【5回阪神】アルティマブラッド…小平奈由木の注目新馬レポート

アルティマブラッド
(牝2、栗東・音無厩舎)
父:シンボリクリスエス
母:アルティマトゥーレ
母父:フジキセキ

2年連続で年度代表馬に選出されたシンボリクリスエスの産駒。昨年もリーディングサイアー争いで3位に食い込んでいる。サクセスブロッケン(フェブラリーSなどG1級を3勝)、ストロングリターン(安田記念)、アルフレード(朝日杯FS)らに続き、最高傑作となるエピファネイア(菊花賞、ジャパンC)が登場。現3歳ではショウナンラグーンが青葉賞を制している。この世代も優秀な繁殖を集めているだけに、新たなスターの誕生が楽しみでならない。

母アルティマトゥーレ(その父フジキセキ)は、セントウルSやシルクロードSなど7勝をマーク。その半弟にキャプテントゥーレ(皐月賞、デイリー杯2歳S、朝日チャレンジC2回)、クランモンタナ(現5勝、新潟記念2着)がいる。祖母がエアトゥーレ(阪神牝馬S、モーリスドギース賞を2着)であり、スキーパラダイス(ムーランドロンシャン賞、京王杯SC)に連なる豪華なファミリーだ。同馬の半兄にあたるアルティマプリンス(現1勝)も、さらなる飛躍が期待される好素材。社台サラブレッドクラブにて総額2800万円で募集された。

社台ファームでの基礎固めを経て、8月18日に山元トレセンへ。ソエが治まるのを待ってスピードメニューを消化したうえ、11月7日、栗東に入厩した。20日のゲート試験に合格。順調にペースアップされた。先週の坂路では一杯に追われるブチコ(2歳未勝利)を追走し、コンマ9秒の先着。4ハロン52秒5の好タイムを叩き出した。

注目のデビュー戦は、12月20日(土)、阪神の芝1600m。追い切りにも跨り、確かな才能を認めているウィリアム・ビュイック騎手で。


小平 奈由木(こだいら なゆき)

早稲田大学日本語研究教育センターに勤務した後、競馬関係に進む。競馬専門紙「1馬」の記者、法人馬主「サラブレッドクラブラフィアン」のレーシングマネージャーなどを経て、現在はフリーランス。業界のキャリアは 20年近くになり、生産・育成現場からトレセンまで精通。

月刊誌「競馬最強の法則」の人気コーナー「トレセン最前線」をはじめ、幅広い知識を生かしたエッセーが評判 になっている。