'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
勝利数
11月4日時点1555勝
いざ、捲土重来の安田記念へ!今春の再現を狙う!
2015/6/4(木)
捲土重来の安田記念に!
-:安田記念(G1)に挑むフィエロですが、前走はインで詰まって3着という結果でした。テン乗りだったこともありますし、もう一度、レースの印象を教えていただければと思います。
戸崎圭太騎手:前走は率直に力を出し切れずに終わりました。今はそれを反省して、次に繋げようという思いだけですね。馬自体はずごくセンスが良さそうなイメージですし、ゴチャゴチャした競馬の中でも怯まず伸びてきて、力はある印象は受けました。
-:逆に優等生ぽく、勝ちきる形が少し見え辛いタイプなのかなという感じもするのですが、いかがですか?
圭太:いや、重賞を勝っていないというのは、僕はビックリするぐらいの乗り味です。力もありますし、センスの良さをすごく感じるので、そこは強みかなと思いますね。レースはしやすいタイプだと思いますよ。
-:その一方で、前回はスローペースになり、テン乗りでなおかつ折り合いの不安もあり、開幕週の馬場も考慮して、インにこだわった結果、控え目な競馬になったと思います。敗因となったレース運びについては、そういった理由でよろしいですか?
圭太:その通りですね。消極的な乗り方が全てだったと思うので。それに、自分の気持ちも消極的になってしまったと思います。
-:その点、今回は巻き返そうという意欲もあるでしょうし、前回みたいにユッタリとしたペースになることも、そんなには考えられないと思います。そういう意味では、レース運びはもう少しスムーズな競馬になってくるのかな、という気はします。
圭太:まあ、その辺もありますが、一度乗ったことと、自分の反省もあるので、結局はそこに集約されると思っています。今回は巻き返さないといけないですね。
-:基本的にはテン乗りが得意なジョッキーだと思いますが、前回はテン乗りだったことが裏目に出ましたよね。
圭太:はい、少し大事に乗ったというか、映像を見ても、少し力むところがあるのかと思っていて、消極的でした。
-:その点、今回は違った要素になってきますし、2回目なので改善出来ると見てよろしいですね。追い切りと実戦に乗られて、この馬の良さというのは、それ以外に挙げられる要素はありますか?
圭太:繰り返すことになりますが、本当にセンスの良さを感じるので、そこを活かしたいな思っています。
-:体を見ると、あまり重過ぎもなく軽過ぎもなくという、バランスが良い感じを受けます。フットワークはどう感じられましたか?
圭太:うん、良いモノがありますよ。
-:そして、道悪は去年の安田記念を経験していますが、かたや超高速決着のマイルCSでタイム差なしの2着という結果でした。馬場適性としてはどういったところにありそうですか?
圭太:まあ、重くなるよりは軽い方が良いかな、という感じはしますね。
「ライバルはモーリスですね。こちらにもセールスポイントはありますし、向こうの強さは承知していますが、欠点がないというわけでもなさそうですからね」
-:決してそんなに道悪がダメな感じもしない走り方に見えるのですが。
圭太:そうですね。決してダメなことはないと思います。
-:そこはやっぱり肉体的な万能性も持っているということですね。また、安田記念といえば、割と年齢を重ねていても上位争いする傾向のあるレースだと思います。しかし、一見「6歳」というと、レース数を使っていると勘違いする人も多いと思います。そのフレッシュさはまだまだありそうですか?
圭太:それはだいぶ感じますね。まだ、数も使っていないように若々しいです。
-:前回は香港からの復帰緒戦ということでしたが、それを一度使っての上積み、上昇の余地はありそうでしたか?
圭太:正直、大きな差はないと思います。この間も攻め馬では動きましたから。
-:比較的、そういう休み明けから態勢が整うタイプかなという感じはしますね。
圭太:そうですね。なにしろ、(前走は)全能力を出し切れていないので。
-:今回のテーマとしては、能力通りにちゃんと力を引き出すということで良いですか?
圭太:ええ、そうですね。
-:なおかつ希望どおりの結果にするために、理想とする条件があれば教えていただきたいのですが?
圭太:出来れば内枠の良馬場でやりたいなと。迷いもなくレース運びができそうですからね。
-:5戦連続で続いたG1ですが、最終戦の安田記念に向けて、意気込みをお願いします。
圭太:今回も人気になるでしょうし、前回の失敗を踏まえて、フィエロの良い走りをさせたいなと思います。
-:楽しみにしています。6歳馬、藤原英昭厩舎、東京マイルということで、ストレイトガールに続いて2度目があれば良いですね。
圭太:そう祈ります!
-:最後に以前にも伺いましたが、ライバルとしてはどの辺りが眼中に入ってきそうでしょうか?
圭太:僕も乗せていただいたモーリス(牡4、美浦・堀厩舎)ですね(笑)。
-:「何で乗らないの?」という声をたくさん耳にしました。
圭太:まあ、こちらにもセールスポイントはありますし、向こうの強さは承知していますが、欠点がないというわけでもなさそうですからね。相手の乗り味を知っていることも僕にとっては有利になるでしょうから、そこを活かして良い勝負をしたいです。
-:そして、宝塚記念(G1)でも藤原厩舎のステファノス(牡4、栗東・藤原英厩舎)に騎乗することが決まりました。
圭太:同じ厩舎ということで責任は重大ですね。
-:良い馬を揃えている厩舎なので、良い騎乗を続けていければというところですね。
圭太:そうですね。チャンスをモノにしていきたいです。
※次回は6月7日(日)に公開予定です!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。