'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
12月16日時点1567勝
七夕賞はレッドラディエンスに引き続き騎乗!
2024/7/5(金)
福島開幕週は3勝のスタート。2週目は例年通りに七夕賞を控えるが、今年は東京でもコンビを組んでいたレッドラディエンスに騎乗することになった。波乱傾向の強い一戦を8戦連続連対中の安定感で克服できるだろうか。その他、特に日曜は乗り鞍が多数。勝ち星加算にも期待したい。
ベスト条件ではないが健闘なるか
——今週もよろしくお願いします!まずは今週末の話題から伺っていきたいですが、サンダーロードは新馬で乗られましたね。
少し怖がりな面があったので、気にせず走れるようになっていると良いのですが、芝になること自体に悪い印象はないですよ。
——リチャは昇級して2戦目です。
前走も3着と頑張っていましたよね。レースが上手な馬でここでも頑張ってほしいです。
——日曜のタッカーバレットは2走前が惜しい結果でした。
力は持っていますからね。モタれる面があるので、そのあたりが良化してくれれば勝ち切っても、とは思います。
——ショウナンバシリスは最終追い切りに騎乗されましたね。
1200mが向きそうなタイプです。若干口の強さはありますが、そういう点からも距離は向きそうですね。
——ジョージテソーロは前回で3着でした。
気性的に勝ち切れないタイプかもしれませんが、福島に替わって1150mか1700mという選択肢の中で「1150mで急がせるのもどうか」と考えて、こちらの距離を進言させていただきました。いいスピードはありますし、リズムを崩さず運べばここでも、とは思いますよ。
——七夕賞(G3)はレッドラディエンスに騎乗されます。
ずっと安定している馬ですし、ここ最近も乗せていただいて充実ぶりを感じました。今の調子を維持して、カバーできればいいですね。
——やっぱりコース的には広いコースの方が向きますか?
走りもゆったりしていますからね。それにどちらかと言えば器用ではなく、パワーが優っていて長く脚を使う印象です。かと言って、道悪になると厳しそうだったり、切れ味を抜群に持っているわけではないので、真の意味での適条件は限られそうです。それでもこれだけ安定しているのは持ち味ですね。
——気の早い話ですが、サマーシリーズで挙げるとどちらかと言えば、新潟記念の方が向きそうですね。
しかし、先行力もあって乗りやすいです。おそらく今回はペースも速くなりそうですが、早くなった場合にわざわざついて行く必要はないながらも、重賞でのこの条件の流れにも対応できそうな感覚はありますね。
流れによっては長くいい脚を使えるような乗り方もできそうですし、大崩れはしないのかと思います。今の時点でこの枠が良いとか、希望はありませんが、条件や流れに対応できるように努めたいです。
川崎では盟友との初コンビ!
——先週のレース回顧ではラジオNIKKEI賞(G3)のセットアップは12着でした。
思っていたよりもペースは速くなり、その分、ハミの感触は良かったんです。ただ、3コーナーあたりから手応えも怪しくなりましたね。走る気持ちも少し足りていなかった印象ですね。
——スピリットガイドは2番人気ながら5着。意外な結果でしたね。
期待はしていたのですが、追い切りの動きももう一つだったようです。その分、最後の反応もひと息でした。
——アパイシュナールはいかがでしたか。
映像を見た印象では前向きさも足りておらず、ましてや福島に替わってどうなるのかな、と思っていたのが、追い切りでも時計が出るようになっているようでデキも上がっていたようです。手応えもよく運べました。
——グランアトミカは速い時計の決着で2着でしたね。
返し馬でワンペースなところはあるかと感じていました。レースでもイメージ通り。流れも相当速かったのですが、勝ち馬はついて行って、こちらは控えた面もあったので、結果的には行けば良かったと感じました。
エネルゲイアはすごく乗りやすかったのですが、1200mということを考えると、もう少し気持ちがほしいですね。今のところは上(ブーケファロス)と違った印象でした。ニヴルヘイムは実戦に行った方がいい印象でしたよ。内容も良かったと思います。
——プロスペリダードのレースは相当なハイペースでしたね。
返し馬ではかなり気性が難しいと感じましたし、ハナに行った方が力は出しやすいのだろうと思っていました。しかし、行けずにあの位置から。他馬も気にしながらでしたし、だらだらと脚を使ってしまった印象です。
——エバーシャドネーはテン乗りでの勝利でした。
小倉を前々のレースで勝った時をイメージして乗りました。しっかり対応してくれましたね。
——サトノルチルは案外な結果だったのではないでしょうか。
手応えが怪しかったですね……。気性なのか何なのか。わかりかねる面がありました。
——ヴァリアントマーチは新馬勝ちです。
こちらも芝に行っての走りが良かったです。1200mが向くタイプですね。
——今週の水曜はスパーキングレディーカップでドライゼに騎乗されました。
体重は増えていたものの、気になる感触ではなかったですよ。移籍初戦ということでもあり、繊細でテンションの高い面もありましたね。1600mも忙しい感覚はありました。
——今回は仲のいい真島大輔調教師(元騎手)とのコンビでしたね。
まあ、依頼があったので乗りました(笑)。
——今回はその他の交流競走で乗っていたから実現したのですね。存じていなかったので、日曜に枠順が確定した際は驚きました。
そうです。あくまでこちらがエキストラ騎乗で。
——真島さんからはいつか依頼するような話はあったんですか?
いや~特には(笑)。仲が良いからわざわざそんな話はしていなかったですけどね。いつか一緒に機会があればいいな、程度でしたね。もちろんまたそういう機会があると良いですが。
——調教師になった真島さんはいかがでしたか?
スタッフとのやり取りや競馬場でのスーツ姿は新鮮でした。こんな風にやってるんだ、なんて感じましたよ。
——繫田さんであったり、長らく騎手仲間としてやってきた面々が調教師になる姿はどうですか?
いや~、自分も一時期は考えましたけどね。今はそんな気はないですけど。
——あれ、そうですか?意外な発言です。
いや、けっこう言ってるはずですよ。やっぱり怪我をして前の感覚通りに乗れない時期もありましたからね。
——そういうことですね。さて、先日募った読者からの質問をいってみたいと思います。さゆさんより「新たな趣味として美容をあげられていました、オススメの美容法を教えてください」という質問です。
趣味というか、美容というかですが……最近になってちょっと意識し始めたくらいですかね。なので、おすすめ等はありませんけど(笑)、日焼け止めは塗るようにしています。
——そうですか(笑)。はるさんより「僭越ながらトレセン宛にプレゼントをお送りできればと考えているのですが、何かもらってうれしいもの(もしくは控えてほしいもの)などあれば教えていただきたいです…!」という質問です。
さすがにねえ……自分からはこれです!とは言い辛いですね(笑)。頂いたものはありがたく頂戴しております。
——続いてインスルイスさんより「レースの日は馬への騎乗から降りるまでまで気を緩めることはないと思いますが、見ている側としてはそれを繰り返すのはとても大変な仕事に感じます。集中方や緊張の中で結果を出すにあたって、他の仕事をしている私たちにもおすすめできる意識の持ち方や方法はありますでしょうか」という内容です。
難しいですね。やっぱり自分も以前に比べて相当疲れることも出てきましたね。それは肉体疲労ではなく、精神的なことですね。以前も言ったかと思いますが、それは昔に比べたら一頭一頭の馬の特徴を感じ取ることを意識したり、シュミレーションしたり、返し馬などの意識も変わったからかと思います。
——常日頃、一頭ずつ丁寧にということをおっしゃられていますが、逆に言えば普遍的な面もあり、具体性とは反する面のある目標にも感じる時はありますね。もちろん悪い意味ではないですが。
確かにそうはとれますよね。でも、普段の仕事などから常々、高い意識を持つことで積み重ねとして成果が大きくなっていって、緊迫した場面での向き合い方も変わるのかと思います。
自分も昔から一頭ずつしっかり取り組もうとは思っていましたが、今とは感覚のレベルが上げられてきているのかなと感じます。アプローチのやり方なんかもね。
——最近の中で、集中度が高まったことに対して精神的な疲れがあった時はありましたか。
ダービーですかね。
——大きな挑戦でしたね。ダービーに関しては、あの後、レースを見直すことはできましたか。
できましたね。
——ということで、引き続き質問は受け付けております。ファン歴1年の方もいらっしゃりましたが、全く問題はございません。次週も福島での騎乗ですね。引き続きよろしくお願いいたします。
よろしくお願いいたします!
ここで競馬ラボからのお知らせです。久しぶりに読者の方々から戸崎圭太騎手への質問を募集いたします。質問の内容は自由、質問の数に制限はありません。ご応募はメールで
keita_tosaki@keibalab.jp
までお送りください。ご応募の際は「お名前(ペンネーム)・競馬ラボにご登録のID(メールアドレス)・戸崎騎手ファン歴・競馬ラボへのご意見、ご感想(あれば)」をお書き添えの上、ご応募ください!今回の締め切りは7月7日(日)までとさせていただきます。
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。