'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
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12月23日時点1569勝
関東に光を!アジアエクスプレス 待望の復帰戦へ登場
2015/3/24(火)
帰ってきたアジアエクスプレス 今回の気配は
-:名古屋大賞典(Jpn3)で復帰戦を迎えるアジアエクスプレス(牡4、美浦・手塚厩舎)ですが、予てからの復帰戦に晴れて向かいます。この中間は追い切りにも跨がられていましたが、久々の感触はいかがでしたか?
戸崎圭太騎手:ユニコーンSの時よりもスイッチは入っているな、という印象ですね。順調に来ているのではないでしょうか。
-:「スイッチが入っている」というのは、以前からもレースでの精神面が課題である馬だけに良い兆候ですね。
圭太:今思うと、ユニコーンSはボケッとしていたのかな、という感じでしょうか。動きそのものは動くのですが、気持ち的な部分がピリッとしていなかったレースだったと思います。
▲中間は2度にわたって追い切りに騎乗した戸崎騎手
-:思い起こせばあのレース前は、皐月賞以来の2ヶ月の間隔を考えても、あまり強い調教をやっていなかったですね。
圭太:そう、やらなかったです。
-:そういう意味では、今回は去年の夏以来ですが、精神面を含め、心身が良い仕上がりということですね。
圭太:そうですね。今回は僕からも(追い切りの騎乗には)志願しましたしね。あれだけのパフォーマンスをしてきた馬なので、ユニコーンSの時は微調整をすれば良いという考えもあったのでしょうが、(2歳時とは)馬も違っていたのかもしれないですね。
-:今回の追い切り志願は、久々だけに「確認」の意味もあったという感じですか?
圭太:そうですね。追い切りも動けていると思いますし、何ら問題はないかなと思っていますよ。
-: 2歳の時からこれだけ実績を残してきて、4歳を迎える訳ですが、3歳時との変化はありますか?
圭太:良い意味でそれほど大きな変化はないですかね。
-:穿った見方をすると、逆にそこが心配ですね。早い段階から高いパフォーマンスを残してきた馬だったので。「成長」という意味では、他馬に力差を詰められることもあるのかという懸念もあるので。
圭太:それは名古屋大賞典で分かるのじゃないですか、フフフ。別に心配はしていませんよ、僕は。観ていてください。
「いよいよ帰ってきたな、という感じですね。復帰を楽しみにしていましたし、これからダート界を盛り上げてもらいたい馬だと思います」
-:地方の砂質との相性についてはいかがですか?
圭太:良いんじゃないですか。それに、今回の距離(ダート1900m)も皐月賞でメドを立てていますからね。
-:ファンの多い馬です。今回は待望の一戦となるので、ファンに向けて意気込みをお願いします。
圭太:「いよいよ帰ってきたな」という感じですね。復帰を楽しみにしていましたし、これからダート界を盛り上げてもらいたい馬だと思いますので、緒戦をシッカリと騎乗して、良い結果に結びつけたいなと思っています。
-:これまでのレースを見て気になるところは、「ユニコーンSはスイッチが入っていなかった」という話だったじゃないですか。なおかつ内枠で揉まれる競馬で見せ場がなかったと思います。前回は中間もしっかり乗り込んで、逆に外枠で良いところを通ってスムーズな競馬で圧勝しました。前回がユニコーンSと似たような条件で走っていたらどうだったのかなと。ただ、今回は地方交流なので、頭数も少ないですし、そもそも隊列はバラけます。スンナリした競馬がしやすいレースなのかなと。そこはあまり心配しなくて良いポイントですか?
圭太:(レパードSは)どうだったでしょうね。それに、そこは今後の課題にもなるとは思いますね。揉まれることで、そこはアジアエクスプレスにとっての勉強だと思いますし、教えていかないといけない部分だと思いますね。
-:今回は骨折明けだという明確な不利な条件のあるレースです。ある程度、その揉まれ弱さを克服させるような競馬をするのか、そこら辺はどうなのかなと。
圭太:枠にもよると思いますね。別に下げるつもりもないですし、下がらないでしょうしね。
▲関東のダート界を盛り上げたいアジアエクスプレス
-:将来のある存在でしょうから、ゆくゆくはそこを踏まえてやっていくということですね。日経賞(G2)2週前追いの話題ですが、フェノーメノ(牡6、美浦・戸田厩舎)の追い切りにも乗られたとのことで、感触も教えていただけますか?
圭太:跨った瞬間から迫力ある馬で、素晴らしい馬でしたね。先週はまだ馬ナリというか、感触を確かめる程度だったのですが、まだ気持ちにも体にも余裕がある感じで。「明日(3/19)ピシッとやる」ということなので、もうワンランク変わってくれるだろうなと思います。
-:先生(戸田調教師)からはどんな話でしたか。昨年の秋は期待されながらも結果を残せませんでした。
圭太:いや、そういう話は特にしていないです。今後、そんな話はあると思いますよ。
-:乗った感じでは、去年の秋のスランプというか、敗因や悪い部分を感じるところはなかったですか?
圭太:ちょっと気難しさがあるのは感じましたね。ただ、レースに行って、それが出ているようには見受けられなかったので、心身が噛み合わないタイミングだったのかなという感じですかね。ただ、流石にG1馬の風格は感じたので、キッカケ一つで巻き返してくれると思いますよ。
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。