'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
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11月18日時点1558勝
さあサトノダイヤモンドと大阪杯へ!掴めG1タイトル!
2018/3/30(金)
大阪杯ではサトノダイヤモンドに騎乗する戸崎騎手。ご存知の通り、サトノダイヤモンドは出走回避が表明されていながら、昨年の有馬記念ファン投票でも2位の支持を集めたほどのスターホース。主戦騎手の不在による代打とはいえ、注目を集める騎乗依頼となった。今週水曜は最終追い切りに騎乗するために、栗東へ駆けつけ、その背中を確認。ダイヤモンドはその輝きを取り戻せるのか、見通しを語ってもらった。
●最終追い切りでサトノダイヤモンドと初合体!その感触は?
-:かねてから発表されていた通り、大阪杯(G1)にはサトノダイヤモンド(牡5、栗東・池江寿厩舎)と挑まれます。今週水曜は栗東トレセンに赴いて、最終追い切りに乗られました。今回、初めてコンビを組まれるわけで、サトノダイヤモンドの背中を確かめるのはこれが初めて。印象はどうでしたか?
圭太:一番は乗りやすかったなというのが印象ですね。レースを観ていてもそれは感じていたのですが、思っていた以上に乗りやすかったですね。馬っぷりを観ても、オーラ・雰囲気は感じましたよ。
-:やっぱり誰もが気になるのは状態。池江調教師の共同会見のコメントなどを見ても、良化途上なのかなというジャッジに感じましたよ。
圭太:う~ん、いい雰囲気でしたし、追い切りも動けているし、僕は問題ないのかなとは思いましたよ。
▲昨年新築された栗東トレセンのスタンド
新しい会見場での共同会見出席は戸崎騎手も初めてだった
-:追い切り後、池江先生との打ち合わせなどはありましたか?
圭太:いえ、まだ話してはいないですね。
-:ルメール騎手にはアドバイスをいただいたそうですね。
圭太:少し反応が鈍いところ、エンジンのかかりが遅いから気をつけた方がいいよ、とは言われましたね。
-:今週の栗東トレセンでの共同会見では、「息遣いが少し粗い」というコメントをされていたのが気になりました。
圭太:追い切り後、ちょっとね。でも、どこかあら探しをするようなもので、問題はないですよ。
-:凱旋門賞挑戦時もノドの不安が取り沙汰されていただけに……。
圭太:いやいや、それとは違う感じですよ。追い切りで走ったから、息が上がったというもので、気にするほどのことではなく、ただ、トレーニングで息が上がっていたかなという程度ですよ。それとは違います。
-:そして、2000mよりも長い舞台でG1を勝ってきました。このコースはどうでしょうか?
圭太:まあ、どうだろう。そこは僕も評価する立場でもないですからね。
▲サトノダイヤモンドの追い切りに騎乗 第一印象は「乗りやすさ」を口に
-:枠は1枠2番に決まりましたよね。外にいかなくてよかったと思っています。
圭太:そうですね。立ち回りはしやすいと思いますね。
-:これまでジェンティルドンナなどの名馬にも跨がられてきましたが、サトノダイヤモンドの乗り味はどうでしたか?
圭太:やっぱりいい馬だなと感じましたよ。ただ、レースで乗ってみないとわかりかねますよねえ。素晴らしい馬ですよ。素晴らしいことは間違いないんだけれど、追い切りは短いところしか走らないですからね。乗り味はやっぱりいいですよ。
-:ちなみに、今まで乗られてきたディープインパクト産駒と共通するところ、違うところはありましたか?
圭太:身のこなしの良さなどはディープ産駒らしい感じですね。ただ、馬格も大きいですから、普通のディープ産駒よりはパワーよりかもしれません。
-:人気はどれくらいの順番になるか、見当がつかないところも受けますが、チャンスのある一頭であると思います。大阪杯に向けて、意気込みのほどをお願いします。
圭太:何度も同じになってしまいますが、こういう馬の騎乗依頼を受けて、跨がれることはすごく光栄に思いますし、そうやって声をかけていただいた関係者には感謝したいです。ファンの多さも実感しているので、それだけのレースをしなくてはいけないと思いますし、責任もあります。なかなかないチャンスだと思うので、いい結果になればと思います。
-:土曜3R(3歳未勝利)のルコンセール(牝3、美浦・伊藤大厩舎)はどうでしょうか?
圭太:クセが強いですね……。かなり内にささっていたので、それが解消されれば走れていいと思うんですよね。枠どうこうよりも、そのクセだけですね。
-:ダービー卿チャレンジトロフィー(G3)ではレッドアンシェル(牡4、栗東・庄野厩舎)に乗られます。今週はとにかくテン乗りが多い週ですよね。
圭太:レースセンスはいいんじゃないでしょうか。枠も内枠ですし、上手く立ち回れれば。コースも替わるので、内が良くなってくるんじゃないかと思いますので。
●ひと叩きの上積みに期待したいゼーヴィント
-:先週のレース回顧では、日経賞(G2)のゼーヴィント(牡5、美浦・木村厩舎)はどうでしたか?
圭太:距離は初めてでしたが、こなせていましたからね。今までよりも休みも長かったこともあり、久々の分を感じましたね。一度使ったことで上積みがあるのではないでしょうか。
-:先週日曜の阪神では、レーヴドリーブ(牝3、栗東・高野厩舎)で勝利を挙げられました。
圭太:勝ちきれていませんでしたが、以前に乗ったときのイメージで運びました。当時より馬も良くなっていましたね。今回は順当勝ちといったところだと思います。着差以上に危なげなかったです。
-:四国新聞杯のエールデュレーヴ(牝5、栗東・須貝尚厩舎)は久々に乗られましたが、結果的にこのコースも良かったですね。
圭太:そうですね。枠順も良かったですし、前向きさを感じる走りでした。デキもよかったのでしょう。いい時に乗せてもらいましたよ。
-:ハクサンルドルフ(牡5、栗東・西園厩舎)は4着でした。
圭太:いい感じでいけたんですけどね。やっぱり後ろからになりますし、届かなかったです。ペースの助けもどうしても欲しいタイプですし……。
-:3月も終わりますが。
圭太:う~ん、もっと勝ちきれたらという思いですね。そこに尽きます。来週も土曜は中山で、日曜は阪神となります。桜花賞もチャンスのある馬だと思いますし、今年はG1のチャンスを掴めたらと思います。
●戸崎圭太ファンは戸崎騎手を馬券でどう狙う?
-:ここからはファンの皆さんに、戸崎騎手をどんな時に馬券で狙うか?予想での戸崎圭太の買い方をアンケートしてみました。割と似た意見は多かったのですが、「1番人気より2番人気狙いです。1番人気の時は寿命が縮まる思いで結果を確認します」というメールをいただきました。
圭太:多分、1番人気に弱いとは思われているだろうね、ハハハ(笑)。
-:他にも「狙う時は人気薄の差し馬」「藤原厩舎の叩き2戦目の時」「テン乗りに魅力を感じます」「他の出走馬に、前走戸崎さんが乗った馬が多いほど狙います」というメールをいただきました。
圭太:テン乗りや前走で乗った馬が多いレースというのは嬉しいですね。
-:「東京、中山、外枠、差し、牝馬、中穴とほぼ条件が揃っている時は軸にします」とのことですが、中穴というのはありますか。レース前にパドックとかで、人気とかはチェックされるのですか?
圭太:自分のというよりは、どの馬が人気なのかをたまに見たりしますよ。だいたい自分の馬の人気は把握しているから、そこは別に見ないですね。
-:「関西では藤原厩舎」と、さっきありましたが、成績はやっぱり良かったですね。とはいえ、そんなにすごく乗っているというほどでもないですよね。好走率は高いイメージですが。
圭太:そうですね。ただ、乗りやすいですよね。ビシッと指示もしてくれるし、こっちの意見も聞いてくれますね。
-:「どう思う?」という時もあると。
圭太:そうそう。どう乗るか、まず聞いてくれますね。それは平場でもそうです。だから、先生が現場にいない時に乗せてもらって負けると「本当に俺がいないとダメだな(笑)」と言われますね。何か川島(正行)先生に似ている感じがありますよね。ボスっぽい、親分肌というか……。だから、楽しいですよね。
-:川島先生も指示は細かかったのですか?
圭太:でも、単純でしたよね。「スタート出して、良い位置に付けて、強いから後はジッとして」みたいに。そんなに指示は出なかったかな。やっぱり存在感や馬の仕上げは素晴らしい方でしたよね。すごくお世話になりました。ただ、たまに突拍子もないことを言って「この馬は行くから……」と言って、「絶対に行けないでしょ」みたいな馬で(笑)。
熊野マネージャー:何か、急に装鞍所で馬をみてひらめいたりする方で。「あの馬は良い馬だから走るぞ」と言って、能力的に走らないことも。
圭太:「行かせて、その後に付いていって」と言われて、絶対に行けないですよ、という感じなんだけど、そんなエピソードもありましたね。
-:今のファンはフリオーソだけでなく、恩師・川島先生のイメージはないかもしれませんが、当時があったからこそ、今があるわけで。懐かしいですね。「馬券の狙いどころ」というテーマからだいぶそれましたが、また来週もよろしくお願いします!
圭太:はい、今週もがんばります。
(聞き手:競馬ラボ・小野田)
※次回は4月6日(金)に更新予定です!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。