
元騎手という視点から最新競馬ニュースを大胆解説。愛する競馬を良くするために、時には厳しく物申させていただきます。週末重賞の見所と注目馬もピックアップ!
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2025/2/5(水)
皆様、こんにちは!突然現れた寒さにびっくりしていますが、皆様は風邪など引いてないでしょうか?そんな中、びっくりすることがありましたね。阪神競馬場からすぐの宝塚市に254億円が寄付されたというニュースがありました。どれだけ稼がれたのかと思ってしまう金額ですが、その心意気と世間へ恩返しするという行為は真似したくてもできない素晴らしいことだなと感動し、寒さが吹き飛ぶ心温まるニュースでした。

それでは先週の熱かった競馬を振り返りましょう。衝撃的だったのは根岸Sを制したコスタノヴァでした。これは新しい王者だ!と思わせてくれる走りでした。反応もよく、フェブラリーSでは間違いなく本命になる馬だなと感じました。
心温まったのはシルクロードSを勝利したエイシンフェンサーと川又君のコンビでした。川又君といえば坂井瑠君の幼なじみ。彼に見せられて競馬にハマり騎手になった子で、腕はあるのに乗り数が減っていました。しかし、そこから色々な厩舎を手伝い、調教に跨り続け、エイシンフェンサーの主戦を務めてきました。
そして、引退が噂された前走で勝利を収め、厩務員さんとまだフェンサーと走れると喜んだと聞きました。そういった経緯で挑んだ重賞でいきなりの勝利は積み上げてきた絆があったからこそだったと思います。目元が熱くなるレースでした。
改めて競馬はギャンブルです。しかし、騎手は失敗をしながら上手くなります。賭けている人からすれば、何してるんだ!と怒りの対象にもなります。それでも上手くなるためにはトライし、学ぶしかありません。いきなり武豊にはなれません。何度打ちのめされても立ち上がってくるものだけに神様が笑いかけてくれるスポーツでもあると思わされました。

今週は東京新聞杯が行われます。ベスト距離ではないでしょうがブレイディヴェーグが本命になるでしょうね。あのキレ味は見ているこちらまでドキドキさせられますし、非常に楽しみです。キング騎手とサクラトゥジュールも内枠であれば見逃すことはできません。
その他にも定年引退が迫ってきた河内師に勝ってほしいウォーターリヒト、ボンドガールやジュンブロッサムにオフトレイルと見所満載のメンバーになっています。今週も胸が熱くなるレースを期待しましょう!
プロフィール
松田 幸春 - Yukiharu Matsuda
北海道生まれ(出身地は京都)。1969年騎手デビュー。通算成績は3908戦377勝で、その中にはディアマンテ(エリザベス女王杯)、リニアクイン(オークス)、ミヤマポピー(エリザベス女王杯)など伝説の名馬の勝利も含まれる。1987年にアイルランドの研修生として日本人騎手では始めて海外の騎乗を経験しており、知る人ぞ知る国際派のパイオニア。1992年2月の引退後は調教助手に転じ、解散まで伊藤修司厩舎の屋台骨を支え、その後は鮫島一歩厩舎で幾多の名馬を育て上げた。時代を渡り歩いた関西競馬界の証人であり、アドバイスを求めに来る後輩は後を絶たない。