POG注目馬アゼリの仔シルヴァンシャーなど良血馬が開幕週からズラリ!
2017/9/3(日)
秋競馬が開幕。POG人気馬も続々デビューすることになるが、関東の主力は東京開催から。しばらくは、阪神開催に期待馬を多くデビューさせる関西勢が中心となる。開幕週も阪神にはPOG人気馬の名前が複数見えている。
まずは土曜日。阪神芝1600m戦には、牝馬ではトップクラスのPOG人気馬スターリーステージ(牝2、栗東・音無厩舎)が出走。全兄がミッキーアイル(マイルCS、NHKマイルC)なら人気も当然だ。
「上に比べるとフットワークが大きく、この馬は距離も保ちそう。マイル以上でもいいかもしれない」と音無師。鞍上は福永騎手。
1週前調教(以降も調教は主に1週前のもの)は坂路52秒4-12秒7を余裕綽々にマーク。トレセンでの評判も良く、初戦から期待大だ。
ミッキーアイルは快速を武器にG1・2勝を挙げた
ただ相手は楽ではない。池江厩舎が送り込むのはジャンダルム(牡2、栗東・池江寿厩舎)。母がGⅠ2勝のビリーヴ、半兄にファリダット(5勝)、半姉にフィドゥーシア(7勝)がいる。
「段々とピリッとして稽古の気配が変わってきた。やれば動くし、加速する際の脚がいい」と池江師。鞍上は武豊騎手。CWで6F81秒台、終いは12秒で締め、3頭併せで再先着。こちらも初戦から上位争いは必至だ。
調教で負けていないのはロードラナキラ(牡2、栗東・高野厩舎)。CWで6F81秒台、5F65秒を馬ナリでマーク。母の兄にダノンバラード(AJCCなど重賞2勝)がいる。阪神マイルの新馬戦はハイレベルな戦いとなりそうだ。
中山芝2000m戦ではバレリオ(牡2、美浦・相沢厩舎)。全姉にアイスフォーリス(オークス3着)がいる。ウッドで5F67秒台と水準の時計は出ている。
マイネルファンロンは、近親にマイネルチャールズ(京成杯、弥生賞)、マイネヌーヴェル(フラワーC)などがいるマイネルの活躍血統。ウッドで5F67秒を楽にマークし、軽快な動きを見せている。
日曜日も阪神で楽しみな馬がデビュー。2000m戦は、多くのPOGで1位指名されたと思われるシルヴァンシャー(牡2、栗東・池江寿厩舎)が登場。
「血統は一流だし、攻め馬の動きは悪くない。これで体が増えて筋肉量が増えてくれば、更に良くなってきそう」と池江師。鞍上はMデムーロ騎手。
師の話にある「血統は一流」とは母アゼリのこと。アメリカで多くのGⅠを勝ち、殿堂入りした名牝だ。仔はロイカバード(4勝)が目立つ程度だが、今度のアゼリの仔はノーザンFで「今までで一番」の評価もあり、期待は高まる。
ロイカバードVSサトノダイヤモンドの新馬戦は5億円対決として話題を集めた
同じ池江厩舎のグアン(牝2、栗東・池江寿厩舎)も出走予定。半兄には、500万~1600万を3連勝したマルヴァーンヒルズがいる。CW5F67秒と時計は出ているが、併せ馬ではジャンダルムに遅れている。
阪神では、牝馬限定の1400m戦にも池江厩舎が参戦。デルニエオール(牝2、栗東・池江寿厩舎)は、全兄にGⅠ6勝オルフェーヴル、GⅠ3勝のドリームジャーニーがいる超良血馬だ。調教はCW6F83秒台、5F67秒後半、上がりは12秒前半と、この厩舎にしては普通レベル。鞍上はもちろん池添騎手。
オールマイハート(牝2、栗東・安田隆厩舎)は、母の兄にドバイワールドC2着のトランセンドがいる。CWでは上がり重点で11秒台の時計をマークし、脚力をアピールしている。
中山では芝1600m戦。レイナデルビエント(牝2、美浦・小笠厩舎)は、母の姉にアロマティコ(秋華賞、エリザベス女王杯ともに3着)。美浦ウッドで6F83秒台、5F68秒と全体時計は悪くないが、終い1Fは14秒近くかかってしまった。小柄な馬体を考慮しての調整なので、体質が強くなって更に攻めることができれば、調教時計もバランスがとれてくるだろう。
ショウナンワダツミ(牡2、美浦・二ノ宮厩舎)は、近親にショウナンラノビア(6勝)。ウッド72秒台を馬ナリでマークしているが、まだまだ時計を詰めていきたい。
今週の新規入厩は良血牝馬が目立った。
ウィキッドアイズは、半兄がホープフルS勝ち馬のハートレー。牧場での評判も上々で、兄に続く活躍も。
エリスライトは、全姉が宝塚記念などGⅠを2勝したマリアライト。
エルディアマンテは、母がディアデラノビア、全姉にディアデラマドレ、半兄にドレッドノータスなど重賞ウイナーが並んでいる。
牡馬では2頭。サトノディードはディープインパクト産駒で、全兄は社台RHで高額募集だったジェネラルゴジップ。吉田照哉氏が里見氏に紹介した馬で、国枝厩舎所属からも期待は高い。
アプルーヴァルは、いとこに今年の青葉賞を勝ったアドミラブルがいる。オルフェーヴル産駒の中でも特に評判が高かった一頭で、POGでも中位あたりで消えていた馬だ。札幌2歳Sでオルフェーヴル産駒のロックディスタウンが勝利。この馬も続きたい。
プロフィール
山田 乗男 - Norio Yamada
厩舎育ちのPOG好きという変わり者。主なPOG実績として、過去にナリタブライアン、ビワハヤヒデ、ディープインパクト、オルフェーヴル、ブエナビスタ、ロジユニヴァース、ヴィクトワールピサ、アンライバルドら指名の実績を持つ。POG=超大物狙いということだが、その格高理論は仲間うちから一目を置かれている。有名競馬雑誌でPOGコーナーを担当中。