'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
11月18日時点1558勝
逆転へ最終週は19鞍&新潟記念はフランツに騎乗!
2019/8/30(金)
有終の美へ。長らく続いた夏競馬も今週が最終週。土日ともに新潟競馬場での騎乗となる戸崎騎手は開催リーディング争いでは2勝差。まだ逆転の芽は残されているといえるポジションだが、晴れて夏を締めくくれるか。また、秋競馬へ向けて弾みをつけられるか。迫る1000勝記念パーティーへ向けても、好勝負を期待したい週末だ。(聞き手:競馬ラボ・小野田)
-:今週で夏の新潟もラスト。新潟記念(G3)にはフランツで挑まれます。追い切りにも乗られてなく、テン乗りでのレースになりますね。
圭太:レース映像を確認したところ、ディープインパクト産駒らしい、キレがありそうですね。終いの脚はいいものがありそうですから、そこを活かした競馬をしたいですね。ただ、いつも後ろからの競馬になっていますし、当日の馬場や、展開がどうなるか。前が残ることもありそうですから。
-:土曜メインの長岡ステークスにはアモーレミオに騎乗。2連勝中です。
圭太:前回は思っていた以上に強い内容でしたね。久々でも走ってくれてはいますが、今回は順調さを欠いて、仕切り直しになった分がどう出るか。それと、距離のマイルも若干忙しい印象はありますね。
▲6カ月半ぶりのレースになるアモーレミオ
-:この馬のゲートは決して上手い方ではないと思いますし、レースとしてはすぐに追って反応しないところがありますね。
圭太:ゲートはどうしても上手くはきってくれないですね。反応は良くも悪くも、脚を使えればいいものがあります。でも、反応の遅さも良さであったりしますし、道中の雰囲気もだんだんと良くなっていますしね。
-:土曜2R(2歳未勝利)のシゲルミカヅキは追い切りに乗られたようですね。この馬の新馬は他の馬に乗られていましたが、追い込んだ馬が勝つ展開。新馬としては、速いペースで粘り込んでいました。
圭太:いい感じでしたね。新馬でも2着になっていましたし、センスの良さは感じ取れました。前回のような競馬ができれば、チャンスは十分じゃないかと思います。
-:糸魚川特別のマジックリアリズムは福島で騎乗され、もう少し距離があっても、と言われていた記憶があります。
圭太:そうですね。今回の方が条件はいいですし(芝1800m→芝2000mに距離延長)、追い切りも前走より、ピリっとした感じがあって状態も良さそうなので、楽しみですね。
-:飯豊特別のナランフレグは芝の千直戦で大きく変化。上がりも優秀でした。条件は前回言っていた通り、引き続き芝にはなりますね。
圭太:コーナーがあるのは鍵になると思いますが、前走の脚が良かったので、ああいうイメージで臨めたらと思います。
-:日曜2R(3歳未勝利)のモッシュピットは2走前に乗られた際、ダート適性も感じさせる内容でした。
圭太:福島の時は後ろを離していましたし、自分の形に持ち込めれば、いいモノを出せるかなと思います。当時の勝ち馬も強かったですからね。
-:6R(3歳未勝利)のカンパーニャは惜しい競馬もあるのですが、なかなか勝ち切れないですね。
圭太:状態面が鍵ですかね。あとは上がりが掛かってくれれば。
-:7R(3歳上1勝クラス)のベルゲンハーバーは昇級の前走が10着。クラス慣れが必要なのでしょうか…。
圭太:勝った時は強いレースをしてくれたのですが、慣れも必要なのかもしれません。どこかで勝機は巡ってきそうだと感じてはいるのですが。
-:8R(3歳上1勝クラス)のメッシーナは前走で2着に好走。クラスの目処はついていますね。
圭太:う~ん、ゲートなど色々とポイントはあるのですが、このクラスでは足りる馬ですから、力を出し切って、勝たせたいです。
-:弥彦特別のコーカスはいい時の上がりタイムだけをみると、新潟コースは合いそうなイメージも受けます。
圭太:思っている以上に競馬は上手にできるようになっていて、前よりは良くなっているのかもしれません。ただ、先入観としては展開がハマらないといけない、という馬。今回も力を出し切ってほしいです。
-:今週で競馬的には、夏競馬も最終週ですね。ここまでいかがでしょうか。
圭太:取りこぼしが多いかな、という思いもありますね。相手が強かったと片付けてしまいそうなところもありますが、2着が多く、歯がゆいレースは続いていますね。
-:確かに騎乗馬のラインナップをみて、厳しいなと思う時もありましたが、結果、惜しい競馬になることも。内容をみると、もうちょっとのアヤで勝てたレースもありましたね。
圭太:福島は例年よりもしっかり数も勝てて、良かったと思いますが、どちらかといえば、新潟がそんな結果が続きましたね。
-:そして、先週は札幌でワールドオールスタージョッキーズに出場。個人成績では5位となりました。初日はトップで折返し、第3戦のマイネルカイノンで勝利できれば、優勝もあるかなと思いましたが…。
圭太:そうですね。正直、マイネルカイノンは根本的には札幌コースが合っていない印象でした。馬の状態そのものは悪くなかったのですが、勝ちに行っている分、最後は余計に苦しくなってしまいましたね。騎乗馬をみると、第2戦のリリックドラマは一番勝てるチャンスがあるかなと思っていましたが。
-:ただ、リリックドラマは距離も1800mの方が先行力を活かせるようにも思えました。
圭太:それはそうですね。でも、Cランクの評価ながら、相手関係を見ると、あまり行く馬もいなかったので、ああいう展開に持ち込めるんじゃないかと思っていましたし、あとちょっとでしたね。
-:第1戦のタイセイソニックも4着と、人気以上のいい内容だったと思います。
圭太:ええ、思っていた以上にハミをとってくれましたし、レースに参加してくれましたね。
-:キーンランドカップ(G3)のアスターペガサスはよもやの大敗でした。
圭太:う~ん、いいところがなく、力を出しきれずに終わってしまいました。敗因が分からないですね。
-:ルスツ特別で5着のアイワナビリーヴはテン乗りでしたが、どうでしたか。気性が難しいイメージでした。
圭太:ゲートですね…。気合いが入りすぎてしまいましたし、リラックスしてもう少し上手に走れていれば、結果も違うのでしょうが。最後も同じ脚色になってしまいました。
-:新馬のフィーバスは4着でしたが、(5番人気)人気以上に走っていましたね。
圭太:まだ緩さはありますが、前向きさもあり、上手な競馬をしてくれましたよ。
-:3歳未勝利ですが、アマゾニカも2着であと少しの競馬でしたね。
圭太:うまく前目につけられたのですが、気性が難しいですね。
-:次週から秋競馬。重賞も連日の騎乗となってきますね!紫苑ステークス(G3)はパッシングスルー、京成杯オータムハンデキャップ(G3)にはクリノガウディーに騎乗。それ以降はどうなりそうですか?特にパーティーを開催予定の週末は、重賞制覇といってほしいところです(笑)。
圭太:パーティー前の3日間開催の重賞は、ローズS(G2)のウィクトーリア、セントライト記念(G2)はアドマイヤスコールに乗せていただきます。あとはその先で言えば、毎日王冠(G2)のダノンキングリーですか。
-:今年も外国人騎手も多数来そうな様相ですし、秋は大変な時季かと思いますが、1000勝パーティーの企画も大詰めです。そちらも併せて、引き続きよろしくお願いします。
圭太:よろしくお願いします!
※次回は9月6日(金)に更新予定です!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。