'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
12月2日時点1563勝
ダノンスコーピオンとコンビ継続でスプリンターズSへ!
2024/9/27(金)
今週をもって中山開催も最終週。開催を締めくくるスプリンターズSにはダノンスコーピオンと挑むことに。前走は初の6F戦で大きな変わり身を見込むも、思ったほどの変化は見られなかったが、改めて変化があるだろうか。また、次週は開催替わり。交流重賞も控えており、より一層、重賞レースが増えてくる。大舞台での活躍にも期待したい。
2度目の起用で前走以上を見込む
——今週で中山開催がラスト。土曜の騎乗馬から伺っていきたいです。芙蓉Sのモルティフレーバーは新馬以来の騎乗。当時はかなり暑さが影響していた時期だったと感じます。
新馬は能力を感じましたが、残念ながら勝ち馬にはおよびませんでした。それでも次戦で勝ち上がってくれましたし、レースぶりも変わっていましたね。ああいう形が採れるならば、今の中山の芝になっても楽しみは大いにあると思います。
——ステイトダイアデムは継続して騎乗されます。
能力は感じましたね。大きな馬で不器用な面もあると思いますからね。スムーズに運べるかどうか、この条件がポイントでしょうか。
——土曜最終のアイアムユウシュンは秋初戦を迎えます。
1400mもやれるとは思っていましたが、現状は1200mで良さそうですね。能力は通用していい存在ですので、改めて期待したいです。
——日曜のパレスドフィーヌは相手も良かったとしても、前走でもやれる馬かと思っていただけに案外な結果でした。
現状は様々な課題がありますね。一番は精神面が問題だと思いますし、そのあたりが良くなってくるといいのですが。競馬を覚えていければ能力的には通用していいと思います。
——セナマリンの新馬戦は余裕のある勝ちっぷりでしたね。
新馬の勝ち方は非常に良かったですし、期待しています。条件も変わりますが、現時点でいえば対応してくれるように感じますよ。今週は雨が降りそうですが、これまでの芝のコンディションで言えば、相当降らない限りはそこまで影響もしないように感じるくらいですからね。
——ルーチェロッサはハンデ戦で53キロの条件で臨みます。
他馬よりは軽いハンデを活かしてほしいですね。競馬は上手でどんな展開にも対応してくれる印象があります。
——モナルヒは東京で勝たれましたね。
その後、昇級してはワンパンチ足りないようですが、勝った時はいい雰囲気でした。あのイメージでいければ太刀打ちできても、とは感じます。
——スプリンターズS(G1)はダノンスコーピオンに騎乗されます。
セントウルSは引き続き左回りで、1週前には雨の中で開催が行われたこともあって、馬場も荒れてくるであろうタイミング。1200mに挑むにはいい機会だと思っていました。ただ、休み明けといったコンディションが影響しましたね。
純然たるスプリンターかと言われればそうではないと感じますが、それでも現状は集中力の面から1200m、1400mの馬だと思いますし、一度使ったことでの上積みに期待したいです。安田記念の時も京王杯からの変わり身がかなりありましたからね。
どちらかと言えば時計が掛かった方が良いと思うので、この馬に関しては、雨の影響がありそうなのはいいのかなと思います。モタれ癖があったりと簡単な馬ではありませんが、右回りで乗ったことがないのでどう出るのかは未知数な面もあります。
上がり馬や海外馬、昨年の好走馬もいて立場としては人気を背負う状況ではないでしょうが、2度目の経験と慣れて前走よりパフォーマンスは上げてほしいです。
——先週の結果ではオールカマー(G2)のサリエラは枠と展開を思えば、残れるのかと感じましたが…。
馬場はご覧の通りいい状態。レースプラン、枠、展開、それぞれいい方に向いたと思います。それだけに結果は残念でしたね……。気性的な面も影響しているのかと感じます。
——ホウオウカブキはハンデも重いように感じましたが、4着でした。
敗れはしましたが、このクラスにもメドの立つ内容でしたね。このクラスは卒業できると感じました。
——ミラビリスマジックは2着でした。
折り合いが難しいと聞いていましたが、上手く走ってくれましたよ。前には残られましたが、この馬も頑張っています。
——縁のある血統だと思います。きょうだいとの比較はどうでしたか。
そうなんですよね。やっぱり牡馬と牝馬、どちらに出るかで性質も違うと思いますが、姉たちとは似ているかと思います。
——距離を懸念されていたジャグアールは9着でした。
道中はこの馬の形に徹して進めましたが、最後は伸びてきていますからね。このスタイルでやっていければ、チャンスはあるんじゃないでしょうか。ただ、やっぱり1200mの方が道中は気にせずに運べるんじゃないかとみています。
——コッレヴェッキオは3着でしたね。
正攻法の競馬もできると思いますが、組み立ては難しいところはありますね。能力は感じましたし、あとは展開や相手関係次第でしょうか。
——パウオレはブリンカーの効果に期待しましたが……。
残念ながら、あまり効果はなかったですね。モマれ弱さがあるだけに枠や展開は影響してしまいますね。
——アイザックバローズはどうでしたか。
勝負所でヤメてしまうところもあるようですが、今回はこの馬なりに走り切ってくれましたよ。
——ステークホルダーは出遅れた時はどうかと思いましたが、馬具の効果はありましたね。
強い内容でしたね。これは馬具の効果もあったでしょうし、この内容であれば今後も楽しみですね。
——それにしても、中山の芝は高速決着が多いですね。
芝のコンディションはかなり良いと思います。野芝だけの開催としても、馬場が硬いとかではなく、芝の状態そのものは凄くいいですからね。次週からは東京になりますが、同じように時計は速いんじゃないかと思います。
——大井では交流重賞ジャパンダートクラシック、東京盃に騎乗されます。
ミッキーファイトは順調に重賞を勝ってくれましたが、より一層強い相手になりますからね。今年は凄いメンバーが相手になりますが、制度が改革された初年度に乗れることを嬉しく思います。まだ成長の余地を残す中ですが、頑張ってほしいです。クロジシジョーは前走でも好走してくれましたし、以前には大井でも実績がありますからね。使った方が上向くタイプでもあるので引き続き好走してほしいです。
——いよいよ次週は東京開催!サウジアラビアRCにはマイネルチケット、毎日王冠にはローシャムパークに騎乗されますね。そして、戸崎さんの御好意でJRA通算1500勝達成記念のポロシャツもプレゼントをいただいております。今週もありがとうございました。
ありがとうございました!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。