▲前評判の高いフラットレーは日曜札幌芝1800ｍでデビュー

今週は土日ともに話題のPOG人気馬が登場。楽しみな週末となりそうだ。

まずは土曜日から。新潟芝1800m戦で、タニノフランケル(牡2、栗東・角居厩舎)が待望のデビューを迎える。父は旋風を巻き起こしたフランケル、母はG1を7勝したウオッカという夢の配合だ。「兄姉の中では一番、母に似ている。ここまで順調に稽古のメニューを消化できているし、どんな走りを見せてくれるか」と前川助手。鞍上はM.デムーロ騎手。

1週前調教(以降も調教は主に1週前のもの)はCWで5F68秒台、終い1Fは軽く12秒を切り、動き、仕上がりともに上々のようだ。ここまでウオッカの仔からは大物が出ていないが、フランケルが父の今回は期待が大きく高まる。

タニノフランケルに注目は集中してしまうが、他も負けていられない。ヴォウジラール(牡2、美浦・尾関厩舎)は、母の姉が名牝シンコウラブリイ(マイルCS)、ハッピーパス(京都牝馬S)、いとこにコディーノ(重賞2勝)、チェッキーノ(フローラS)きょうだいがいるPOGお馴染みの牝系だ。「馬格もあって見栄えがするし、大きなフットワーク。血筋もしっかりしており、芝の長い条件で良さそう」と尾関師。鞍上は内田博騎手を予定。美浦ウッドで68秒台、上がり12秒台を馬ナリでマーク。余裕をもって水準の時計を出しており、仕上げは順調に進んでいる。

サクステッド(牡2、美浦・小西厩舎)は、母が3連勝したメガクライト。坂路53秒9－13秒2と目立たないが、動きは悪くないようだ。厩舎ゆかりの母で、期待は大きい。ミッキーパパイア(牝2、美浦・菊沢厩舎)はセレクトセールで5076万円(税込)。美浦ウッドを馬ナリで68秒台なら悪くあるまい。

札幌では牝馬限定の芝1500m戦。チェルヴァ(牝2、美浦・鹿戸雄厩舎)は、半姉に昨年のオークス3着のビッシュ。セレクトセールでは8208万円(税込)と、牝馬にしては結構な高値になった。調教時計が目立たないのは馬ナリのため。終いはしっかりした時計が出ており、初戦から好勝負となりそうだ。

日曜日は、注目馬が出る札幌芝1800m戦から。主役はフラットレー(牡2、美浦・藤沢和厩舎)だ。半姉のバウンスシャッセ(重賞3勝)をはじめ兄姉に複数の活躍馬がいるが、血統以上にPOG人気を集める要因となったのは、この馬の一口馬主の権利がノーザンホースパークマラソン大会の優勝者の賞品だったから。実はこの賞品になった馬は、ここ数年エピカリス、シンハライト、シャイニングレイ、ハープスター、ディアデラマドレと、後に活躍した馬ばかりなのである。フラットレーの場合、賞品となる前から評判も高かったので、私が参加した幾つかのPOGでは、全て上位で消えていた。

気になる近況だが、同厩で新馬を快勝したタワーオブロンドン、レイエンダと変わらぬ調教メニューをこなしており、不安な部分は感じられない。「バランスの取れたいい馬。牧場先から評価の高かった1頭で、いいフットワークで素質を感じる」と大江原助手。鞍上はC.ルメール騎手。先の同厩2頭の新馬が強かっただけに、こちらもただ勝つだけでなく、先が楽しみになる勝ち方を見せてもらいたい。

これに対抗するのはどの馬になるのか。マイスターシャーレ(牡2、栗東・松田国厩舎)は、母の兄にレッドスパーダ(重賞3勝)。栗東ではCWで上がり12秒をマークし、函館でもウッドで5F67秒台。上位争いに入ってきそうだ。 ラティーノヒート(牡2、栗東・宮本厩舎)は、近親にニンジャ(4勝)。札幌のダートで5F67秒台をマークし順調。レインボーナンバー(牡2、栗東・浅見厩舎)は、半兄にトパンガ(5勝)、姉の仔にダービー馬マカヒキがいる。2週前の札幌芝コースで5F63秒台が出ており、仕上がりは早い。

新潟へ移って、芝1600m戦。ブリスフルデイズ(牝2、栗東・吉田厩舎)は、半兄にダートで6連勝したウォータクティクス(アンタレスS)、5勝のキタサンアミーゴ、ハッピーモーメントがいる。坂路で53秒3－12秒2をマークし、初戦から勝負できる体勢だ。モンツァ(牡2、美浦・鹿戸雄厩舎)は、母が重賞2着が3度あるスピードリッパー。母の兄にポップロック(目黒記念2勝)がいる。調教メニューは軽めだが、7月末には4Fからウッド52秒台があり、脚力はありそうだ。

ダート1800m戦は、数少ないダートの新馬戦で除外馬が出る雰囲気。ビッグスモーキー(牡2、栗東・清水久厩舎)は、CWで6F82秒、上がりも12秒前半でまとめており、有力の一頭。半姉ワイルドフラッパー(交流重賞3勝)のように、ダートで上を目指す。ゴライアス(牡2、美浦・高木登厩舎)は、半姉が現3歳でフェアリーS、アネモネSと連勝したライジングリーズン。厩舎も「怖いのは除外」というくらいの期待で、初戦から楽しみ。ルヴァンスレーヴ(牡2、美浦・萩原厩舎)は、ウッド6F83秒で、既にデビューしているヴィグラスファイアに先着。鞍上はM.デムーロ騎手を予定している。レンジストライク(牡2、美浦・武井厩舎)は、母の姉がブライトサンディー(サファイアS)。ウッド71秒台と、もう少し時計を詰めたい。

新規入厩の目玉は、母がG1ウイナーのビリーヴ、半姉にフィドゥーシア(7勝)、半兄にファリダット(5勝)がいるジャンダルム(牡2、栗東・池江寿厩舎)。この母からの仔では初めての池江厩舎で、期待はますます上がる。トーセンアイトーンは、セレクトセールで8640万円(税込)。近親には、交流重賞で活躍しているトロワボヌールがいる。