'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
11月18日時点1558勝
先週4勝の勢いで 久々騎乗の新潟2歳Sなど復帰後最多15鞍に騎乗!
2020/8/28(金)
先週は6戦連続馬券圏内など4勝を挙げた戸崎騎手だが、今週は怪我からの復帰後、最多となる15鞍に騎乗する。新潟開催も残すところあと2週。夏競馬のフィナーレへ向けて、加速を続けるのか。6年ぶりの騎乗となる新潟2歳Sを含め、今週も期待が高まるところだ。
新潟2歳Sはショックアクションとの初コンビ
——まず今週は船橋競馬のジョッキーがコロナウイルスに感染が判明し、今週水曜までの川崎競馬と次週木曜の船橋競馬が開催中止に。船橋の方々自体がほぼ乗っていなかった日で接点がなかったとはいえ、対岸の火事とは思えないもの。戸崎騎手も先週水曜の大井で騎乗されたことで無事に今週も騎乗ができるのか心配になりました。
正直、ヒヤッとしたのは事実です。JRAも今のところ大きなアクシデントがなく、無事に開催を行えていますが、今後も改めて気を引き締めて臨みたいものです。
——感染されたジョッキーの方々の無事を祈るばかりですが、先週は復帰後最多タイとなる土日で4勝。今週は復帰後、最多となる15鞍の騎乗になりますね。今週の騎乗馬から時系列順に伺えればなと思いますけど、土曜日3Rの(3歳未勝利の)キララはいかがでしょうか。
前走はスタートで躓いた形になって、自分の形に持ち込めなかったので、その辺に気を付けて、自分の形で走らせたいです。ここまでずっと(ハナに)行っている馬なので、前回は急に行かなくなったから、対応が難しかった感じですね。
——2歳新馬のウエスタンエポナ、レーヴドゥラプレリと追い切りに乗られましたね。
ウエスタンエポナは新馬の割には気持ちが入って、真面目なタイプです。追い切りは良い雰囲気でこなして水準以上の動きはしていると思います。レーヴドゥラプレリは良血馬ですし、楽しみにしていましたが、攻め馬ではとても素軽い動きで、良い感じで動いていましたね。テンションが上がりやすいタイプかもしれませんが、初戦から走れそうな良い動きはしていましたよ。
——7R(3歳未勝利)のチャオコーリーはいかがでしょうか。
前走はもう少し前に行けるかと思っていたのですけど、福島のような形にはなれなくて、内枠で揉まれるような形になって5着でした。でも、最後は伸びてはいてくれていたんですけどね。もうワンパンチというところを、どうにか工夫して乗りたい感じですね。
——稲妻Sのファイブフォースも追い切りに乗られたそうですね。
少し硬さがあるのかと思っていたんですけど、追い切りに乗ってしまえば、良い動きはしていて気になりませんでした。この条件も勝っているみたいなので、良い勝負が出来るんじゃないですかね。
——最終レースのオルトルートは前回に続いての騎乗ですね。
前走は内容的には良かったですね。馬場は良い方が良いみたいなので、条件が変わる点にも期待したいですね。
——朱鷺Sのアビームは久々ですね。それにしても以前から乗られていた馬ですが、オープンまで登り詰めましたね。
前走も良い勝ち方をしていますので、(オープンに)クラスが上がっても良い勝負が出来るんじゃないかと思っています。昔は1600mのイメージがあったんですけど、距離を縮めたことが良かったんですかね。
——新潟2歳S(G3)のショックアクションはいかがでしょうか。
乗ったことがないので、何とも言えないですけど、未勝利の形は強い勝ち方もしていましたので、条件も同じですし、良いイメージは持てています。
——ジョッキーにとって新潟2歳Sというのは久々ですね。2013~2014年には乗られているレースですが。
そうなんですよね。この週はいつも(札幌で)ワールドオールスタージョッキーズでしたからね。
先週は今年最多タイとなる土日4勝!
——先週の競馬を伺いたいのですが、(NST賞9着の)レッドアネラはいかがだったでしょうか。
イメージというか、作戦的には良い形で行けたんですけどね。昔からですが、直線で止めるというか、何か難しさが出るところが出ちゃった感じですかね。ハナに行かない競馬も出来たら良いなと思っていたんですけど、どうか、という感じでしたね。
——左回りという点では全然問題なかったですか。
う~ん……結果が残っていないので、何とも言えないですけどね。
——(阿賀野川特別1着の)トータルソッカーは久々の騎乗で勝利となりました。
以前にも乗せていただいていますけど、その時よりもベテラン化している感じは受けましたね。でも、良いところで良い感じで走れたので、最後まで頑張ってくれて、よく勝ち切ってくれましたね。
——基本的には一押し足りないというか、惜敗が多いイメージがありましたが、条件的にも、ここ最近のレースよりはこの馬にとっては良かったのかという感じはしました。
そうですね。あとはもともと伊藤正徳先生も管理されていて、伊藤先生には地方競馬時代にエアシェイディに乗せていただきましたね。他に沢山乗せていた訳ではないですけど、そういう意味では、恩返しになったのかなと思います。
——(閃光特別3着の)ハニーリンはいかがだったでしょうか。
良い形では行けたんですけど、落鉄をしていたということで、その影響がどこまであったのかという感じですけどね。
——(3歳以上1勝クラス1着の)カンバラはテン乗りでしたが、楽な形で逃げ切りでしたね。
カンバラはイメージ通りに行けました。それよりも上手く行き過ぎて、ペースもユッタリ行けましたので、最後もシッカリ伸びましたね。楽な勝ち方でした。メンバー的にも行く馬がいないというか、競ってくるような馬もいなかったので、そういうところも恵まれた感じはありますけどね。自分の形で行けたのが良かったですね。
——(2歳新馬2着の)バジオウは惜しい結果でした。
勝ちたかったですけどね。一瞬は並び掛けるところまでは行ったんですけど、向こう(ルドヴィクス)も楽をできていたんでしょうね。また伸びていましたから、最後また離されちゃったんですよね。でも、良くなる余地はあるので、今後走ってもらいたいなと思いますね。
——ラスト2ハロンくらいで、追い付く感じでサッと行ったので、これは差し切るかという感じだったんですけどね。時計もそんなに悪くなかった感じもしますけど、次戦に向けて、こうなって欲しいという所はありますか。
レース前も言いましたけど、まだまだたくさん良くなってもらいたいところがある馬なので、どう変わってくるかが楽しみですね。
——(2歳未勝利3着の)フーラリは多頭数の内枠で、スタートの位置が……という感じですかね。
スタートが全てになってしまったなという感じでしたね。内枠が嫌だなとは思っていたんですけど、上手くスタートが切れれば、立ち回りも楽にはなったと思うので、そこがポイントではありましたね。
——あのメンバーの中では外を回っての3着ですし、強い内容は見せてはいましたね。
能力はありますからね。
——しかし、マイナス20キロだったのですが、もともと使って良くなりそうなお話も、あれくらい絞れても良かった感じですか。
そんなに影響はなかったかという気はしますけどね。でも、正直なところ、いきなり20キロ減るというのはどうなのか、という感じはしますけどね。
——(瀬波温泉特別1着の)アスターマリンバは前回も強い内容でしたけど、それ以上の時計で走り切っての勝利でした。
良いイメージも持てていましたので、競馬も上手でしたし、スタートだけ決められればと思って、最後もフラつくようなところもありますけど、ちゃんと反応はしてくれていたので、強い内容だったかと思います。
——厩舎コメントとかを見ていると「テンションが上がってきたのがどうか」と書いてあったんですけど、そういったところはなかったですか。
問題なく、大丈夫でしたね。
——(2歳新馬1着の)ゴールドレガシーは驚きました。
馬は良い能力がありました。スタートした時はビックリしましたけど、ゲートも何の反応もないし、スタートしてからもあまり反応がなかったので、置かれてしまったんですけど、本当に能力だけで勝たせてもらったなという感じですね。
——新馬なのでまだまだどういった感じで見て良いのか、という感じもするんですけど、現時点での素質の程としてはどうですか。
良いモノを持っているんじゃないですか。あそこからなかなか勝ち切れないんじゃないですかね。
——観ていてビックリしましたけどね。次は東京とのことで、すぐに予定が出ていたので、楽しみにはなりますけど、馬格的にはダート馬としてはまだまだ成長の余地がありそうですね。
そんなに重ったるい走りをしている馬ではないイメージでした。まだ前が低い走りなので、そこが成長するのかという感じはしますけどね。
——ちなみに、先週の新潟の芝は向正面なんかを見ていると、けっこう黒ずんでいるというか、傷んでいるのかという感じがしましたが、いかがでしたか。
いや~特には。良い方だったかと思いますけどね。外を回らないといけないようなイメージではなかったですね。内が悪いのは悪いんですけど、外回りなら影響が出てくるかというレベルですかね。良いところにこだわるなら、外を通していった方が良いのかという感じはしますけどね。
——そこら辺は顕著に避けるべきではないレベルという感じですか。
そういう気はしますけどね。
——新潟も残り2週ということで、先ですけど、セントライト記念(G2)は久々にサトノフラッグに乗られるということですね。
はい、ニュースにもなっていましたね。
——秋に向けて、そういう話題もちょくちょく出てくるだろうなと思いますけど、来週の土曜日は札幌で、日曜日が新潟ということで、札幌2歳Sはユーバーレーベン、新潟記念ではアイスバブルに騎乗とのこと。また来週もよろしくお願いします。
お願いします。
——ありがとうございます。
※次回は9月4日(金)に更新予定です!
※当コーナーは新型コロナウイルス感染拡大防止の観点に基づき、電話で取材を行っております
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。