'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
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11月18日時点1558勝
アイビスSDはコンビ3戦3勝のネロで参戦!新潟でも勝ちまくれ!
2017/7/28(金)
全然(勝ち)足りませんね。ただ、今年の福島は結果だけではなく、違った感覚を得られる部分はあったと思います
-:今週から新潟開催となりますが、よろしくお願いします!まず、福島リーディングおめでとうございました。素晴らしい成績でしたね。
圭太:ありがとうございます!いやあ、もう、本当に……これだけ1番人気の馬に乗せていただき、感謝しかありません。僕の力だけでは不可能だと思うので、つくづく周りのサポートに感謝するばかりです。
-:1週間で9勝したあたりでリーディングは射程圏に入れたと思いましたが、終わってみれば、1開催最多タイの勝利数(21勝)でしたね。
圭太:知らなかったんですよね。すべて終わって、表彰式で初めて耳にしたほど。気づいていたら、最終レースは勝てていなかったかもしれないですし、他のレースでとれたところもあったかもしれない。こればっかりは巡り合わせですね。
-:しかし、当時は「気にしていない。いつもと同じです」といった類の話をされていたと思いますが、やはり声のトーンもまた違いますよね。
圭太:そうですか……ね。それは、(聞き手である)小野田さんでしかわからない部分だと思いますよ。まあ、そうなのかと思いますし、やはり勝利が一番の薬です。
-:でも、まだまだ勝ち足りないんじゃないでしょうか?
圭太:(キッパリと)全然足りませんね。ただ、今年の福島は結果だけではなく、違った感覚を得られる部分はあったと思います。
-:違った部分と言いますと、どんな点ですか?
圭太:1開催の最多勝をマークできたことも嬉しく思いますし、七夕賞の週などは(スポーツ新聞の)コラムでも書かせてもらったのですが、七夕賞だけじゃなく織姫賞、彦星賞も勝たせてもらうのは初めてだったらしいんですよね。それに、その前日は誕生日当日でしたが、色々な方に声をかけていただいて。
-:誕生日当日は勝ち星もたくさん挙げられましたし、余計にハッピーな1日でしたか。
圭太:そうですね。誕生日に乗るのも悪くないなと思いました(笑)。
(千直は)とにかくスピードは欲しいですね。かといって差す競馬もできる舞台です。それに、非力なタイプでも走ったりしますし、調教で走っているような馬は良いですよね
-:ちなみに、来年の7月8日も開催日のようですね。今年も僕調べでは、たくさんのファンが誕生日を狙って競馬場に足を運んでいたようなので、素晴らしいなと思います。ファン代表の僕は社内勤務でしたから(笑)。今週ですが、新潟に舞台が替わります。アイビスSD(G3)では、ネロとのコンビで臨まれますね。
圭太:正直、僕は良いイメージしかない馬ですね。(※コンビ成績3戦3勝)
-:その中で、今回は58キロであったり、近走をみるとテンの行きっぷりがもう少しかなと思う部分もあったり、休み明けと不安な点もありますね。
圭太:確かに以前より年齢も感じるような走りにみえますが、僕は特に58キロがポイントになるかなと思います。
-:ちなみに、土日ともに雨予報。ネロに騎乗されて、道悪も経験されていますが、この点はいかがですか?
圭太:雨予報だったんですね?馬場が悪そうなのは問題ないタイプだと思いますよ。
-:以前から直線競馬には前向きなコメントを残されていると思います。毎年、聞いていると思いますが、改めてどんなタイプがハマりますか?
圭太:とにかくスピードは欲しいですね。かといって差す競馬もできる舞台です。それに、非力なタイプでも走ったりしますし、調教で走っているような馬は良いですよね。僕なんかは枠についてはそんなに気にならないんですけど、やっぱり外枠の方が結果は良いみたいですよね。
-:ありがとうございます。続いて、その他の騎乗馬についてもよろしくお願いします。日曜の岩室温泉特別のオウケンビリーヴや8R(3歳上500万下)のエイプリルミストなどはどうでしょうか?
圭太:オウケンビリーヴ(牝4、栗東・安田隆厩舎)はここ最近の戦歴からも期待したいところ。エイプリルミスト(牝3、美浦・手塚厩舎)は前走、騎乗させてもらった時にも成長を感じていましたからね。このクラスでもやれる存在だと思いますよ。
-:土曜から閃光特別のダークプリンセス、8R(3歳上500万下)のペイシャバラードは引き続き騎乗します。
圭太:ダークプリンセス(牝3、美浦・萩原厩舎)はいいスピードを見せてくれましたよね。これこそ1000mは合いそうな雰囲気です。ペイシャバラード(牝4、美浦・高市厩舎)は結果的に距離が短くなるのは良さそうですよ。
-:2歳未勝利戦の2頭、クラウンエンジニアとマドモアゼル、2歳新馬のルッジェーロとどうですか?
圭太:マドモアゼル(牝2、美浦・斎藤誠厩舎)は前走、相手が悪かった感もありました。1400mで走っても不思議ではありません。クラウンエンジニア(牡2、美浦・田島俊厩舎)は追い切りに乗せてもらいましたが、良かったですよ。ルッジェーロ(牡2、美浦・鹿戸雄厩舎)も良い動きでしたね。
-:先週のその他のレースについてもよろしくお願いします。福島での21勝目を挙げたサレンティーナ(牡3、美浦・萩原厩舎)は初の1200mであの競馬にはビックリでした。
圭太:いや、僕も正直、この距離はどうかと思っていたんです。ただ、結果的には距離や条件が云々ではなく、仕上げが難しい馬なのかもしれません。今回も初距離で行きっぷりも良かったように、良い頃の走りでしたし、厩舎側も仕上げが難しいタイプなんじゃないかと思いますよ。
-:確かに以前、コロっと負けた時も突如としてデキ落ちした感がありましたからね。ショウナンバッハ(牡6、美浦・上原厩舎)はいかがでしたか?
圭太:真っ向勝負よりはロスのない競馬を心がけましたが、あと一歩でしたね。ただ、馬は以前よりも立派になった印象でしたよ。
-:ケルフロイデ(牡4、美浦・加藤征厩舎)は初ダートが良くなかったのか、久々過ぎたのか……。
圭太:ダートは決してダメな雰囲気は感じませんでした。やはり久々なのがこたえましたかね……。
-:モリトシラユリ(牝3、美浦・堀井厩舎)は人気を背負っていたものの、苦しい競馬でした。スタートでも前をカットされましたし、忙しい競馬になったのかと。
圭太:上手には走ってくれたんですけどね。強気に運んでも押し切れるんじゃないかと思っていたのですが、勝つにはもう少しジックリ運ぶべきでしたし、目標にされるようなところもありましたからね。状態も良かったところだけに、決めたかったです。
-:テンテマリ(牝6、美浦・柄崎厩舎)はテン乗りでしたが、鮮やかな差し切り勝ちでしたねえ。
圭太:凄く乗りやすかったですし、展開もハマりましたかね。上手く道中で脚が溜まってくれて、良い脚でしたよ。
-:昔(南関東競馬)のジョッキー仲間の方などもツイッターなどで「上手い」とおっしゃっていましたよ。
圭太:ああ、そうなんですか?(笑)まあ、馬が強かったですよ。
-:相変わらず謙虚ですが……、バイタルフォース(セ5、美浦・萩原厩舎)は正直、コースがどうかと思っていたんです。
圭太:そうですね。これは上手くいったと思ったのですが、どうしても何かにやられてしまう。素質のある馬ですし、コース替わりの面も上手くカバーできたと思ったのですが……。
-:火曜日は船橋の習志野きらっとスプリント(S3)で中央から転厩したブルドッグボスにも乗られましたね。
圭太:この条件はちょっと忙しかったですね。決して器用な馬ではないですし、慣れが必要だったかもしれません。勝ち馬は以前、僕も乗せていただいていて、短めの距離は合いそうだと思っていたんです。強かったですね。
-:これは余談ですが、レースによってヘルメットのバンドというかタイプも変えられたりするものですか?
圭太:違うタイプのヘルメットは交互に使っていますね。特にどれがどうというわけではなく。
-:さすがに、最近、色々見ていると気になる部分はありました。そして、ヘルメットの後ろには昔の勝負服カラーのアクセサリーみたいなものも。
圭太:あ~、あれは馬具屋さんの好意ですね。
-:それと、福島の写真を見ていると、やはり後半戦は少しやせられて映るイメージです。レースが終わると、喉が著しく乾いたりなんてこともありますか?
圭太:いや~特にないですかね。さすがに体重も減りはしますが、こまめに水分は補給していますし。しかも、今年の福島はなんだかんだ毎年ほど暑さを感じなかったですよね。
-:他にも競馬のウンチクを次週も伺えればと思います。よろしくお願いします!
圭太:来週もよろしくお願いします。
(聞き手:競馬ラボ・小野田)
※次回は8月4日(金)に更新予定です!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。