'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
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アガラスときさらぎ賞へ!さあ2019年重賞初勝利だ
2019/2/1(金)
今年重賞初勝利へ。中京、東京と転戦した先週は、1番人気に支持された根岸Sでよもやの敗退、愛知杯は惜しくも3着に終わった戸崎騎手。今週はハイレベルといわれる東スポ杯で好走のアガラスとコンビを結成してきさらぎ賞に挑む。次週以降も期待馬の騎乗を控えているようだが、2月最初の重賞で、幸先よく勝利となるか。月替わりの好発進に期待したい。
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-:今週は日曜が京都できさらぎ賞(G3)に騎乗。アガラスとは初コンビにはなりますが、追い切りに騎乗されたようですね。
圭太:力強さがあって、いい馬でしたね。
-:「力強さ」ということで聞くと、今の美浦のウッドはけっこう重い、タフな状態なのかなと思います。
圭太:そう思います。輸送もあるので、激しいメニューではなかったと思いますが、しっかり動けていましたからね。
-:それと、数字的にも強調できるパフォーマンスはこれまで見せていると思いますが、「力強さ」が売りなのか、キレ味タイプなのか、どうでしょうか?トビは綺麗な方かと思いますが。
圭太:う~ん…どうなんでしょうか(笑)。まだ完成も先でしょうし、レースにも乗っていないので。ただ、走りは綺麗な感じはありますね。
-:というと、同世代の馬たちと比べても、成長の余地、伸びしろがありそうということですか。
圭太:ええ、そういう感触はありますね。
-:気性面で気になるところはありましたか?
圭太:ちょっとテンションが高くなりがちなところはあるらしいですね。その辺りは気にしたいと思います。ただ、上がってしまったら、どうしようもないですけど…。
-:ただ、共同通信杯との兼ね合いもありながら、そちらへ持っていくことを考えれば、陣営としても力は入るところでしょうね。
圭太:そうでしょうね。それに応えられるよう頑張ります。
-:日曜の京都では最終レース(4歳上1000万下)のジオラマ(牡6、栗東・西園厩舎)は惜しい競馬が続いています。
圭太:3、3着ときていますから。あと、ひと押しですね。イメージ的には京都になっても走れると思いますから。
-:土曜東京では4R(3歳500万下)のロークアルルージュ(牡3、美浦・手塚厩舎)、5R(3歳未勝利)のマルーンベルズ(牝3、美浦・萩原厩舎)と乗られたことのある馬ですね。ロークアルルージュは前走で騎乗されて、今回は距離短縮。マルーンベルズは未勝利戦で初出走ということですが、追い切りで乗られたそうですね。
圭太:マルーンベルズの動きは悪くないですが、追い出してから、まだ甘さはありそうでしたね。でも、能力はありそうです。ロークアルルージュは「決め手を活かすため、距離を短くしてもいいんじゃないか」とは進言しました。
-:そうだったんですね。ロークアルルージュは2Fの短縮なので、気にはなっていました。前回は馬体重が二桁増加でしたが、影響はありましたか?比較はないと思いますが。
圭太:大きい馬ですからね。でも、多少あったかもしれませんね。使って良くなってくれれば。
-:箱根特別のパルクデラモール(牝4、美浦・鹿戸雄厩舎)は前走が残念ながら、乗られていないタイミングで勝利。再び騎乗となります。
圭太:競馬も上手ですし、安定して走ってくれますから。クラスは上がりますが、いい競馬を期待しています。
-:距離の2400mは問題ないでしょうか。
圭太:もともと初戦、2400mで乗った時、未勝利でペースも遅くて、伸びあぐねていたんです。それで「距離を詰めていいんじゃないでしょうか?」と言ったのですが、クラスも上がって、ペースもペースですし。
-:川崎記念(Jpn1)にはアポロケンタッキー(牡7、栗東・山内厩舎)と出走。結果は4着でしたが、久々に騎乗されましたね。
圭太:返し馬から状態の良さは感じました。「けっこう乗り込んでいる」とも聞いていましたし、それを感じましたね。
-:しかし、あの馬はこれまで色々なレースを観させてもらっていますが、川崎のコーナーは厳しいですかね…。
圭太:そうですね…。東京で乗った時でも、コーナーが苦手に感じるほどでしたから。モタつくところがありますからね。分が悪いのは否めないですね。
-:去年こそ2着でしたが、あれだけ大きな馬ですからね。その中でも、頑張った結果なのかなと思います。
圭太:ええ、形は悪くなかったと思いますし、最後も差を詰めてくれていますからね。
-:同じ川崎競馬でいえば、森下博騎手が木曜の川崎メインを勝たれて、日本最年長勝利記録らしいですね。
圭太:ああ、そうだったんですか。それは素晴らしいですね…。僕も長く一緒に乗せていただきましたが、的場(文男)さんといい、大先輩たちの活躍は頭が上がらないですね。
-:先週のレース結果では、根岸ステークス(G3)のサンライズノヴァ(牡5、栗東・音無厩舎)は改めていかがでしたか?
圭太:イメージ通りのレースはできたと思います。ただ、いつもの伸びがみられなかった、走りができなかったなあと思います。敗因がちょっと分からないですね…。
-:僕も現場にいた時はどれだけのペースだったのか、どれだけ上がりを使っていたのか、見直さないとなあと思っていましたが、上がり3Fも珍しく上位3頭に入っていなかったくらいで、強いていえば、極端に乾燥した馬場でしょうか?
圭太:いやあ、そんなことはないでしょうね。昔も走っていますからね。苦手というか、決して得意ではないでしょうけど…あんな負け方は今までしたことがなかったので。
-:怪我かとも思いましたが、坂路のデータをみると、既に乗ってはいるようですからね…。風が強めだったのか、でしょうか。
圭太:特に関係ないと思います(苦笑)。
-:前が残る展開や馬場だったとはいえ、それにしても判断し辛い負け方でした。カントル(牡3、栗東・藤原英厩舎)はどうでしたか?
圭太:こちらもイメージ通りでしたね。先頭に立つと、フワッとして幼さを出すところはありました。まだ余力があるのに、伸びていけないところはありましたかね…。
-:ただ、素質的にはありそうですかね。
圭太:追い切りでも雰囲気は感じていましたし、楽しみな馬だと思います。
-:ベルキューティ(牝3、美浦・田村厩舎)は周りが速かったですかね。
圭太:前半もついていけず、モマれて、砂をかぶって嫌気をさしてしまいました。
-:これこそ小柄ですし、乾いた馬場もよくないのかなと思いました。
圭太:そうですね。芝にも使う案があったくらいですからね。
-:中京ではコパノディール(牝6、美浦・武藤厩舎)で勝利されましたね。
圭太:前向きさがありそうな馬に思っていました。スタートを決めて、いい位置で競馬ができれば、とみていましたが、枠順もよかったですね。いいリズムでいけましたし、直線でも弾けてくれましたよ。
-:愛知杯(G3)のランドネ(牝4、栗東・角居厩舎)は3着。こちらはどうでしたか?
圭太:こちらもイメージ通りといいますか、形は思っていた通りにいきました。押し切れちゃうかな?なんて思いましたが、甘かったですね。最後も内に刺さるようなところもありましたからね。そういうところも解消されてくれれば、もう一つ良くなってきそうです。
-:秋華賞以来の騎乗でしたが、良くなった部分はありましたか?
圭太:大きくではありませんが、パワーがついたように思いますね。
-:ジョワイユ(牝5、美浦・高木登厩舎)は5着。最後はよく伸びていると思いました。
圭太:砂をかぶると嫌がると聞いていましたし、あまり中途半端よりも、メリハリのついた競馬にしました。スタートもよくて、スイスイと走ってはいましたけどね。嫌がるところは嫌がっていましたが、展開的にも、内、前の結果になってしまいましたからね…。
-:その中でも強い競馬はしていましたね。シャドウハンター(牡3、栗東・藤岡健厩舎)はレース映像をみると、直線半ばまでは手前を替えていなかったようにみえました。
圭太:そうですね。替えきれていないですね。背腰が甘いところがあるので、そういう影響もありそうですね。ただ、新馬の時よりは随分良くなっていましたからね。新馬の時ももっと走ってくるな、と思っていましたし、良くなってきましたね。
-:距離はこれくらいの方がよさそうですか?
圭太:おそらくそうですね。
-:グラスミルキー(牝3、美浦・尾形和厩舎)でも勝利されましたね。
圭太:随分と前向きさもあって、具合も良かったのでしょうね。いい形でしたし、いい時に乗せてもらいました。
-:今週はきさらぎ賞、次週は共同通信杯など、楽しみな馬に騎乗される機会も増えていますが、今年の重賞初勝利を期待したいところです。楽しみにしています!
圭太:ありがとうございます。
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。