'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
11月18日時点1558勝
3度目の夏の福島リーディングへ!ラストウィークは20鞍
2019/7/19(金)
2年ぶり夏の福島リーディングへ。2回福島は3週を終えて、11勝でトップの戸崎騎手。しかし、次位のジョッキーとは2勝差と接戦状態。開催最終週も勝ち星を重ね、晴れてリーディングを手にすることができるのだろうか。また、先日、JRA通算1000勝を記念した特設サイトも公開。続報も引き続きご期待いただきたい。(聞き手:競馬ラボ・小野田)
おめでとう!戸崎圭太騎手1000勝を祝して3大プロジェクト進行中!
-:福島開催も最終週となりますが、先週は土曜が全鞍で計22鞍の騎乗、今週は20鞍となりますね。まずは時系列順にピンポイントで騎乗馬について語っていただければと思いますが、土曜6R(2歳新馬)のヴォールヴィコントは今週、ポリトラックコースで5Fの追い切りに乗られたようですね。
戸崎圭太騎手:前向きさがありますし、新馬向きですね。仕上がりも態勢は整っているんじゃないでしょうか。
▲15日は盛岡で騎手招待競走に参加
-:8R(3歳上1勝クラス)のレッドイリーゼは前走が初騎乗で4着。いわき特別(3歳上2勝クラス)のエイムアンドエンドは追い切りに乗られ、最終R(3歳上1勝クラス)のシャインサンデーは前回が久々の騎乗で2着でしたね。
圭太:レッドイリーゼは乗りやすい馬で、競馬の組み立ても立てやすいと思います。今回もしっかり組み立てて、前走以上を狙いたいところです。エイムアンドエンドは追い切りに乗せてもらった感触では、ポテンシャルが高そうですね。乗りやすさも感じたのですが、聞くところ、レースにいくと折り合いが鍵とのこと。そのギャップは感じたので、頭には入れて乗りたいですね。どちらかというと、そこまで末脚がキレるタイプでもなさそうなので、前々の競馬になるのかな。シャインサンデーは前走が惜しい競馬。前走のようにこちらがいいリズムで運べても、逃げ切られてしまうこともあるものですが、チャンスは十分にある馬だと思っています。
-:日曜だと、騎乗経験がある馬は他にもいますが、4R(3歳未勝利)のブライティアセルバ、6R(3歳未勝利)のウィローグラウスあたりは乗られてから、間隔が開いていないところですかね。
圭太:ブライティアセルバは新馬からいい競馬をしてくれていますし、チャンスはあるでしょう。距離も問題ないと思います。ウィローグラウスの前走は勝ち馬が強かったですねえ。いい脚で差し切られてしまいました。ゲートが課題になりそうですが、スムーズに出ればチャンスはあると思います。
-:先週、今週と多頭数の騎乗が続きますね。ジョッキーによっては「例年の暑さで何鞍も乗っていたら、体力的に厳しい」という声も耳にしましたが、今年はまだ涼しいようですね。
圭太:いつもの福島とは、全然違いますね。その分、雨がね…。今週はまた馬場が乾いたらどういう傾向になるか分かりませんが、また雨なんて話もありますね。
-:先週のレースでは、バーデンバーデンCのメイソンジュニアは久々に乗られて3着でしたね。
圭太:馬には落ち着きも出ていましたし、身体も幅が出てきた印象でした。レースはスムーズに乗れたのですが…。悪い馬場も我慢してくれましたし、むしろこなしそうですね。
-:鶴ヶ城特別のスズカグラーテ、開成山特別のエフェクトオンと連続で2着でした。
圭太:スズカグラーテはスタートが良かったので、ハナにいってもいいくらいだと思いましたが、もともと先頭に立つと止めてしまうところがあるようですからね。ペースも遅かった分、前に残られてしまいましたし、もどかしいところでした。最後も伸びてはいるんですけどね。もっと伸びてもいいくらいだと思います。エフェクトオンは気持ちよく走らせ過ぎましたね。馬場も問題なく、スイスイといってくれましたが…。いい馬ですし、この先も楽しみです。
▲先週はセレクトセールにも訪れた
-:3歳未勝利のグロリアーナ、2歳新馬のプリンスチャームと1番人気ながら4着でした。
圭太:グロリアーナは初めてのブリンカーがあまりいい方向に向いていないのかなと思いましたね…。プリンスチャームは追い切りなどには乗っていなかったので、先入観はなかったのですが、おとなしい馬だと感じていました。しかし、返し馬におろしたら凄い勢いで飛んでいって…。走りたい気持ち、前向きさが強くて、収まりづらかったですね。競馬もああいう形になり、難しいところがあるなと感じました。小さい馬ながら芯のある走りはしますし、フットワークもいいところはあるんですけどね。珍しいくらいに元気のある馬だなと感じました。
-:タイセイシャトルは待望の初勝利でしたね~。
圭太:まずは勝ててよかったですね。スタートは出てくれたものの、置かれるところはありましたが、上手く馬群も捌けましたし。ただ、なかなか競馬であんなに上手くいくことはないですからね。どちらかといえば、東京コースの方がいいのかもしれません。
-:3歳上1勝クラスのスティルネスはハナ差の2着と惜しい結果でした。
圭太:いいモノは持っているなと感じました。もう少し外を回らず、我慢すればしのげていたかもしれませんが、まだ良くなりそうな余地も感じましたよ。
-:レレマーマは10着。以前も伺いましたが、気難しいところを出してしまったのでしょうか。
圭太:そうですね。直線では気難しさを出してしまい、最後は走ることを止めてしまいました。
-:信夫山特別のタンタフエルサ、雄国沼特別のマジックリアリズムと同じく2番人気で4着でしたね。
圭太:タンタフエルサはやっぱり福島コースが合わないですね。ただ、馬自体は良くなっていると思いますし、条件次第でチャンスがありそうです。マジックリアリズムは乗りやすかったんですけどね。周りがグイグイいっている中、控えることができたほど。これなら距離はもう少しあっても競馬はできるかもしれません。この馬の妹にも乗せてもらいましたが、タイプは違いますね。
-:その妹・マジックキャッスルは新馬勝ちを決めました。
圭太:追い切りからいい感触は感じていました。モマれた場合に能力を発揮できるか、という不安はあるのですが、そんなこともなく競馬はできました。距離は1600mくらいまで持てばいいですが、フットワーク的にはいけそうですね。あとは精神面であったり、モマれた場合の不安をどう解消するか、ですね。もちろん今後はそういう競馬も経験させたいと思います。姉とはフットワークは似ていますけど、気性が違いますね。
-:ストームリッパーはダート替わりでしたが、着順を落としてしまいました。
圭太:返し馬から砂をつかめていない感じでしたが、もう少しやれると思ったんですけどね…。
-:マイネルナイペス、テリオスヒメでも勝ち星を挙げられました。
圭太:マイネルナイペスは終始忙しく、もう少し距離があって良さそうですね。それでも走るのだから、能力は高いのだと思います。テリオスヒメはいいスピードを活かして、しのぎきってくれました。あとは直線での粘りをもう少しつけてくれるといいなと思います。
-:さて、最後に読者からの質問の続きもまじえたいと思います。まずは「焼肉で好きな部位はどこですか?」という質問です。
圭太:ハラミ!
-:次の質問は前にも聞いたと思いますが、変化があるかもしれないので伺います。「競馬やプライベートでジンクス的な行動はありますか?」です。
圭太:レース前に馬に愛撫するぐらいですかね。あとは、別にそんなにこだわりはないです。
-:3つ目は「購読している雑誌や好きな作家、よくアクセスするウェブサイトとかはありますか?」という質問をピックアップさせてもらいます。
圭太:コレというのはないので、その時の話題のものを見たりという感じですかね。ファッション誌は昔の方が見ていましたよ。最近は買わなくなりました。
-: “研究”しなくなりましたか。
圭太: “研究”していた訳ではないけど(笑)、最近は音楽を聴くようになりましたね。しかも、最近はイヤホンも買って、ワイヤレスのブルートゥースを知ったから。
熊野マネージャー:ちゃんと切らないんですよ。入れっ放しなので、車に近付いてくると、いきなり車の音楽が掛かったりするんですよ。使い方が分かっていないですからね。
-:具体的な曲では?
圭太:まだあまりないですけど、流行の曲が毎回流れるサイトがあって、それをずっと聴いています。すごく良いです。
-:最後に「春のG1は惜しい結果が多かったですが、その中でも、京都の長距離戦に乗っているイメージがありませんでした。あまり騎乗経験がなかった京都の3200mに挑むにあたって、何か考えていたこととかありますか?」という質問で終えたいと思います。
圭太:(阪神大賞典前は)3000m以上も勝ったことがない状態でしたからね。ただ、シャケトラに乗せていただいた時に、色々勉強になったし、教えてくれたなと思いますし、それが活きたレースでもありましたね。長丁場なので、道中で馬に負担を掛けずに、というのが一番大事かなと思いましたので、そこは気を付けて乗りましたね。
-:勝てたことが大きかったと。
圭太:大きいですね。自信にもなるというか、一つの経験にもなりますからね。
-:今週はこんなところになります。ご存知の方も多いと思いますが、読者の皆様にはお知らせもありますので、引き続き続報を待ちつつ、お楽しみいただけたらと思います!ジョッキーは次週もよろしくお願いします!
圭太:よろしくお願いします!
※次回は7月26日(金)に更新予定です!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。