の言葉を述べており、人間としても大きくなって帰ってきました。レースも見ましたが明らかに良くなっていますし、彼の中の引き出しが増えたように感じます。足首の角度、股関節、懐、体の入り方あたりを特に注目してください。
そんなフランスでもトップにいたルメールがレベルの違いでアーバンシックを勝利に導いたセントライト記念を振り返りましょう。痺れる騎乗とはまさにこのこと。内枠であの競馬は技術とメンタルを兼ね備えてないとできません。ローズSの川田君しかり、先週はトップ騎手が素晴らしすぎました。今回のルメールは、まず1コーナーで焦らさず馬の気持ちを活かしつつ、内が空いたスペースに少しずつポジションを上げました。外には複数いたことからもチョイスとしては4角で外か内かだったと思います。
しかし、そこに勝ち急いだコスモキュランダがマクり上げ、4角で息を入れなかったことでルメールは内を選択し一呼吸置きました。ここがまさに素晴らしかったです。コスモキュランダがもう少し早めに動き、息を入れてから一気に突き放していれば結果は逆だったと感じるレースでした。これぞトップ騎手ルメールという騎乗を見ることができ、元騎手として憧れてしまうほどでした。
今週はオールカマーが中山競馬場で行われます。人気はルメールが乗るレーベンスティールが集めると思いますが、個人的にはミクソロジーに気があります。色々な引き出しを持った馬ですし、中山生まれの菅原明君とも合う気がしています。穴候補にはなりますが、皆様も注目してみてください!
プロフィール
松田 幸春 - Yukiharu Matsuda
北海道生まれ(出身地は京都)。1969年騎手デビュー。通算成績は3908戦377勝で、その中にはディアマンテ(エリザベス女王杯)、リニアクイン(オークス)、ミヤマポピー(エリザベス女王杯)など伝説の名馬の勝利も含まれる。1987年にアイルランドの研修生として日本人騎手では始めて海外の騎乗を経験しており、知る人ぞ知る国際派のパイオニア。1992年2月の引退後は調教助手に転じ、解散まで伊藤修司厩舎の屋台骨を支え、その後は鮫島一歩厩舎で幾多の名馬を育て上げた。時代を渡り歩いた関西競馬界の証人であり、アドバイスを求めに来る後輩は後を絶たない。