'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
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コンビ復活!ステファノスとマイル王目指し安田記念へ
2017/6/2(金)
長らく続いた春のG1シリーズも今週で一区切り。かねてから安田記念ではステファノスと再タッグを組むことが決定していた戸崎騎手だが、過去には同じ舞台の富士Sを制したコンビでもある。ジョッキーにとっても、G1タイトルはご無沙汰。馬にとっても3度の銀メダルと悲願。陣営の思いが実るのか?意気込みのほどを確かめてほしい。
ステファノスとマイルで勝たせてもらっていますし、それが同じ東京。良いイメージはありますよ。もともと乗りやすい馬で、不安という不安もないので楽しみでしかないですね。
-:さあ、今週は安田記念(G1)ですね。ステファノスとは昨年の上半期以来のコンビになりますね。能力は既に把握されている存在でしょうし、1週前追い切りにも騎乗済み。感触としてはいかがでしょうか?
圭太:僕はステファノスとマイルで勝たせてもらっていますし、それが同じ東京。良いイメージはありますよ。もともと乗りやすい馬で、不安という不安もないので楽しみでしかないですね。枠順もとくにここが良いという希望もありません。あとは成績の通り、G1で勝ち切れていないので、どこかでタイトルを……という思いはありました。
▲マイル戦も戸崎騎手と制した2014年の富士S以来の挑戦となるステファノス
-:前回の大阪杯は乗られてはいませんが、序盤から出していって、勝ち馬をマークするような競馬でした。それが今回は2Fの距離短縮。そこは誰もが気になるところですが、改めてどう感じられますか?
圭太:ただ、東京コースなのでね。もともとの持ち味は先行していくタイプではないですし、ある程度は後方からにはなりそうですが、そこまで気にすることではないのかなと。もちろん戦法やレース運びは枠順の並びにもよると思いますけどね。
-:今年は香港馬もいて、どう出てくるか未知数な面もありますもんね。古い話になりますが、タイプは違えどツルマルボーイなどのように、中距離路線であと一歩だった馬がハマることもあるので、僕もそうなるのかなとは思っているんです。
圭太:ああ、それはあるかもしれないですね。まあ、馬も1週前の段階では追い切りに乗せていただいて、以前よりも力強くなった印象ですよ。
-:能力は示していながら成長があるのだから、心強いところですね。古い話では、2015年の天皇賞(秋)も最終コーナーで不利がありながらの惜しい競馬。当時の勝ち馬との通った場所の差を考えても、G1に手が届いてもと思います。
圭太:ええ、そういえば、ありましたよね。香港なんかでも頑張っていましたし。
▲5/24(水)、栗東トレセンで1週前追い切りに騎乗
-:あと一点、気になるところでいえば、今年の金鯱賞でも調教ではかなり動いていながらも、レースではピリっとすることが出来ませんでした。厩舎的にも叩き2戦目でグンと上がっていく印象。今回は香港にも向かうことなく、若干間隔はひらいていますが、その点はどう見られますか?
圭太:さすがに僕がローテについてどうこうは言えませんが(笑)、ただ、それは先生も言っていたんです。その点、今回は珍しく在厩で調整していたらしく、いい意味でピリっとしているので、距離への対応や状態面でも良い方向に向いてくれるのでは、と思います。
-:個人的には、ジョッキーにとってもこの春、最大のG1制覇のチャンスかと思っています。意気込みのほどをよろしくお願いします。
圭太:僕もチャンスだと思っていますし、上半期のG1で騎乗する機会はこれが最後かもしれません。ステファノスにもタイトルを獲らせてあげたいと思います。良い仕事をしたいですね。
▲ロジブリランテは前走で一変 今年好相性の国枝厩舎の管理馬でもある
-:今週のその他の騎乗馬についてもよろしくお願いします。まず、土曜の国分寺特別からサンクロワ、最終レース(3歳上500万下)のロジブリランテといかがでしょうか?
圭太:サンクロワは惜しいレースが続いていますが、頭数も手頃ですし、降級。結果を残したいですね。ロジブリランテは未勝利勝ち直後ですが、時計も示すようにガラっと馬が変わっていたのでね。1F短くなる点も特に気になりませんよ。
-:日曜の由比ヶ浜特別のロワアブソリュー、三浦特別のジェイケイライアンも引き続き騎乗。ロワアブソリューはおそらくかなり人気を集めそうですが、ゲートには気をつけたほうが良いタイプですか?
圭太:どうですかねえ。ロワアブソリューはゲートの中での様子が悪くて出遅れているわけでもないので、そこはつきものなのかもしれません。ただ、馬はいい馬ですよね。ジェイケイライアンも左回り、東京コースがハマってくれたイメージ。これから雨が降るという予報はないようですが、馬場は渋ったほうが良いタイプでしょうね。
ペルシアンナイトはひとえに折り合いがつけられなかったですね……。ペース云々以前に序盤のロスが堪えましたね。返し馬とレースでは全く違いました。
-:そして、先週のレースとなると、日本ダービー(G1)。ペルシアンナイトとのコンビで臨まれたのですが、結果は7着でしたね。
圭太:ひとえに折り合いがつけられなかったですね……。
-:あのスローペースは当日の条件戦よりも遅い勝ち時計に物議を醸したと思いますが、あの流れで苦しんだのはペルシアンナイトかと思うんです。
圭太:いや、ペース云々以前に序盤のロスが堪えましたね。返し馬とレースでは全く違いました。決してレースで油断していたわけではありませんし、返し馬ではすごく乗りやすさを感じて、「あぁ、走りそうだな」と色気を感じていたほど。とにかく引っ掛かりました。
-:舌を縛るヒモが外れていたのも関係ありませんか?
圭太:う~ん、それはないと思います。
-:戦前はここまで折り合いに苦しむとは思っていなかったのですが、思えば皐月賞もハイペースでしたものね。一度、乗られた上でのベストはどれくらいに感じましたか?
圭太:前走は道中で上がっていってもいましたからね。現状はやはり2000mくらいなのかなと感じました。
-:目黒記念(G2)のヴォルシェーブは不利もありましたが、あれがどれくらい影響したのか気になりました。
圭太:どうでしょうかね。敗れはしましたが、良いリズムで道中は運べました。直線を向いて、外を回るか、内を突くのか考えたのですが、これまでのレースぶりをみていると、不利なく内を突いたとしても、少し持っていたいと思っていたほどです。前走も前が壁になってから、そこからスパッと抜け出したようにね。
-:確かに使える脚が長いというよりは一瞬の切れ味がありそうなタイプですよね。
圭太:外に回ったらもちろんスムーズだったと思います。でも、直線で抜け出してからも、この馬が伸びている中で勝ち馬に差された印象。勝ち馬の強さを感じたのも事実ですね。こっちも止まっていたわけではなかったですからね。
-:フェイムゲームも去勢などありましたが、過去の実績でいえば、メンバーでも随一でしたよね。サンマルティン、ルックトゥワイスあたりは強い競馬でしたね。
圭太:サンマルティンも折り合いがカギでしたが、どうも左回りは内に刺さりますね。力は上にいっても通用すると思いますが、乗りやすさでいえば右回りの方が良さそうです。ルックトゥワイスはもともと力のありそうな走りをしていましたし、ある程度、強気に自信を持って臨みましたよ。降級もありますが、上のクラスでもやれそうです。
-:クインズサターンはレース前に調教過程をみると、休み明けが心配になりました。サレンティーナは東京替わりを期待していたところでしたが、もうひと押しとなりませんでした。
圭太:クインズサターンは反応の面でいえば、やはり休み明けかもしれませんね。ピリっとした感じが幾らか物足りなかったと思います。サレンティーナは3~4コーナーの緩いところで加速がつかなかったですね。その日の後半くらいになると、馬場もずいぶん回復していたのですが。
-:エイシンビジョン、クインズサンなどはどうでしたか?
圭太:エイシンビジョンは強かったですね。抜け出す脚も良かったですし、最後まで楽でした。クインズサンは乗りやすくてチークの効果もあったようでした。枠も外で、ペースも向きましたね。
-:そして、今週でG1レースも宝塚記念までひと区切りですね。この後は概ね東京での騎乗になりそうですか?
圭太:東京、福島と。CBC賞(G3)のメラグラーナで中京に行く予定はあります。
-:夏場に差し掛かると、今週のように交流競走での騎乗も増えてきますし、体調には気をつけつつ頑張ってください。そして、イベントもよろしくお願いします!
圭太:そうですね。楽しみにしています。
【お知らせ】競馬ラボでは、6月19日(月)に戸崎圭太騎手をSPゲストとして招いて、LOFT9 Shibuyaでリアルイベントシリーズ第3弾「生うまトークサミット VOL3 ~週刊!戸崎圭太・公開収録編+宝塚記念・直前展望ライヴもやるよ~」を開催します。
イベント詳細はコチラ⇒ 6/19(月) 競馬ラボ・リアルイベントに戸崎圭太騎手が初出演!
そこで、「週刊!戸崎圭太」では遠方や都合で当日、おこしいただけない方のためにもイベントでの質問を募集いたします。もちろん来場予定の方もOKです!
レースにまつわる話やプライベートなど内容は問いません。当日の模様は動画撮影されるので、後日、質問採用者への回答は、ご本人の口からお答えいただくことになりますよ!
応募は「週刊!戸崎圭太・公開収録質問係」と件名に記載の上、(お名前またはペンネーム)(会員ID)(質問内容)をメールでkeita_tosaki@keibalab.jpへお送りください。
※質問が多数の場合は編集部がチョイスさせていただきます
※複数質問も可能です
(聞き手:競馬ラボ・小野田)
※次回は6月9日(金)に更新予定です!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。