'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
10月28日時点1550勝
土日で18鞍 勝ち星を重ねたい新潟開催
2021/8/20(金)
先週は残念ながら未勝利に終わってしまったが、今週は新潟に腰を据えて、平地22競走中18鞍に挑む。重賞は行われないものの、期待の新馬や関西馬の騎乗依頼も多数。先週の分も取り返すほどの活躍を期待したいところだ。
日曜新馬ではサトノゼノビアと初陣へ
——今週は土日ともに新潟での騎乗。騎乗経験のない馬も多いところですが、計18鞍の乗り鞍について伺っていければと思います。土曜の3歳未勝利からフォクシーレディは以前に騎乗。土曜1勝クラスのイズンシーラブリーは追い切りに乗られたようですね。
フォクシーレディは終いが堅実な印象。今回は距離も延びるようですが、プラスになるのではないかと思います。イズンシーラブリーは成績からも感じられますが、十分にこのクラスでは通用するだけのものを感じましたね。
——日曜の3歳未勝利馬ではメラニーが東京でも騎乗しましたね。
少し気負う部分があったんですよね。リラックスして走れれば、前走より走れていいと思います。
——2歳新馬のサトノゼノビアは追い切りに乗られたようですね。
いいフットワークをしていました。ただ、気持ちがおっとりとしているところが実戦に行ってどう出るか。良くも悪くもスイッチが入りきっていない感じがあったのも事実です。ある意味、伸びしろがあるのかもしれませんが。
——騎乗数の多さの割に乗ったことのある馬はこれだけとなりますが、NST賞はオープン特別ということでノンライセンスは初コンビになります。
センスのいい立ち回りをする印象ですね。休み明けですが、このクラスで好走歴もありますし、楽しみです。
一発を狙った関屋記念 今年は展開に泣く
——先週の競馬の振り返りもお願いします。サトノアーサーと挑んだ関屋記念(G3)は前が残りやすいレース傾向としても、スローでしたね。
遅かったですね。先行馬は何頭かいるのはわかっていましたが、新潟はどうしても遅くなりますからね。直線も外を回せばもっといい着順だったかもしれませんが、馬群が開くことに懸けました。捌ければ良かったんですけど、もったいない競馬になりましたね。
——アセンダントは2着。先行決着ではありましたが、低評価を覆しました。
状態の良さを感じました。以前より体を使って走れていましたね。
——浦佐特別のラブリーエンジェルは強敵相手でしたが、3着争いからは離されてしまいましたね。
乗り易くてセンスの良い馬です。最後まで頑張ってくれましたね。馬場次第では内枠も良くないのかもしれませんが、今回の流れではこらえてくれました。
——混戦メンバーではあったとはいえ、ナーシサステソーロは3着。距離もメドを立てましたね。
課題としていた距離も我慢してくれましたし、競馬の巧さを発揮してくれたと思います。
——稲妻Sのグッドマックスはもう少し馬場が渋っていればチャンスがありましたか。
前半の追走に苦しんだ分からすると、もう少し時計が掛かった方が良さそうですね。競馬をわかっているのか、後半は自分からハミをとって頑張ってくれましたが、ちょっと忙しい印象はありました。内容自体は良かったですけどね。
——新発田城特別のサルビアは勝ち馬が強かったとはいえ、惜しい内容でしたね。
競馬自体は上手いタイプだと思います。ただ、スタートしてゴチャついてポジションを下げたのが痛かったです。もう一列、二列前で競馬をしたかったです。最後は伸びてくれているのですが。
——湯沢特別のセラフィナイトは前が捕まりそうで捕まらない。あと一歩でした。
渋った馬場が良くなくて、勝ち馬は良かったという内容でしたね。ただ、ここ最近、チグハグだったところから攻め馬の内容を変えたりしたことで馬は持ち直していたと思います。
——新馬のフィオリーカズマは追い切りの動きがもう一つに映りましたが、レースではどうでしたか。
全体的に子どもっぽさが残っているところが課題ですね。ゲートが悪かったり、道中で物見をしたり、飛んでいったりしていましたから。乗り味自体は良いので、精神面が成長すれば変わってきそうです。
——1番人気のシングマイハートはどうだったでしょうか。
上手く乗れてはいないことは事実ですが、懸念していた通り、前向きさに欠けたり、勝負所でも馬場のせいか、行きっぷりが良くなかったです。外を回る形にもなりましたし、いいところを出せなかったですね。状態そのものは悪く思わなかったのですが。
——小倉と比べれば大きな影響はなかったと思いますが、先週の新潟も雨でしたね。
どれだけ降るか、覚悟はしていました。土曜は思ったほどではなかったものの、苦にする馬はいたでしょうね。日曜は晴れたこともあり、後半の時間帯ではあまり影響がなかったと思います。
——芝の張替えをしたとはいえ、春開催の馬場が懐かしくなるほど、コンディションが違いますね。
本当にそうですね。この調子だと今週も良い状態なんじゃないかと思います。
——余談ですが、現2歳世代の新馬にも何頭か騎乗され始めています。前年度の新種牡馬はデビューから約一年が経ちました。印象もあれば教えてください。
数を乗ったことがある馬でいえば、マクフィはいいイメージですね。フットワークが良くて、短い距離や芝・ダートに関わらず、幅広く走ってきそうな印象があるんです。
一方、モーリスは馬によって一貫性を感じないかな…。ドゥラメンテは大物感がありそう。でも、その雰囲気ほど走れていないように感じますね。今後、どうなっていくのか楽しみです。
——次週の新潟2歳ステークス(G3)ではサイードに騎乗とのこと。また次週もよろしくお願いします。
よろしくお願いします。
※次回は8月27日(金)に更新予定です!当コーナーは電話で取材を行っております。
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。