'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
11月18日時点1558勝
連勝コンビで中京・中山と転戦!愛知杯&京成杯に騎乗
2023/1/13(金)
3日間開催は東西で騎乗したが、中4日で臨む週末も再び中京と中山で騎乗する。今後も西での騎乗は増えそうな春競馬ではあるが、まずは目前のレースで好騎乗を期待したいところだ。特に自らの鞍上で連勝してきたパートナーと挑む重賞は通用なるか注目だ。
ルージュエヴァイユはオープン返り咲きで重賞挑戦
——まずはこれから騎乗する馬について語っていただこうと思いますが、土曜の愛知杯(G3)ではルージュエヴァイユに騎乗しますね。
成長を感じますし、フットワークも良くなっていますね。ハンデも手頃なのかなと思いますからね。ここでもいい走りをしてほしいです。
——今年の愛知杯は重賞でも好走歴のある存在が多く感じますが、そのハンデは54キロです。
重賞を勝っていてオークスでも近い着順だったアートハウスが55キロ。これくらいのハンデ差なのかなと思いました。馬格がある方ではないものの、パワーも兼ね備えていますし、こなしてくれるんじゃないかと思います。
——1週前追い切りにも乗られたようですね。
繰り返しになる部分はありますが、いい動きをしていました。フットワークも以前と比べて良くなっていると思います。前走の走りには成長を感じましたし、コースもこなしてくれそうです。
——日曜の京成杯(G3)ではシャンパンカラーに騎乗されます。
木曜の追い切りに乗せていただいたところ、幅が出たように感じます。頼りない面が多少しっかりしてきましたし、こちらも順調に成長してきていると思います。
——条件は変わります。
そこは課題になりますね。距離もコーナーの多さも違いますから。精神的には我の強いところはあるものの、これくらいの距離は対応してくれそうです。全く適性外とも思いませんし、想像を上回る走りをしてほしいです。
——土曜の中京は乗り鞍の多さに少々驚きました。デルマグレムリンやレーヴリアンといったあたりは騎乗された経験がありますね。
デルマグレムリンは勝たせていただいた時がいい内容だったので、その後の成績は意外に感じるところです。ただ、不器用そうな面もあってダートになったのかなと思います。レーヴリアンは1200mだと忙しさもありましたね。ひと押しに欠けるものの、競馬は上手ですよ。
——日曜のモカフラワーは前回が惜しい内容でした。
勝ち切れないタイプという懸念はありますが、センスは良くてどんな競馬でもできるイメージです。
——サンライズSのゼログラヴィティは前走時の追い切りと比較すると、タイム的にはソフトな調整ですね。
しかし、段々と引っ掛かり癖が出てきたように感じます。モマれ弱いようにも見えるかもしれませんが、リズム良く走れないと走り切れないのかもしれません。追い切りも時計以上に制御が難しかったです。
メイクアスナッチは前走と気配が変わり好走
——先週のレースではフェアリーS(G3)のメイクアスナッチは2着でした。
返し馬から前走の雰囲気とは全く違いましたね。非常に落ち着きがあって、どんなレースになるかなと思いました。落ち着きがあった分、距離も保ってくれて、坂もこなせたように思います。
——スタートは決して速くなかったと思いますが、ペースは速かったですね。
あそこまでペースが速くなるとは思わなかったですね。ただ、若手がペースを作った分もあるかもしれません。馬自体は落ち着きがあったことであれくらいのスタートになることは想定していました。走り方からも今でもマイルはギリギリかなと思いますが、噛み合ってくれましたね。
——グランオフィシエはもともと安定していたタイプではありましたが、今回の走り、伸びには驚かされました。
迎春Sを勝ったグランオフィシエ(奥、桃帽)
僕も驚きましたね。返し馬よりスタートをしてからの雰囲気が良かったです。左回りに良績が集中していますが、今回の気配であれば、どこで走っても勝っていたんじゃないかと思わされる走りでした。
——ジャスパーグレイトは過去に強い勝ち方をした一方でモロさもあった馬でした。
トビの大きな馬で不器用かもしれませんね。前半の展開は厳しかったですが、リズムを取り戻してくい下がってくれました。
——アウトパフォームはどうだったでしょうか。
走っていないですね。手応えもなくて進みも悪く気難しさを出してしまいました。
——ルリアンは勝ったかなと思いました。
イメージ通りにいけました。非常にリズムも良かったと思うのですが、直線では反応がなかったですね。
——ダルダヌスは地方競馬からの出戻りでしたが、再転入で勝つのはこの時季ならでは、と言いますか勝ち切りました。
北海道では先行できていたようですが、なかなかそれが叶わなかったですね。ただ、番手からでも競馬ができましたし、手応えもありました。
——新馬のラスブリサスは見ての通り、真っすぐ走れていなかったですね。
1コーナーから外に張り出して、3コーナー以降は修正するだけで終わった感じです。調教ではそんなことがなかったそうですし、あそこまで行くと気性なのかなと思います。
——ドライスタウトは惜しくも2着でした。
正直、返し馬では重たさを感じましたね。レースとしてはこういう形も意識はしていましたし、こんな競馬もしてみたかったところです。ただ、勝ち馬とは2キロ差ありましたし、頑張ってくれてはいると思います。まだ良くなる余地もあります。
——先の話題でいえば、チューリップ賞(G2)はドゥーラに騎乗予定とのことですね。ミッキーカプチーノも弥生賞(G2)と発表されました。楽しみな春競馬になりそう。次週もよろしくお願いします。
よろしくお願いいたします!
※次回は1月20日(金)に更新予定です!当コーナーは電話で取材を行っております。
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。