未完の大器マスクトヒーローが再度骨折し引退へ

先月29日に行われたマーチSで3着入り、今後の活躍も期待されていたマスクトヒーロー(牡7、美浦・新開厩舎)が左前肢ヒザの第3手根骨板状(ばんじょう)骨折を発症。そのまま競走馬登録を抹消される運びとなった。

マスクトヒーローは父ハーツクライ、母が重賞を3勝したビハインドザマスク。社台サラブレッドクラブにて募集総額5000万円の値が付けられ、その血統背景から大きな期待を寄せられたが体質が弱く、中央ではデビューを果たせずに北海道へ移籍。3歳秋の2011年9月に地方・門別でデビューし、2着馬に2秒2をつける大差で圧勝すると、2戦目も4馬身差で連勝。その年の12月に美浦・新開幸一厩舎へ転厩し、中央初戦も3馬身差で快勝した。
続く昇級初戦ではスタートで躓き、9着と初めての敗戦。その後に骨折が判明して休養に入るが、故障が癒え、降級した500万条件から破竹の3連勝。7戦6勝でオープン入りを果たした。

しかし、オープンでは一戦一戦のダメージが大きく、順調にレースを使うことが出来ず、2013年から14年はわずか5戦。昨年暮れの師走Sでオープン初勝利を飾り、重賞初挑戦となった先週のマーチSでタイム差なしの3着に入る健闘を見せるが、レース後の検査でまたも骨折が判明。板状骨折は通常の骨折と違って手術ができず、自然治癒で骨折線が消えるのを待つしかなく、左ヒザの骨折は今回で4回目。7歳という年齢もあり、現役続行を断念することとなった。

馬主は(有)社台レースホース、生産者は千歳の社台ファーム。馬名の意味由来は「仮面の英雄」。JRA通算獲得賞金額は8665万9000円(付加賞含む)、地方通算獲得賞金は30万円。今後は乗馬となる予定。

マスクトヒーロー
(牡7、美浦・新開厩舎)
父:ハーツクライ
母:ビハインドザマスク
母父:ホワイトマズル
通算成績:13戦7勝
(うち地方通算2戦2勝)

マスクトヒーロー