
初めての個人所有馬ジャスタウェイがレーティング世界No.1の評価を獲得し、種牡馬に。
人並み外れた馬運の持ち主が脚本家という本業のキャリアを活かし、馬主ライフを書き下ろします。
『北海道へ行ってきましたその1』
2022/12/6(火)
皆さん、こんにちは。ライター大和屋です。先日、北海道へ馬を見に行きました。コロナの影響で長い間北海道へ行けていなかった状況でしたが、ようやく先日、行くことができました。今回の目的は私の所有馬に会いに行くこと。言うまでもないですがデビュー前の若駒は勿論、ジャス君やオツウにも会ってきましたので報告したいと思います。
新千歳空港からスタートし、安平町、日高、浦河、様似と北海道を縦断の三泊四日、馬を見るのはそのうちの二日間。今回の旅行はお友達の中島さんが声をかけてくれたことで実現しました。旅には中島さん、そしてプリティジェニーをお願いしている西村調教師にも同行していただきました。お二方にはなにからなにまでお世話になりました。本当にありがとうございました。
というわけで北海道、所有馬に会いに行く弾丸ツアーのレポートです。まずは早朝5時に起床、車で羽田空港へ行き、朝食食べて8時の飛行機に乗り込みます。いきなり時間を読み違えて保安検査場を締め切り一分前に通過するというバタバタした出足でしたが無事に搭乗できました。空港で拾ってもらってそのままノーザンファームへと向かいました。
そこにいたのはイイナヅケの当歳と一歳。最初に会ったのが当歳だったのですが、移動したという報告を受けていなかったので一歳のほうかと思い込んでいたというポカをやらかしました。なんか小さいとは思っていましたが、久しぶりに愛馬に会えた嬉しさからか気づかない。それ当歳ですと言われて赤っ恥という奴です。

まあおかしいなと思っていたんですけどね……。いや、まあ可愛いからいいや。というわけでまずは当歳のジャスタウェイ×イイナヅケの22、牡でございます。エルデストサンの全弟ということになりますね。つまり次男坊ということか、今から期待大でございます。と同時に良い名前を考えなければいけません。
そしてこちらがジャスタウェイ×イイナヅケの21、牝馬のこの仔は調教がかなり進んでいるそうです(現在16秒まできているそうです)。

こちらもエルデストサン、そしてジャスコの全妹ということになる血統。今から来年が楽しみでございます。足元が少し内向加減とのことですので心配ではありますが、牧場の方もわかってくださっているので、何かある前にうまいこと対処してくれていることでしょう。怪我なく無事に競馬場へと向かってくれればと思っております。
二頭を見学して丁度お昼となりました。ノーザンホースパークでの昼食です。お蕎麦がとても美味でございました。ご馳走様でした。何年前からかメニューにお蕎麦が加わりましたが、いつ食べても美味しいですね。おすすめです。

現役馬は上の二頭。ノーザンファームにはもう一頭、私の所有馬イイナヅケがいらっしゃいます。現在イイナヅケは日高のノーザンファームにいるとのことです。丁度ジャス君のいるブリーダーズスタリオンステーションも日高ですのでさっそく向かいます。安平町のノーザンファームから約一時間の移動です。
高速道路を降りて10分ほどいったところに日高ノーザンファームはありました。前もって伝えてあるので厩舎前でスタンバってくれていましたイイナヅケ。久しぶりのご対面でありました。

たしか前に会ったのは繁殖にあがったすぐ後に見学させてもらったのが最後だったような気がするのでかなり前ですね。今日も元気そうにしておりましたのでお鼻のあたりをなでなでさせていただきました。
ほんと、最初は乳の出が悪いので乳母をつけたりなんて時期もありましたが、今やすっかりお母さんでした。きゅう舎の方に聞いても変わらず元気に過ごしているとのことでしたので、良かったですね。そしていよいよこの旅のメインイベントと言っても良い、イイナヅケさんの旦那さんへのご対面です。
ジャス君は現在、ブリーダーズスタリオンステーションに繋養されております。洋風の建物は外国へ来たのではないかと錯覚するほどオシャレです。入口すぐの所に事務所と厩舎があったので放牧場がどうなっているのかは見えませんでしたが、スタリオンにふさわしい立派な施設に見えました。

事務所にご挨拶に行くと用意してますときゅう舎の真ん中に案内してもらい。久しぶりのご対面です。やってきましたジャス君です。とても久しぶりに会いましたが元気そうで何よりです。前に会った時よりもどこか風格のようなものも感じるような感じないような。しっかり種牡馬としての経験を積んでいるのでしょうけど、昔と変わらないワイルド且つひょうひょうとした立ち居振る舞い。
しかし今回は噛みつきにこなかったので、きっと大人になったのでしょう。普通に触らせてくれましたし、なんだかフレンドリーに過ごせました。記念写真やなんかを撮りつつ、これからも頑張ってくださいとお願いし、また来ますからと再会を誓いました。


これからもずっと種牡馬として細く長く頑張っていってくださいね。何よりもお互い健康には気をつけましょう。馬房を見せていただきましたが、お守りが何個も繋いでありました。ファンの皆さんありがとうございます。お陰様でジャス君は元気に過ごしているようです。


今年は今までの年にくらべると結果が出ています。とくに二歳馬の勝ち上がり頭数が多いような気がしますし、クラシックに乗ってきそうな、もしくはこの先走ってきそうな大物感漂う仔が多数輩出されています。そのおかげで暴落を続けてきた種付け料もようやく50万円UPの250万円ということになったようです。
400万スタートでしたので、ここで満足してはいけないのですが、これからの躍進を期待しましょう。ほんと元気そうで何よりでした。見た目も気性もかわりないように見えましたし、スタイルも崩れた感じはしませんでした。いつまでも健康でい続けてください。これからもよろしくお願いいたします。こんなご時世だったからこそ会えて本当に良かったです。
一日目の見学ツアーはこれにて終了、このまま浦河まで移動し、二日目に備えます。北海道はとても寒いと聞いていたのでゴアテックスを着込んでいきましたが、行く先々で良い時に来たねと言われました。なかなか良い気候だったみたいです。とはいえ北海道は東京に比べれば冬でした。宿でご飯をたべて明日に備えて眠ります。

二日目は念願だった辻牧場さんの見学です。いくいくと言い続けてはや5年。とうとう実現する時がやってまいりました。そこでの光景は見たこともない広大な施設だったBTCやどこまでが牧場なのかというくらい広大だった辻牧場とか広大な施設に巨大な坂路があったファンタストクラブとか、そんな内容を書こうかと思っております。というわけで第二回へ続きます。
了
プロフィール
大和屋 暁 - Akatsuki Yamatoya
脚本家・作詞家・ライター。若くして一口馬主に出資を始め、クラブ馬主歴2年目にハーツクライと運命的な出会いを果たすと、有馬記念、ドバイシーマクラシックを制す大活躍。しかし、ノド鳴りによるアクシデントに見まわれ、突如として引退したことに一念発起、馬主になる決心を固めた。個人馬主としては、初めてデビューを果たした所有馬ジャスタウェイが大活躍の強運ぶりを発揮。遂には、目標であったドバイ遠征を実現させ、ドバイデューティーフリー(現在のドバイターフ)を圧勝。「自らの馬でドバイを勝つという」夢を実現させたばかりでなく、そのパフォーマンスが評価され、2014年度のワールドベストレースホースランキングでは、日本馬史上初の1位を獲得している。
現在の現役所有馬はカリボール、マジカルステージ、ジャスコ、キングロコマイカイ。一口馬主や共有馬ではアウィルアウェイ、ルーツドール、イストワールファムなどに出資している。
本業ではアニメ版「銀魂」、「スーパー戦隊シリーズ」などの脚本を手がけ、2020年公開の映画「デジモンアドベンチャー」も担当。愛馬との数年間に及ぶ足跡を綿密に綴った『ジャスタウェイな本』などの執筆も手がけた。