'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
12月16日時点1567勝
エプソムCはヴェルトライゼンデと再コンビ!
2024/6/7(金)
先週をもって6週連続のG1がひと区切り。新馬戦のスタート、北海道シリーズの開催など新たなフェーズに差し掛かる競馬界ではあるが、戸崎騎手にとっては節目の勝利も目前に迫っている。今週はエプソムCではヴェルトライゼンデ、他にも連勝中のウェイワードアクトなどに騎乗する。JRA通算1000勝は夏の福島での達成、今度は東京開催中の到達となるのか、注目だ。
ヴェルトライゼンデは東京コースでの騎乗に期待
——宝塚記念までは東京開催での騎乗が続きますね。今週も土曜の話題から伺っていきたいと思います。土曜はアドマイヤマツリやアンリトゥンルールといった未勝利馬は再び騎乗されます。
アドマイヤマツリは東京でもいい走りをしてくれていますし、追い切りでも動けていました。未勝利も早く卒業できればと意識しています。アンリトゥンルールは前走でもう少し上積みがあれば、という内容でした。今度はダートになるので変わり身があれば良いのですが。
——アトリウムチャペルは古馬との対戦になりますね。
客観的に見る分には、新馬戦の内容が良かっただけにあの走りができれば通用していいとは思うのですが、もう少しストライドが大きく走れると理想ですね。
——ダノンロッキーは追い切りに乗られたようですね。
以前より良くなっている感覚を受けたので、良化した分がレースにも反映してくれるといいのですが。基本的にはゆったり、まったりとした馬なのでその面がレースに行ってどう出るか、というところでしょうね。
——ルージュスタニングは芝の際に乗られましたね。
当時からダートっぽい雰囲気は感じました。実際、ダートでもメドは立てていますよね。東京コースも合うのではないでしょうか。
——ウェイワードアクトは楽しみな存在です。
そうですね。期待しています。昇級の相手関係や走破時計の差などはありますが、通過点にして欲しいレベルの素質かと思います。
——ヴァルドルチャは自己条件になりますね。
どちらかと言えば中山の方がいい走りができると思います。以前に乗せてもらった時より成長してくれていたら何よりです。
——エプソムカップ(G3)にはヴェルトライゼンデで挑まれます。
長期休養明けという点は気になりますが、休み明けでも走っていた実績もありますからね。自分が以前に乗せていただいた際は左右の回りよりも中山との相性はもう一つと感じました。東京で決め手を求められるような展開になっても対応できそうな感覚はありますし、いい状態で挑めれば楽しみです。
前走より上向いていたダノンスコーピオン
——先週の安田記念(G1)はダノンスコーピオンに騎乗して11番人気15着でした。
本当に状態は前走より上がっていたように感じました。その分、進みも良くなっていました。それだけにもっとうまくアプローチしたかったですね。状態が良かった分、外に張るような面もありましたし、理想を言えば、もっと内目の枠の方が良かったです。
——意外にも、もう次走の予定が報じられていましたね。イエヴァンポルッカはいかがでしたか。
時計も速かったと思いますが、今回は精神的にも前走のような状態で走れなかったですね。
——バロネッサは2着でした。
イメージとしては不器用に感じました。1歩目が遅れて、そこから出して行ったところ、力むまでにはいかないまでも、ハミの取り方の収まらなかったですね。ワンペースな面もあったと感じました。
——ウェットシーズンは昇級初戦。前回が好タイムで勝っていただけに期待していましたが、内枠がマイナスでしたか?
もう一列前で運べればと感じました。ただ、内枠は苦手じゃないかと感じました。このクラスは勝てる能力を持っていますし、距離も1600mはあって良さそうですね。
——同じくジーゲルも昇級初戦でした。
今回は気持ちが盛り上がってしまっていましたね。外に張ったり、うるさいところが出ていました。
——未勝利戦のイージーブリージーで勝利されました。
馬は良くなっていました。体の前後の繋がりができていて、上手く連動できるようになっていましたよ。ゆったりながらも成長していくのかなと感じました。
——水曜の東京ダービー(Jpn1)は大井競馬さんのYouTubeにも出演されて、PR活動に参加されていました。レース自体はどう感じられましたか。
今年の3歳ダートはレベルの高い馬もいますし、勝ち馬は強い内容だったと感じました。ただ、大井にいたことのある立場からすると、勝つことのハードルが高くなってしまうことは気になりましたね。以前にも言ったことではありますが、地元の関係者のモチベーションなどを考えるとどうかなと。中央、地方が共に底上げできるような制度になると理想ですが。
——次週の関東オークス(Jpn2)にはイゾラフェリーチェで挑まれます。
ダートでも走っていますし、先行力もありますからね。コーナーの多いコースもこなしてくれそうなイメージです。行きっぷりはよく映るでしょうが、掛かるというよりは走ることに真面目な印象です。現時点で相手関係は把握していないですが、まとめてくれそうですね。
——ここ最近は伺っていませんでしたが、新たに取り組まれているトレーニングなどはありますか。
特に真新しいことはないですね。トレーナーが提示してくれたものを色々とこなしてはいますが。
——以前も伺ったことはありますが、ここから夏場の食生活などで気にする面はありますか。
いや、特にはないですかね。いつも通りですよ。
——以前はサプリなどをかなり飲まれていた記憶があります。今でも摂られていますか。
そこも変わらず、ですね。これもトレーナーが薦めてくれたものですが、随分前から変わっていないです。でも、他のジョッキーも摂っているんじゃないかな。
——減量がある職業だから必要な栄養素を補うため、とかですか?
僕の場合は関係ないです。あくまで普通に食生活をしている上での足りない栄養を摂るように、という教えがあってのことですね。
——開催中の水分補給は以前、だいぶ変わった色の液体を飲んでいた記憶があります。
あれはリンゴ酢とオリゴ糖が入ったものだったと思います。基本的に摂るものは天然由来は意識しています。これもトレーナーが薦めてくれたものですね。全部が全部、薦められた通りにやっているわけではないですが、自分に合っていると感じたものを選んでいって定まっていったようなものです。さすがに自分ではそこまで知識がないですからね。昔、飲んでいた甘酒は今では飲んでいないですよ。
——甘酒でテレビでも取り上げられていましたね。それにしても、それらにプラスして、日頃はグルテンフリーですから、けっこうな徹底ぶりですよね。次週は本来であればユニコーンSのあった週ですが、東京では重賞が行われません。1500勝の大台も目前ですね。今週もありがとうございました!
ありがとうございました!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。