函館戦も開幕!シルバーステート全弟ヘンリーバローズが入厩!
2017/6/11(日)
今週から函館が開幕するが、しばらくは短距離戦ばかり。函館にPOG関連馬が出るのはもう少し先かもしれない。ということで、今週も中央開催のレースから見ていく。
▲15年セレクトセールに上場されたムスコローソは東京芝1400mでデビュー予定
土曜日は東西ともにダート戦。東京ダート1400m戦は、初のダートいうこともあり出走予定馬が多いようだ。調教で好時計が出ているのはオグマンテ。1週前の坂路(以降も調教は主に1週前のもの)で53秒3-12秒7の時計を余裕をもってマークし、陣営も力が入っているようだ。母の弟にトウショウピスト(5勝)、祖母は重賞を5勝し桜花賞2着のシーイズトウショウと血統的にも短距離は合っている。
ウッドカービングは、美浦ウッドで5F67秒台、上がりが12秒台後半なら合格点。ミルFの馬なので、夏の2歳戦から走れる態勢にある。ダートの短距離が合っていそうなのがムルシェラゴ。母の兄にG1フェブラリーSを勝ったサクセスブロッケンがいる。調教はウッドで一杯に追われ69秒。もう少し時計を詰めたい。
ヴィグラスファイアは、近親にデビューから4連勝で阪神JFを勝ったピースオブワールドがおり、2歳戦から計算できる。オペラカイジンも母の兄にワイルドワンダー(ダート重賞を3勝)、オペラブラーボ(6勝)、母の弟にラストダンサー(6勝)と活躍馬が複数出ている。2頭ともに血統背景は悪くないが、調教はもう一つ上の段階に上げてほしい状況だ。
阪神はダート1200m戦。マッスルマサムネは、CWで同厩のミーティアトレイルと併せて5F67秒台半ば、終いは12秒前半で上がっている。初戦から好勝負を期待。
日曜日は阪神が芝の1600m戦。今挙げたマッスルマサムネと併せ馬を行ったミーティアトレイルが出走予定だ。「牧場先の進み具合、入厩からここまで比較的、順調に進めることができた。芝の実戦にいって良さそう」と池添学師。前評判もかなり高かったが、調教からは派手なイメージはなく、師のコメント通りレースへ行って変わり身を期待したい。
ビッグボスは、近親に600キロを超える巨漢で話題になり、JRAで6勝を挙げたクリーンがいる。上がりはかかったが坂路で52秒3が出ていれば悪くない。コスモインザハートは、セレクトセールで岡田繁幸氏のビッグレッドFが購入した馬。CWで上がり12秒を切っており、初戦から勝負の構えだ。
東京でも芝1600m戦。まずは兄に現5勝のオープン馬アルター、近親にも活躍馬が多数いるミュージアムヒル。「軽い走りで芝向きのフットワークをする。稽古の動きは良く、初戦から楽しみを持っている」と古賀慎師。鞍上は北村宏騎手。ウッドで67秒半ば、上がり12秒台を馬ナリで出しており、動きは上々。初戦から好勝負を期待できる。
迎え撃つはマイネル&コスモの岡田軍団。マイネルアーリーは内目を通ったこともあるが、ウッドで66秒台の好時計を馬ナリでマーク。母の妹にはGⅠ2勝のカレンチャンがおり、スピードに注目。コスモラフェットもウッドで67秒を楽にマーク。近親にはマイルCS2着のマイネルファルケがいる。
テンクウは、半兄がイブキ(新潟2歳S3着)。ウッド68秒後半の時計も馬ナリと、まだまだ時計は詰められる雰囲気だ。
東京の新馬はもう一つ、芝1400m戦。ムスコローソは、ダイナカール一族で近親にはドゥラメンテ、エアグルーヴ、ルーラーシップなどG1馬が多数いる良血一族。全体時計は遅いものの、ウッドで外目を回り12秒台で上がっていれば大丈夫だ。
最後に函館芝1200m戦。キングキングキングは近親にダイバーシティ、ブリガドーンがいる。「真面目な性格だし、母も短い距離で活躍。スピードを生かす条件が良さそう」と国枝師。鞍上は蛯名騎手を予定。
マリームーンは、半兄にハンソデバンド(共同通信杯)。時計は目立たないが、藤沢厩舎なので心配あるまい。ナンヨープランタンは函館のウッドで69秒台も、上がりは12秒半ばで締めている。こちらも勝負圏内に入ってきそうである。
▲シルバーステートの全弟ヘンリーバローズは角居厩舎に入厩
先週は新規入厩に注目馬が多数。特にヘンリーバローズは、先ごろ復活したシルバーステートの全弟で、牧場で評判の高かった一頭。ドラフトでも1位で重なったところが多かったようだ。この時期に入厩できたように調整も順調。デビューは秋になると思うが、楽しみにその時を待ちたい。
同じ角居厩舎のダブルフラットも入厩。セレクトセールで9288万円(税込)ついた高額馬。兄にはプロレタリアト、マイネルオフィールと活躍馬がいる。馬主が金子真人HDで期待は高まる。
今年は2歳馬の入厩が早い堀厩舎には、エストスペリオルが入って来た。半兄はブラヴィッシモだが、父がディープインパクトに変わり、クラシックも視野に入ってくる。キングカメハメハ産駒も複数入ってきており、コスミックフォースは、母が阪神JF3着のミクロコスモス。兄は来週のユニコーンSが楽しみなアンティノウスだ。
リバティハイツは、母が社台期待の繁殖牝馬。そろそろ当たりが出てもいい頃。再入厩になるのがローズベリル。中京デビューを予定している。オルフェーヴル産駒で評判の一頭ダノンフォワード、シャケトラの半妹サラーブ、天皇賞馬ヘヴンリーロマンスの仔で、上にアウォーディー、アムールブリエ、ラニきょうだいがいるイグレットも入ってきており、POG戦線は早くも忙しくなってきた。
プロフィール
山田 乗男 - Norio Yamada
厩舎育ちのPOG好きという変わり者。主なPOG実績として、過去にナリタブライアン、ビワハヤヒデ、ディープインパクト、オルフェーヴル、ブエナビスタ、ロジユニヴァース、ヴィクトワールピサ、アンライバルドら指名の実績を持つ。POG=超大物狙いということだが、その格高理論は仲間うちから一目を置かれている。有名競馬雑誌でPOGコーナーを担当中。