'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
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再手術は無事完了 復帰へ光明
2020/1/24(金)
負傷部分のプレート固定のため、再入院。17日に再手術となった戸崎騎手。今回は術後1週間の経過、そして、気になる復帰時期について初めて言及してくれた。
-:先週の金曜日に手術をされて、約1週間経ちましたが、具合はいかがですか。
圭太:お陰さまで無事に終わりました。今回も2度目の手術だったので、何となく経過も分かっていたので前回よりも精神的には少し余裕を持ちながら過ごせましたね。今回はギブスをしていないので、患部の動きがどうかと思ったのですが、手術前の動きよりも、若干悪くなった程度で治まりましたね。土曜日からリハビリといいますか、ちょっとずつ動かしているので、今はもう動きは良くなりましたね。
-:手術はけっこうな長さを切開すると思うのですが、そんなに動かせるものなのですね。
圭太:僕もビックリしています。手術が終わって土曜日に診察してくれた時に、先生からも「入院じゃなくてリハビリのための『合宿』だから」ということも言われました。けっこうキツめな感じでしたけどね。でも、やはり痛かったですね。そりゃあ手術をしたのだから、痛くないということもないでしょうけどね。昔は手術でそんなに痛みを感じなかったのですが、ハハハ。
-:それは日々、これだけ節度ある暮らしをしていても、やっぱりもうすぐ40代という年齢もあってのことですかね…。
圭太:ということもあるのかなぁ(笑)。手術に対して臆病になったとか、精神的なところは変わってないと思うので。それか、日が経ったら、昔のことは忘れちゃうのかもしれないですけどね。
-:痛みは大体1日くらいで治まりましたか。
圭太:治まりましたね。まず手術が終わって、全身麻酔から目が覚めるのですが、口に酸素(マスク)を着けているんですよね。それが鬱陶しくて、すごく外したいということもありますし、手術で気持ち悪くなる人もいたりするようですね。あとは体が自由に動かないもどかしさ、ジッとしとかなきゃいけないことも辛いですし。痛みに関してはジンジン、ガンガン、ギンギンと傷口が鳴っていましたね。前にも話しましたけど、薬の痛み止めが約6時間で、大体2時間くらいすると(効果が)消えてくるので、2種類くらいの痛み止めを2時間打って、2時間経ったら、ちょっと訴えて打って、そうすると残り2時間をちょっと我慢しないといけない感じなんですよ。それの繰り返しですね。夜もナースコールを押してやってもらいましたけどね。
今週の『ファンが選んだ・戸崎圭太騎手お気に入りの1枚』
昨年9月に園田競馬場で行われたゴールデンジョッキーカップ9レース後の勝利ジョッキーインタビューを受けている戸崎騎手の写真です。
大ファンの戸崎騎手が家から1番近い園田競馬場に来ると知って駆けつけました!中央競馬とは違い間近で姿を見られるので、すごく興奮しました。
インタビューの後は花束をいただいて感動していたのに、まさか!サインにも応じてくださり更に感動しました。
元気な姿になって競馬場でお見かけできる日を心待ちにしています!これからも応援しています!
-:看護婦さんも大変ですね。
圭太:やっぱり術後はナースさんたちも分かってくれてはいるといえ、ずっと診ているということは大変ですよ。
-:まだ、さすがに1週間なので、具体的な段階ではないでしょうけど、リハビリとしてはどういう動作に取り組まれているのですか。
圭太:可動域をつけることですね。曲げる方も伸ばす方も制限されているので、そこを徐々に伸ばしていく感じで、3歩進んで2歩下がるみたいな感じの繰り返しですかね。
-:まず、今週の競馬では TCK女王盃(Jpn3)で乗られてきたアンデスクイーンが出走しましたね。惜しくも勝利には手が届かなかったものの、船橋のクイーン賞からは巻き返しとなりました。
圭太:コース的に今回の方が走りやすかったとは思うのですが、最後の脚が良い馬なので、交わすのかなと思いましたけどね。マドラスチェックもしぶとかったですね。アンデスクイーンも若干気難しいところがあるので、最後の着差は精神面も出たのかもしれませんね。また、地方競馬は中央競馬とはダートの質も違いますし、今回の馬場状態は合いそうなイメージでしたけど。
-:大井の馬場もちょっと特殊ですし、2年前に勝たれた時も特殊でしたよね。愛知杯(G3)には割と馴染みのある馬が出ていた感じがしますが、いかがでしたか。
圭太:まず、「(柴田)善臣さん、おめでとうございます」という感じですね。素晴らしいですね。味のある競馬を見せていただいたと思います。
-:秋華賞でも乗られたパッシングスルー (7着)はどうでしょう。
圭太:馬場は渋り方にもよるのでしょうけど、福島の時は全然苦にはしていなかったですけどね。ランドネ (16着)は道悪が良くないでしょうけどね。
-:パッシングスルーといえば、先週、母マイティースルーの子(シェダル)で、良い勝ち方をした新馬がいました。マイティーゴールドにも乗られていましたし、比較的馴染みのある血統だと思います。中山のダート1800だったのですが、けっこう時計も良かったんですけどね。あの兄弟は似ているところがあったりするのですか。
圭太:ああ、あの馬は兄弟だったんですね。マイティースルーの仔の乗り味は良い感じですよね。パッシングスルーもダートで走りそうな感じはしますね。
-:他のレースでは、ジャニュアリーSを勝ったヨシオにも乗られていましたね。
圭太:距離短縮で、ああいう競馬も出来るんだなと勉強になりましたね。ああいう引き出しというか…、「短いところも良いよ」という進言も出来たら良いなと感じさせられましたね。僕も中山で乗せてもらったことはありますけど、当時はダート1800mですからね。佐賀では短い距離(ダ1400m)にも乗せてもらっていますし、もっと気付けることはできたなと。
-:割とどんな条件でも健闘している馬ですし、能力だけで言ったらやれても良いのかなという感じはしたのですが、また中山ダート1200mはテンがかなり速くなることもあるので、ちょっと驚きましたね。同じレースで逃げたレッドアネラは1番人気ながらも5着と案外な結果に。こちらはあのペースなら残って良い感じがしたのですが。
圭太:ずっと良い状態で走っていましたからね。今回の具合は分からないですけど、ああいう走りの時もありますよね。良い時だったら走れていい馬でしょうけど、僅かな差で…という感じじゃないですか。
-:しかし、毎週、毎週、この手の話題になりますけど、ケガという意味では、またケガをしたジョッキーも出てきたみたいですね。栗東では川又賢治騎手が調教中の怪我。南関でも金沢から期間限定で来ていた柴田勇真騎手が初日に落馬だそうです。
圭太:今までこんなことあります?何かおかしいね。ずっと続いているでしょ。南関も入れたらね。不吉な流れで気持ち悪いというか…。
-:そして、今のところ、どれくらいを目途に退院される予定は決まっていますか?
圭太:リハビリも兼ねて入院しているので、状況を見つつですが、入院と聞くと「大丈夫なのかな?」という感じじゃないですか。実はもう退院をしてもいい状態なので、日数というよりはタイミングですかね。
-:ちょっと重複しますが、今後のスケジュールとしてはどうなりそうでしょう。
圭太:今までは目途が立たなかったのですが、ようやく目途が立ってくるかと思っています。想像していただいたら分かると思いますが、3月の復帰はもう確実に無理ですけど、今後もうちょっとしたら、見えてくるのかなと。
-:ようやく初めて数字を口にされる時が。
圭太:そうですね。ただ、そこはリハビリの進み具合なので、体と相談しながら、というか。何度も言いますけど、ここまで来たら中途半端では乗りたくないので、最初からシッカリ乗っていきたいですね。
-:最初の入院も含め、病院食はいかがですか。
圭太:別に問題ないですね。前回の病院も今回の病院も普通に食べていますよ。病院食となると、必然的に質素になるイメージですが。
-:そこは栄養面を重視されるので致し方ないかなというところですね。
圭太:そうじゃないですかね。普段、グルテンフリーなりで制限している分、おいしくいただけている感じかな。
-:普段の生活も味の制限があるわけで。それを我慢できるというのはすごいですよね。
圭太:まあ、良いと思ってやっていますからね。
-:今の1日のスケジュールとしてはどんな感じなのですか。
圭太:入院しているから、スケジュールも何もないですね、ハハハ(笑)。リハビリを1時間くらいやって。逆に、これだけゆっくりできることもなかなかないので、本当にそれを楽しんでいるというか。普段だったら、逆に余裕があると、何かあれをやらなきゃ、これをやらなきゃといけないと思ったりもしたけど、今は本当に有意義というか。
-:でも、もうそういう時間は当分いらない感じになるべきですよね。
圭太:そうですね。ここ2~3日は外で散歩をして、周りを歩いていますよ。
-:タイプ的にはジッとしているのが嫌いな感じはしていますけどね。
圭太:でも、家にいる時とかは本当にずっといる感じですね。どっちかと言うとインドア派ですよ(笑)。中でも時間は過ごせる感じですね。
-:そういう生活も残りもうちょっとでしょうから、逆に楽しんでいただければという感じですかね。今回も長々とありがとうございました。
圭太:ありがとうございました。
※次回は1月31日(金)か2月1日(土)に更新予定です!
休養期間中でも『週刊!戸崎圭太』をチェックしていただいてくれている皆さまへ引き続き戸崎圭太騎手への応援メッセージを募集します!メールをいただいた方の中から、今回は抽選で1名様に、昨年の1000勝達成記念パーティーで使用したウェルカムボードをプレゼント。なお、メッセージも沢山いただいた場合は、ご本人へお渡しします。この機会をお見逃しなく!
すべてのご応募はメールにて受け付けております。メールの件名に「週刊!戸崎圭太」、本文にお名前(ペンネーム)・応援メッセージまたは競馬ラボへのご意見ご感想を記載の上、以下のアドレスまで。応募者多数の場合は抽選になります。当選者の発表は当選者の方へのメールでご連絡させていただきます。
keita_tosaki@keibalab.jp
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。