あのダイナカール一族からデビュー…!

今週は、3場それぞれで芝1800m戦が行われる。当然だが、クラシックへ期待をかけている馬は多くが中距離戦でデビューする。果たして、3場のどこからクラシック候補が生まれるか。

新潟は日曜日に芝の1800m戦。美浦の馬にとっては、東京戦以来となる広いコースでの中距離戦ということもあり、なかなかメンバーが揃いそうだ。
例年以上に社台系の有力馬が入るようになってきた木村厩舎は、ここでランガディア(牡2)をデビューさせる。
「まだ馬が若く、体型的にも変わってきそうだが、手先まで伸びていい走りをする」と木村師。 母系はエアグルーヴドゥラメンテルーラーシップら活躍馬を多数輩出しているダイナカール一族で、半兄にファントムライトがいる。先々まで注目の一頭だ。

ランガディア

▲あのダイナカール一族のランガディアが遂にデビュー


ホウオウパフューム(牝、栗東・奥村武厩舎)は、クイーンCで3着したマチカネタマカズラの仔で、セレクトセールでは5200万の値がついた馬。調教(以降、調教は主に1週前のもの)で古馬1000万のシルクブルックリンに先着し、期待感は高まっている。
アルーフクライ(牡、美浦・宗像厩舎)は、母がアメリカG3で2勝。ウッドでは内目を回ったが4F52秒3-12秒1となかなか速い時計が出ている。デムーロを確保しており、初戦から勝負気配は高い。

関西からは、アンドリュー(牡、栗東・松永幹厩舎)も遠征してくる構えだ。
当日の芝1400m戦では、近親にポップロックがいるトレンドライン(牡2、美浦・金成厩舎)が出走予定。ウッドで68秒台が出ていれば、まずは合格点。戸崎騎手騎乗は、期待の裏返しだ。

前日のマイル戦は、レッドローゼス(牡2、美浦・国枝厩舎)。ウッドで68秒台をマークし、古馬1600万のカレンリスベットに先着と動きは上々だ。
グリッタードリーム(牝2、美浦・武藤厩舎)は、母がドイツの重賞戦線で活躍。すでにオープン特別勝ち馬(ディーパワンサ)を出した新種牡馬ディープブリランテから、また当たりが飛び出すか。

小倉では大物誕生となるか

続いては小倉。こちらの芝1800m戦には、POGでも人気になったミラアイトーン(牡2、栗東・池江寿厩舎)が出陣。すでに調教では目立った動きを見せ、6F82秒、上がり12秒0の時計を楽々弾きだしている。 数少ない池江厩舎-島川氏という格高ライン。大物誕生となるか。

血統的な魅力を感じるのはアステロイド(牡2、栗東・松永幹厩舎)。母のレトⅡはノーザンFが特に期待をかけている繁殖牝馬で、祖母にはフランスの年度代表馬にも輝いたノーザントリック、母のきょうだいにはイギリスダービー馬ライトシフトをはじめ重賞ウイナーが3頭いる。まだレトⅡからは期待通りの馬が出ていないが、そろそろ当たりが出てもいい頃だ。
ジャーミネイト(牡、栗東・中尾秀厩舎)は、母が紫苑Sで2着し、秋華賞にも出走したクラックシード。ポリトラックなので時計の価値を測るのは難しいが、動きはいいようだ。
1200m組で目立つのはレーヌミトル(牝2、栗東・本田厩舎)。CWで5F66秒台、上がりは12秒を切っており、レースでは人気を背負うことになるだろう。

札幌でも世界的良血一族からデビュー

最後に札幌。こちらも芝1800m戦は楽しみな顔ぶれだ。POGで人気になったインヴィクタ(牡2、栗東・友道厩舎)も、いよいよデビュー。
「併せた相手(新馬2着のユアスイスイ)が動くので見た目は目立たないが、この馬も悪くはない。血筋的にも洋芝は適性がありそう」と友道師。
母系は世界的名血のバラード一族で、日本での活躍馬にはヴィルシーナシュヴァルグランマーティンボロらがいる。

夏の北海道デビューに当たりが多い藤沢和厩舎からは、バトルスピリッツ(牡2、美浦・藤沢和厩舎)が出走予定。
「大型でガッシリした体型。追う切りを重ねる毎に良くなっているし、息も整ってきた」と千島助手。
先週ここで紹介したアディラート(牡2、栗東・須貝厩舎)も1週延ばして、ここでデビューの予定だ。

芝1200m戦では、ロードクエストの半妹になるヴァルツァー(牝2、栗東・小島茂厩舎)が予定。調教は地味だが、ロードクエストも新馬前は目立たなかったので心配あるまい。
ショルト(牝2、栗東・大久保龍厩舎)は、先日の福島芝1200mの新馬戦を勝ったナリノメジャーの近親。一族は他にもベストリーダー(新馬1着)、エピローグブリッジ(新馬2着)と初戦に強い馬が多く、この馬も新馬戦から狙いが立ちそうだ。

馬名

▲超良血馬インヴィクタはバラード一族


新規入厩組は凄いことに。2週前から先週にかけて、POG上位人気馬がドーッと入って来た。
まずは池江寿勢。恐らく多くのPOGで1番人気になったと思われるトゥザクラウン(牡2)、セレクトセールで2億近い高額で落札されたサトノアーサー(牡2)、サンデーRの募集価格が1億円のアルアイン(牡2)。

これに対抗するは藤原英勢。金子真人氏が2億3000万円で落札したダブルバインド(牡2)、ダノックスが9800万円で落札したダノンロマン(牡2)、兄4頭が重賞ウイナー、全姉のレッドアヴァンセもオープン勝ちという良血レッドオルガ(牝2)と、どちらの厩舎も豪華絢爛だ。
恐らくゲート試験を受かったら放牧に出し秋デビューになると思われるが、ここまで順調に来ているのが分かったことは嬉しいこと。

先の2頭の他にも、シンハライトリラヴァティアダムスピークの半妹ミリッサ(牝2、栗東・石坂厩舎)、サトノダイヤモンドの半妹リナーテ(牝2、栗東・須貝厩舎)も入厩。このあたりもゲート試験後は一度放牧か。
ああ、秋が待ち遠しい。