レッドキングダム 1年足らずで駆け上がった頂点の座

●12月20日(土) 4回中山5日目11R 第137回 中山大障害(J・G1)(芝4100m)

初の重賞制覇がJ・G1という大舞台となったレッドキングダム(牡5、栗東・松永幹厩舎)だが、北沢伸也騎手の手応えは決していいものではなかった。「道中は掛かってしましたし、上手く乗れませんでした」。レースは先頭と大きな差のない中団からの競馬。最終3コーナー手前の竹柵障害を越えたところが勝負と読んだのは鞍上。満を持して、ゴーサインを出すも馬の反応はない。「余力がないのかな」そう感じ取った。

しかし、レッドキングダムの真骨頂はここからだった。最後の生け垣障害を飛び越えると馬が変わったかのようにギアチェンジ。先頭を走るアポロマーベリックとの差は見る見るうちに縮まっていく。終わってみれば2着に3馬身差をつける完勝。これには今年の障害リーデイングジョッキーも「あれだけ掛かっていたのに、最後まで脚が持つんですから、凄いスタミナですよ」と驚きを隠せなかった。

転機は今年の4月。平地では結果を残せず、主戦場を障害に移した。初勝利までに4戦を要したが、そこからは一気にジャンプアップ。前走でオープンを勝つと今回、初挑戦となった大障害コースも見事にクリア。重賞ウィナーの仲間入りを果たした。これからは王者として、挑戦を受ける立場になる。まずは来春の中山グランドJでJ・G1連覇を達成したいところだ。春の頂上決戦へ、勝負はもう始まっている。

レッドキングダム

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