未勝利戦に出走する選択も

毎週芝のレースは除外ラッシュだが、2月12日の東京芝マイル戦でも16頭、同日の京都芝1800m戦で10頭の除外が出た。今週の芝は東京芝1800m戦と小倉芝2000m戦だが、鞍上に拘るような期待馬は有力騎手のいる東京戦に集中するだろう。こうなると2週連続の除外も覚悟せねばなるまい。

こんな厳しい状況の中、先週の東京マイル戦を予定していたマンハイム(牝3、美浦・国枝厩舎)は早々と新馬戦を諦め、前日の芝マイルの未勝利戦に出走。既走馬相手に見事な差し切りを決め、デビュー勝ちを収めた。他にも、POGで人気になったキラーコンテンツ(牡3、栗東・藤原英厩舎)も無理に新馬デビューに拘らず、阪神の未勝利戦でデビューを予定している。除外で馬のコンディションを崩すくらいなら、既走馬相手のデビューもいいのではないか。能力が高ければ、マンハイムのように勝てるはずだ。

その東京芝1800mは、当然のように有力馬がずらり並ぶ。まずは除外で権利を持っている馬。

キタサンブラックの妹が猛調教でスタンバイ!

テーオーメーテル(牝3、栗東・清水久厩舎)は、半兄が昨年の年度代表馬キタサンブラック(G1・3勝)。1週前の水曜日(以降調教は主に1週前のもの)に7F80秒、最終1F12秒を切る速い時計を出すと、土曜日にも6F82秒の時計を出す猛調教。これなら直前は軽めで大丈夫だろう。兄のキタサンブラックも冬の東京開催でデビュー勝ち。妹も続きたい。

キタサンブラック

リュイザン(牡3、美浦・二ノ宮厩舎)は、ウッドコースで5F71秒。時計は遅いが外目を馬ナリでまわったものなら心配なく、負荷もかけられている。「小柄でもう少し全体的に成長してほしい。力のいるコースではもうひとつ速い時計が出ないが、走りは軽いので実戦の芝でいいタイプだと思う」と二ノ宮師。

エリティエール(牝3、美浦・大竹厩舎)は、母がBCディスタフなどアメリカでG1を5勝した名牝。半姉はルージュバック(重賞3勝)だ。ウッドでは余裕をもって67秒4の時計をマークし、アイビーS4着のキャナルストリートと併入。仕上がりは良好だ。

ソーシャライツ(牝3、美浦・奥村厩舎)は、坂路で53秒7-12秒4を楽に出しており合格点。半兄のロスカボスが新馬、野路菊Sと連勝しており、この馬も早くからの活躍を期待。

セシルシャイン(牡3、美浦・木村厩舎)も、全姉が2歳戦から活躍したアイムユアーズ(重賞4勝)なので早くからの活躍も見込めるが、1週前までの調教は目立っていない。

調教が目立つのはウインシャトレーヌ(牝3、栗東・大久保龍厩舎)。坂路で2週前に52秒0-12秒3の好タイム、1週前は54秒6-12秒1を馬なりでマークし、京都記念に出走したスマートレイアーと併入した。初戦から期待は大きい。

ここからは除外権利を持っていない馬。

ファーブルトン(牡3、美浦・藤沢和厩舎)は持ち込み馬だが、下の2頭にはディープインパクトがつけられているように、母は期待の繁殖牝馬のようだ。「ゆくゆくはダートも面白そうだが、芝もこなせるフットワーク。乗り込んで息は十分整っているし、どんな走りをしてくれるか」と津曲助手。

グレンマクナス(牡3、栗東・藤岡健厩舎)は、母のララアがアメリカでG1勝ち。CWの全体時計は遅いが終い1Fは12秒を切り、能力の一端を見せている。

レッドアメリア(牝3、美浦・鹿戸雄厩舎)も坂路で53秒0-12秒8を余裕をもってマークしており、出られれば好戦も可能だ。

京都、小倉にも見逃せない血統馬が!

京都ではダート1800m戦。2週前の坂路で51秒4を出し、初戦から人気を集めそうなのがスマートフェンリル(牡3、栗東・大久保龍厩舎)だ。「血筋的にもダートが活躍の場になりそう。追い切るごとに前向きさが出て、ここにきてだいぶピリッとしてきた」と大久龍師。半姉のエリモファイナルは4勝し、牝馬3冠レース全てに出走した馬。弟はダートで上を目指すことになるようだ。

ファミリアリティ(牝3、栗東・石橋厩舎)は、1週前時点の調教は目立ってはいないが、3代母に世界的名牝ミエスク、近親にリアルスティール、プロディガルサンがいる良血。先々まで楽しみだ。

小倉芝2000m戦は騎手の関係もあり、今の時点で有力馬の出走が掴めていないが、先週の京都で除外になったハルノヒダマリ(牝3、栗東・西浦厩舎)、エクレアスパークル(牡3、栗東・中内田厩舎)が出てくれば有力なのだが。

新規入厩で目立つのはジュローズ。桜花賞馬キストゥヘヴンの5番仔になる。実はここまで上4頭にJRAで勝ち星を挙げた馬はゼロ。まずは1勝が目標だ。