日曜京都はマイラー同士の激突に?

除外ラッシュのため、どの馬がどこに出てくるのか把握しにくい状況が続いている。当然仕上げるほうも難しく、陣営の思惑とは違うレースに出走している馬も見受けられる。馬券を買う時は、調教メニューや血統をいつも以上にチェックしておいたほうがいいだろう。

さて今週は、日曜日の京都芝1800m戦が好メンバー。目玉になるのはゴールドハット(牡3、栗東・角居厩舎)だ。「前向きな性格だが走り出すと乗り手にも従ってくれる。父同様にマイルあたりが合うのでは」と前川助手。このコメント通り、中京4日目の芝1600m戦も視野に入っているようだ。

1週前のCW(以降も調教は、主に1週前のもの)では、6F81秒台、5F64秒台と全体時計が早いうえに、終いを1F12秒前半で締め、クラシック候補のヴァナヘイムに先着。終い重点の角居厩舎とは思えぬほど全体時計は速く、期待感は一気に高まっている。外国産馬だが、父がマイルCSを勝ったハットトリックというのもまた興味を引く。

この馬ほど派手ではないが、こちらも好調教がショウナンタロット(牡3、栗東・吉村厩舎)だ。「父の産駒はカッカしやすいところはあるが、折り合いはつくので距離は保つと思う。素軽い走りで芝向き」と吉村師。鞍上は池添騎手。CWで67秒、上がりも1F12秒を余裕でマークしており、仕上がり上々。母はウオッカの勝ったヴィクトリアマイルで3着、適性はマイル~1800mあたりか。

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▲ショウナンタロットの母、ショウナンラノビアはG1でも好走した実力馬だった

モンテヴェルデ(牡3、栗東・昆厩舎)も、1週前の坂路は軽かったが、2週前にCWで68秒-12秒の時計を楽にマークし、能力の片鱗を見せている。直前でしっかり時計を出して来れば、レースでも有力の一頭となろう。

京都は前日の土曜日にダート戦が2つ。京都ダート1800m戦は、ビービーアヴィド(牡3、栗東・吉村厩舎)がCW5F67秒台、1Fを12秒前半で上がっており好仕上がり。半兄のキズマはダート短距離を中心に5勝をマークしたオープン馬。こちらはダート1800mでデビューだが、いずれは距離短縮をしていくかもしれない。

京都ダート1400mの牝馬限定戦はテンモース(牝3、栗東・飯田祐厩舎)。CWでは2週連続で5F66秒台、1F12秒前半の時計を連発し、先週デビューしていても大丈夫なほど順調に進んでいる。初戦から勝ち負け必至だ。

エンドレスコール(牝3、栗東・橋口慎厩舎)は、近親に6勝したスタッドジェルランや、南関東オープンで活躍するアルゴリズムがいる。2週前には上がり1F12秒前半、1週前は5F67秒と水準の時計は出ている。

中京は日曜日の芝1600m戦。先週のマイル戦を除外されたインビジブルレイズ(牡3、栗東・吉村厩舎)が出走予定。2週前にはCWで5F67秒、上がり12秒が出ており、すでに仕上がっている。近親にはウインフルブルーム(皐月賞3着)、サンライズジェガー(天皇賞・春2着)とG1活躍馬がおり、この馬も将来性は十分だ。

サウンドラブリー(牝3、栗東・安達厩舎)は先週予定も、いい騎手が見つからず1週延ばした。母のサウンドバリアーはフィリーズレビューを勝っており、この馬も桜花賞トライアルに歩を進めたい。

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▲10年のフィリーズレビューを勝ったサウンドバリアー

ダート新馬がメインの中山 注目はシルクRのインシュラー!

中山も芝のレースはあるが、翌週の東京戦に期待馬が集まり、最終週は少々寂しいメンバー。日曜日の芝1600m戦は、まずセイウンキラビヤカ(牝3、美浦・池上和厩舎)を紹介したい。「常足はそれほど良く見せないが、走り出すといいフットワークで走る。前向きさもあるし、初戦からやれていいはず」と池上和師。鞍上は北村宏騎手を予定。

美浦坂路では2週前に52秒4-13秒0、1週前には54秒0-12秒7を馬なりでマークしており動きは上々。リーチザクラウン産駒は、先のシンザン記念でキョウヘイが優勝。この勢いに乗りたい。

インシュラー(牡3、美浦・宗像厩舎)は、半兄に5勝のキングレオポルド、姉の仔にミッキーアイル(G1を2勝)、タイセイスターリー(シンザン記念2着)がいる。調教は地味だが、あと1週で変わってくるか。

前日の中山ダート1800m戦は、シュメッターリング(牡3、美浦・小笠厩舎)がウッド69秒も、上がり13秒が出ていれば悪くない。近親にはフサイチエアデール(重賞4勝)、フサイチリシャール(朝日杯FS)がいる。

トラムポルカ(牡3、美浦・畠山吉厩舎)は、母が牝馬ながらに菊花賞に出走したポルカマズルカ。大型馬のうえに、気を抜くところもあるということから、使っていって良くなるタイプかも。

中山ダート1200m戦は、先週除外されたピネローロ(牝3、美浦・菊沢厩舎)。ゲートから行われたCコースでの調教では、「ゲートの出は速かった」ということなので、1200m戦も対応できそうだ。なお芝1600m戦出走の可能性もあるという。

ゴールドヴィグラス(牝3、美浦・古賀慎厩舎)は、半兄がゴールドバシリスク(5勝)、ゴールドアカデミー(4勝)。妹もダートでオープンを目指す。

この時期になると、さすがに新規入厩の目玉は少ない。再入厩組の注目はキラーコンテンツ(牡3、栗東・藤原英厩舎)。シルクRで、1億円の高額で募集されたディープインパクト産駒の期待馬。POGでも上位指名で消えたところが多かったようだ。POG本取材時は、「マイル向き」という話を聞いたので、デビューも1600~1800m戦あたりか。

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▲トラムポルカは長距離馬の母×マイラーの父という組み合わせの配合だ