'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
11月18日時点1558勝
メイチの仕上げのライラックと有馬記念へ!
2023/12/22(金)
2023年の開催もあと3日間。そして、グランプリ有馬記念はライラックとのコンビで臨む。前走のエリザベス女王杯では掲示板には入るもより一層の相手関係になる今回、中間の調教過程でいえば、これまでと違った試みで臨むようだ。一矢報いたい。
ライラックは理想の偶数枠4枠8番からスタート!
——今週は有馬記念(G1)ということでライラックに継続して騎乗することになりました。枠順抽選会を終えたばかりですが、4枠8番と決定しましたね。
枠自体はいいところかと思います。偶数枠が欲しいとは思っていました。自分が乗せていただいている時は大きな出遅れこそないですが、大人しいところもありますからね。
——逃げまたは先行候補が内に入ってくれたことはどうでしょうか。
そこはあまり気にしていなかったです。ただ、前走のように後方にならなければいいですね。
——今回は継続騎乗ながら1週前追い切りに騎乗されていました。
状態はいいと思います。この秋は総じていいかと思いますが、何よりこの中間は今まで以上にしっかり攻めてきたようです。今週は他のジョッキーが乗っていましたが、厩舎も今回は攻めるということでやってきたようです。オルフェーヴル産駒ということで、気性面に影響しないか、など未知な面もありますが、それだけやれるのですから楽しみです。
——このコースは今までも走ったことがありますが、適性はいかがでしょうか。
距離などは幅広く対応してくれますからね。(2走前の)東京よりは中山の方が合うと思いますし、上を目指していきたいです!
——土曜の騎乗馬ではテイエムビッグサーやピックアチェリーはどうでしょうか。
テイエムビッグサーはもうワンパンチほしいところはありますね。ビックアチェリーは中山に替わりますが、レースぶりからは対応できるように感じます。テンションの心配はあるタイプですが、あとは当日の気配次第でしょうか。
——アイアムユウシュンは久しぶりに騎乗です。
新馬の内容からもいい走りをしていて、将来性には期待していました。追い切りもまとまりのある走りができるようになっていました。
——前走は砂を被る形になってしまいましたね。
ただ、本当にダメな馬もいますが、ダートではそこも慣れていかないといけないですからね。
——日曜の新馬のダイナミックスはどうでしょうか。
もう少し体を使えるようになって欲しいですね。ただ、追い切り自体は動けていましたよ。
——グッドラックハンデのキントリヒはどうでしょうか。
長丁場では安定しているタイプ。ハンデは上位ですが、ここも頑張ってほしいです。
——クリスマスCのサザンステート、フェアウェルSのウラカワノキセキとどうでしょうか。
サザンステートは休み明けの分で気負いが目立ちました。一度使ったことによるガス抜きを見込みたいです。ウラカワノキセキはちょっと掴みどころが難しい印象の馬ですが、現級でも好走歴があるので地力は上位ですよね。
馬場が堪えたウインピクシス
——先週の競馬でいえばターコイズS(G3)のウインピクシスは馬場の掘れた部分に脚をとられた、ということでしたね。
やっぱり荒れた馬場は合わないでしょうね。思っていたほど雨は降りませんでしたが、含水率も決して低くはなかったそうですし、ずいぶんと走りにくそうでした。状態は良かっただけに残念です。
——グランドラインは突出した存在の少ないメンツながら1番人気に支持されていました。
プラス10キロと体に余裕がありました。もう少し素軽さは欲しいですし、道中はハミにぶら下がるような走り。大型で大トビなので安定して走れる反面、勝ち切るには条件が狭いようにも感じましたね。
——フライライクバードは展開と枠を思えば、あとひと伸びだったところですが。
気難しさのあるタイプとは聞いていましたが、確かに最後は頑張り切れていなかったですね。同じような負け方になっていたのは気性によるものかと思います。同じような敗因だったのがレッドラパルマですね。突き抜けそうなところから遊んでしまっていました。
——アトリウムチャペルはどうだったでしょうか。
映像を見て楽しみに臨みました。ただ、現状は中山より東京の方が走り易そうです。それにもう少し柔らかみがほしいですね。若干、硬さも感じました。
——コブラで勝利されました。
枠も内を引けてペースも向きましたね。それが勝因だと思います。
——前走は東京で走っていましたが、それ以前は中山で走っていた印象が強いです。コース適性はどう感じましたか。
正直なところ勝ち味に遅い面はありそうですね。強気で運ぶよりはロスなくなる方がいいタイプだと感じました。
——ブラックバラードはテン乗りでした。
返し馬でトモの甘さやハミ受けの課題を感じましたが、レース自体は乗り易いのですが、まだ浮いて走っているようなところがありますね。
——日曜の競馬を終えれば中3日で開催を控えています。年明けはシンザン記念にショーマンフリートと挑まれるそうですが、また次回もよろしくお願いします!
よろしくお願いします。
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。