
元騎手という視点から最新競馬ニュースを大胆解説。愛する競馬を良くするために、時には厳しく物申させていただきます。週末重賞の見所と注目馬もピックアップ!
トップ騎手のせめぎ合い
2025/4/16(水)
皆様、こんにちは!桜満開は一瞬で、あっという間に葉桜へと変わりました。この一瞬の綺麗さと儚さを美と感じ、国の花としてたくさん植えている日本は素晴らしいなと感じています。いや、そこだけは素晴らしいの間違いかもしれませんが(笑)。また来年咲き誇ることを楽しみにしています。

阪神競馬場で行われた牝馬クラシック第1弾桜花賞を振り返りましょう。勝利したのは雷神モレイラ!またもや世界レベルの技を見せてくれました。2着だった岩田望君とのやり合いは震えるほど素晴らしい戦いでした。桜花賞本番までにこの2人は色々な所を通りながらレースをし、内の馬場の厳しさやどこが最低ラインになっているかを判断していました。
本番でモレイラがスタート直後選んだのは内。直線で外に出せる技術があるからこそ勝ちにこだわる進路取りでした。2つ目のポイントとなったのは4コーナーの手前です。アルマヴェローチェと望来君はいつもより1、2完歩早めに仕掛けました。ここには内にいたモレイラとエンブロイダリーを入れ込むという計算があったと思います。そうして選んだラインは最高だったと思います。
しかし、モレイラはそれでも内を捌き、最低ラインとしていた外まで導くと最後は叩き合いを制しました。両騎手の最高のかけ引きと技術がぶつかり合ったレース。まだまだ逆転がありますし、オークスも楽しみな一戦になりそうです。


今週は皐月賞が中山競馬場で行われます。この世代のキングと個人的に呼んでいるクロワデュノールが出てきます。同コースのホープフルSを制しており期待しています。しかし、簡単に勝たせるわけにはいけないとライバル達も力をつけて挑みます。
対抗に抜擢したいのはサトノシャイニング。その他にも才能豊かなマスカレードボールや仕掛け所が楽しみなファウストラーゼンなどもいます。絶対王者でも競馬に絶対はありません。牡馬クラシック第1弾の勝者はどの人馬か。最高のやり合いを楽しみましょう!
プロフィール
松田 幸春 - Yukiharu Matsuda
北海道生まれ(出身地は京都)。1969年騎手デビュー。通算成績は3908戦377勝で、その中にはディアマンテ(エリザベス女王杯)、リニアクイン(オークス)、ミヤマポピー(エリザベス女王杯)など伝説の名馬の勝利も含まれる。1987年にアイルランドの研修生として日本人騎手では始めて海外の騎乗を経験しており、知る人ぞ知る国際派のパイオニア。1992年2月の引退後は調教助手に転じ、解散まで伊藤修司厩舎の屋台骨を支え、その後は鮫島一歩厩舎で幾多の名馬を育て上げた。時代を渡り歩いた関西競馬界の証人であり、アドバイスを求めに来る後輩は後を絶たない。