'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
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勝利数
12月16日時点1567勝
ルージュバックで桜・樫と無冠 戸崎騎手の心中は?
2015/6/8(月)
言い訳は何もできないオークス
-:悔しい結果となってしまいましたが、オークス(G1)のルージュバックについて振り返ってもらえますか?
圭太:これも1番人気で、何であろうと負けてしまったので、申し訳ないという一言です。
-:今回は14番枠からのスタートということで、ある程度そこから先行して、結果的には内枠の馬もあんまりスムーズな競馬が出来ていなかったので、先行したことに関しては良い方に作用したのかなという感じは受けました。レース運び、ポジションはいかがでしたか?
圭太:う~ん……正直分からないです。何が良かったのかも分からないですし、負けたことに関してはすごく悔しい思いが強いです。色々な見方があると思いますし、位置取りが前過ぎたのか、追い出しが早かったのか、良い騎乗だったのか、答えは一つではないと思います。
-:僕の意見では、良い騎乗だったという印象を受けました。ご本人の意見としては、そうではないということですね。
圭太:そうですね。ミッキークイーンも強いパフォーマンスを見せて、強かったと思いますが、あれだけの馬の乗せてもらっているので、勝ちたかったところです……。
-:時計もまずまずですし、レースも良い内容だったかなと思うのですが、やっぱりどう見ても、昨年の走りからはもう少しなのかなという印象でした。そういう思いはないですか?
圭太:ルージュバックに関しては、「本当に申し訳ありません」ということだけですよ。あとは第三者、周りが判断することなので……。
-:僕からすれば、あそこからガーンと来ても良いかなという感じがしました。直線で観ていましたが、それでも、これはあっさり沈むのかな、差されるのかな、と思ったら、粘っていたのでそこはビックリしました。
圭太:ルージュバックも頑張っていたと思いますよね。
-:結果的に抜けた1番人気に支持されるとは、少しビックリしましたね。人気はするとは思いました。
圭太:う~ん、それだけ……。桜花賞で1倍台ですからね。やっぱり人気にはなるとは思います。
「しかし、1番人気はやっぱり勝たなきゃいけないですよ。それは、1番人気に乗ったから思うことですしね。乗っているからこそ、枠順だの展開だの何だの云々じゃなくて、それを超えて勝たなきゃいけないですよ」
-:状態面に関わる話かなという気はしますが、今回は特殊な調整期間を経てのレースだったと思います。気配は前走と比較していかがでしたか?
圭太:気配は、前走も特に悪いなという感じもしなかったですし、この馬に限っては何も……。申し訳ないだけですよ……。
-:今までもG1で嬉しいこともあれば悔しい思いをされてきたと思いますが、去年はまだ1番人気に乗ることがなかったじゃないですか?今年の春は、結果的に人気馬が集まってきて、未勝利が3回ありました。レース毎に敗因はあると思いますが、それは段階を踏んでいく上で違った経験を積んでいる訳で経験になった春でしたか?
圭太:それはそうですね。人気馬の騎乗機会をいただき、結果が付いてきていないので、申し訳ない思いですが、僕自身は良い経験になりましたね。しかし、1番人気はやっぱり勝たなきゃいけないですよ。それは、1番人気に乗ったから思うことですしね。乗っているからこそ、枠順だの展開だの何だの云々じゃなくて、それを超えて勝たなきゃいけないですよ。まあ、「1番人気だから」ということだけではないですが、やっぱりそういう思いは強くなりました。だから、「情けない」という思いが強いですね。決められないというか。
-:そういう意味では、安田記念は結果を出したいですね。
圭太:それはよりそう思いますね。
-:G1と言えば、ダービーにまさか騎乗馬がいないという結果でした。それに対して悔しい思いはありますか?
圭太:乗っていたかったですね。観戦の身になってしまって……。これも一つの勉強だと思って、自分が1番人気に乗っているつもりで観ておこうかなと思います。
-:1番人気はドゥラメンテですね。レース前日のジョッキーの心境としては、そんなに緊張するものはないですか?
圭太:人それぞれでしょう。緊張する人もいればね。
-:ご自身だったら?
圭太:前の日は大丈夫かな。いずれにせよ、来年は緊張感のあるダービーになるといいなと思います。
もう少し粘りが欲しいアジアエクスプレス
-:平安ステークス(G3)のアジアエクスプレスの話もお願いします。
圭太:外枠を引けて、前走は逃げているので、逃げるのは嫌かな思いました。結果は出ませんでしたが、良い形で進められたかという感じは受けましたね。
-:先行決着の中、上位に残っていないというのを見たら、ある程度分かっている人もいると思いますが……。
圭太:これは正直に言うと、レースに対しての精神面が慢性化しているのでしょうね。ただ、やっぱり直線の歯痒さというのはありますね。前走もそうだったのですが、逃げてマークされる形にはなったとはいえ、もう少し辛抱しきれる馬かなという気はしていますね。
-:それは、まだ良い頃に戻っていないということでいいのでしょうか?
圭太:う~ん、馬はすごく気持ちも乗っているし、フットワークも良いのですが、直線の頑張りが今イチですね……。
-:確かに前に比べたら、先行という形で競馬の型は安定はしてきているのですよね。揉まれ弱さがなくなったとすれば。同じダートでいえばオープン特別ですが、欅Sのレッドアルヴィス(牡4、栗東・安田隆厩舎)はいかがでしたか?
圭太:前に乗せていただいた時は、馬体もまだ若い印象で緩さもあって、結果も出なかったのですが、返し馬から成長も感じましたし、馬もシッカリしていました。
-:こんなに強いんだと思いましたね。ちょっとビックリしました。
圭太:そうですね。
-:今日は1400でしたが、京都の1400でも勝っていますし、現状は条件的にも1400が良いのですか?
圭太:もうちょっと延びてもやれるのかなという気はしますよ。
-:もともとユニコーンSでも勝っているぐらいですから、1600でもこなせるのかなという感じはしますね。昨年より進歩した印象ですか?
圭太:全然、変わっていますね。良いことだと思います。
-:なかなかの勝ちっ振りだと思うので、今後のダート戦線、来年のフェブラリーS辺りが楽しみですね。
圭太:そうですね。まだ、揉まれると弱さがあるみたいなので、その辺もドッシリしてくれると、もっと強い馬になると思います。今後が楽しみじゃないですか。
-:前のアジアエクスプレスもそうですが、ダートでの揉まれ弱さというか、そこら辺というのは、やっぱり4歳ぐらいだと付きものですか?
圭太:まあ、全然大丈夫な馬は大丈夫なのですが、やっぱり苦手な馬は苦手なのでしょうね。
-:重賞やG1で、そういう弱さがあると致命的じゃないですか?
圭太:それを補う乗り方をしないといけないですし、強くなってもらいたいといいますか、教えていかなきゃいけない部分もありますね。
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。