札幌でサトノアレス半弟サトノテラス、新潟ではユキチャンの仔・白毛のハウナニが登場
2017/8/27(日)
ローカル開催も今週で終了。早速土曜日の新馬戦から見ていく。
札幌では芝1500m戦。注目を集めるのは、朝日杯勝ち馬サトノアレスの半弟になるサトノテラス(牡2、美浦・藤沢和厩舎)。例によって藤沢厩舎だから時計は目立たないが、1週前(以降も調教は主に1週前のもの)は芝コースで追われ、札幌2歳S有力馬ファストアプローチと併入。動きのほうは悪くないようだ。サトノアレスも札幌でデビューしたが2戦して2、2着。弟も焦らず、まずはレース内容を見てみたい。
同じ馬主のサトノガバナー(牡2、栗東・中竹厩舎)は、半兄にアーバンストリート(シルクロードS)がおり、セレクトセールで4860万円(税込)の値がついた。現状は目立っていないので、直前の調教はよくチェックしたい。
コスモダリア(牝2、美浦・二ノ宮厩舎)は、エリザベス女王杯勝ち馬レインボーダリアの初仔。こちらも調教はウッドで4Fから軽い内容が多く、直前にどこまでやってくるか。この内容によっては、デビューを延ばすこともあるかもしれない。
新潟では芝1400m戦。調教が目立っているのはダノンスマッシュ(牡2、栗東・安田隆厩舎)で、CW6F82秒、5F66秒台で、上がりも12秒を切っている。初戦から好勝負だ。セレブレイトダンス(牝2、美浦・竹内厩舎)は、近親にスタッドジェルラン、アルゴリズムとダートでの活躍馬が多く、この馬もいずれはダート戦へシフトするかもしれない。
ナイルデルタ(牡2、栗東・松下厩舎)は、近親にスリープレスナイト(スプリンターズS)。まだ良化途上の部分が多いという話だが、CWで5F68秒前半、上がり12秒半ばと水準の時計は出ている。プリズマティコ(牝2、栗東・清水久厩舎)は、母がアメリカのGⅠ勝ち馬。新馬戦好調の清水久厩舎だが、この馬は負荷の軽いポリトラックで調教が積まれているように、馬体の維持に苦労している模様。パドックで馬体はよく見ておきたい。
日曜日は新潟の芝1800m戦から。プロトスター(牡2、美浦・戸田厩舎)は、半姉がマルセリーナ(桜花賞)、半兄グランデッツァ(重賞3勝)で、POGではお馴染みの血統だ。体つきはまだ幼いが、乗り込みながら大分しっかりとしてきた。センスの良さを感じるし、血筋も一流で素質を秘めている」と戸田師。鞍上は岩田騎手。
もっと早いデビューが予定されていたが、軽い不安もあってデビューが少々伸びた。現在は順調に調整が進み、美浦ウッドで5F68秒台、上がり1F12秒台を余裕をもって出し、古馬500万の馬に先着と動きは上々だ。
ラヴィーズロマーン(牡2、美浦・手塚厩舎)は、近親にメテオロロジスト(交流・佐賀記念)。ウッド69秒台も、上がりが12秒台なら悪くない。ナラトゥリス(牝2、美浦・加藤征厩舎)は、ウッドで68秒台。近親にアルーリングアクト、アルーリングボイスと小倉2歳S勝ち馬がおり、2歳戦向きの一族だ。
新潟ではダート1200m戦も。ハウナニ(牝2、美浦・手塚厩舎)は、母が白毛のユキチャン(交流重賞3勝)で、話題性の高い一頭だ。「ここまで順調で、稽古は格上馬と併せてもヒケをとらないし、やれば時計も出る。いいモノがありそう」と手塚師。鞍上は内田博騎手。馬ナリでウッド68秒、上がりも12秒半ばでまとめて、3歳のオープン馬マイネルスフェーンと併入。新馬勝ちも見えてきた。
ディライトプロミス(牝2、栗東・池添学厩舎)は外国産馬。CWで70秒も、上がりは12秒台。鞍上はデムーロ騎手を予定している。
メイショウヒサカタ(牝2、栗東・浅見厩舎)は、浅見厩舎なので日曜日は本追い切り。8月20日には坂路で53秒5-12秒6を馬ナリでマークし、1週前の週中にはゲートから12秒2-11秒3-11秒5の時計を出しており、二の脚も速そうだ。
小倉では芝1800m戦。血統が目立つのは、姉にノーブルジュエリー(6勝)がいるノーブルスピリット(牡2、栗東・中内田厩舎)だ。「いいフットワークをしている。前向きさもコントロールの利く範囲内で、これなら距離も保ちそう 」と中内田師。鞍上は川田騎手。併せ馬では、さすがに古馬1600万のピンストライプに遅れたが、坂路54秒3-12秒4が出ていれば大丈夫。
ラストクルセイド(牡2、栗東・西浦厩舎)は先週デビュー予定も、更なる良化を求めて1週延ばした。CWで6F80秒台、上がりも12秒台で締め、伸ばした効果はあったようだ。レッドヴァール(牝2、栗東・松田国厩舎)は、近親にアルキメデス(朝日CC)。CWで5F70秒は遅いが、そのぶん上がりは11秒台でまとめ、元気なところを見せている。
ローズサクシード(牡2、栗東・吉村厩舎)は、半姉にローズバド(GⅠ2着3回)、半姉にローゼンクロイツ(重賞3勝)がおり、ひと昔前のPOGでは大人気だった血統。調教の動きは鈍いが、陣営は「実勢戦向きかも」と期待を寄せる。
秋競馬も間近になり、まだ入厩を済ませていないPOG馬は、少しでも早く入ってきてほしい時期。新規入厩で目が行くのはレッドベルローズ。ディープインパクト産駒の牝馬で、東京HRでも特に期待の高い馬。目標はオークスか。桜花賞馬アユサンの全妹マウレアも入ってきている。
再入厩の目玉はピボットポイント(牡2、栗東・友道厩舎)。半兄にワールドインパクト(青葉賞)がいる。順調に行けば、京都2週目あたりでデビューだ。牝馬にしてセレクトセールで2億円近い値がついたダノンチェリー(牝2、栗東・池江寿厩舎)も、デビューへ向け仕上げていく。
プロフィール
山田 乗男 - Norio Yamada
厩舎育ちのPOG好きという変わり者。主なPOG実績として、過去にナリタブライアン、ビワハヤヒデ、ディープインパクト、オルフェーヴル、ブエナビスタ、ロジユニヴァース、ヴィクトワールピサ、アンライバルドら指名の実績を持つ。POG=超大物狙いということだが、その格高理論は仲間うちから一目を置かれている。有名競馬雑誌でPOGコーナーを担当中。