'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
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11月18日時点1558勝
今週は大阪杯のラーグルフ&ダービー卿CTのインダストリアに騎乗!
2023/3/31(金)
先週からG1シリーズがスタート。今週は大阪杯に中山金杯を共に制したラーグルフで挑むことになる。G1では3着が最高着順、実績的にいえば、見劣りすることは事実だ。ただ、活躍目立つ4歳世代において、成長著しいのは明らか。ここでもさらにパフォーマンスを上げるか、期待の一戦になる。
コンビを組んでから初のG1挑戦になるラーグルフ
——2場開催となる今週ですが、中山と阪神での騎乗。まずは土曜の話題から伺っていきたいと思います。土曜のセイウンミライズやグランドカリナンはどうでしょうか。
前走は序盤に色々とあってリズムを欠いていましたからね。改めて実績のある舞台で期待したいです。グランドカリナンは追い切りの動きは良かったです。気性的に前向きさに欠ける面があるようなので、実戦に行ってどう出るか、です。比較がありませんが、ブリンカーの効果にも期待します。
——千葉日報杯のサクセスエースやサクラファシナンテも騎乗されたことのある馬です。
サクセスエースは前走も走れていますからね。噛み合えば通用していい馬だと思います。サクラファシナンテも詰めが甘いところはありますが、前走は上手な競馬をみせてくれましたからね。条件やペースが噛み合って欲しいです。
——ダービー卿チャレンジトロフィー(G3)にはインダストリアで挑まれます。
3勝クラス、ジュニアCとこのコースで強い勝ち方をしてくれましたからね。コース替わりに期待したいところです。前走も気性やコースが噛み合わなかった印象がありました。
——日曜の心斎橋Sにワンスカイ、陽春Sのサンキューユウガも騎乗経験があります。
ワンスカイはこのクラスに入ると、もうワンパンチといったところですが、頑張ってほしいですね。サンキューユウガの前走はだいぶ緩さを感じました。ダートでもそれなりに走れていましたし、使った上積みに期待です。
——大阪杯(G1)はラーグルフに騎乗されますね。
着実に力をつけていますし、競馬の形にも幅があるタイプです。馬場状態や傾向がどうなるかはわかりませんし、おそらく先週の雨でダメージはあるでしょうけど、内目の枠からある程度の位置を獲る形ができればと現時点ではイメージしています。中山金杯の時は正直、デキも今ひとつの中で勝ち切ってくれましたし、そこから上積みや成長があることを期待したいですね。
先週は雨の中京で2勝!
——先週の競馬では、高松宮記念(G1)のピクシーナイトは長期休養明けのレースでした。
馬の雰囲気は落ち着いていてドッシリしていましたし、精神面は良かったと思います。直線の手応えからすると、本調子にはまだまだで、これから変わってくる余地がありそうです。あの馬場でもそれなりに走れていましたけどね。
——落馬事故の精神的な影響も大丈夫でしたか?
3コーナーで一瞬、雰囲気がおかしくなりましたが、我慢してくれましたね。あれだけの馬場ではありながら、やっぱりポテンシャルの高さは感じました。これから順調に復調してほしいですね。
——コンクエストは馬場が堪えたようにも感じました。
レース自体は人気馬を意識しつついい形だったと思います。それで弾けないあたり、やっぱり馬場なのかもしれませんね。
——ブロードリーチはどうでしたか。
以前、乗せてもらった馬でしたね。1200mだと忙しかったですし、1800mでもリズムを作るのは難しいところがありましたが、我慢が利きました。先週の馬場も合っていたように思います。
——同じく中京ではスカーズでも勝たれました。
前走でも好走していましたし、同じような形で順当勝ちといったところでしたね。
——日経賞(G2)のマカオンドールは休み明けでの一戦でした。
道悪がどうか、とは陣営から聞いていたのですが、返し馬では問題ないと感じました。気性的にクセがあって正攻法で外々の競馬をするよりは、包まれるくらいの方がいいタイプですね。最後までこの馬なりに頑張っています。
——追い切りでは行きっぷりの良さが目立ちました。休み明け、長丁場と考えればよく走ったなと思います。
気性的に計算しやすいタイプではないものの、掛かり気味ながらよく粘っていましたよ。
——カレンアルカンタラは3歳ダートのオープン特別に挑みました。
背中はいい雰囲気がありますね。まだ緩さがあって、先々よくなりそうですし、馬場も合わなかったですね。これからの馬だと思います。
——レーベンスティール、マルディランダ、ブライテストドーンと3戦連続での2着でした。
レーベンスティールは勝てたレースだったと思います。馬場は上手にこなしてくれましたが、しかし、相手にも上手く走られましたね……。マルディランダは乾いた馬場の方が合うタイプですね。ブライテストドーンはブリンカーが効き過ぎないか心配しましたが、大丈夫でしたね。ただ、不器用な面は相変わらずありますし、もう少し競馬にメリハリがつくといいですね。
——以前にも取り上げた話題でいえば、大井競馬時代の同僚であった真島大輔騎手は31日金曜が騎手として最後の騎乗になるようですね。戸崎騎手の騎乗予定でいえば、次週は土曜のニュージーランドT(G3)でダノンゴーイチ、桜花賞(G1)でドゥーラに騎乗されますね。ダノンゴーイチは故障明けではありますが、新馬の勝ち方から楽しみなところ。次週もよろしくお願いします。
よろしくお願いします!
※次回は4月7日(金)に更新予定です!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。