クリノシャンボールが逃げ切り、川村厩舎がここも勝利!

クリノシャンボール

15年6月13日(土)3回阪神3日目5R 2歳新馬(芝1400m)

クリノシャンボール
(牡2、栗東・川村厩舎)
父:ネオユニヴァース
母:ゲッコウ
母父:キングカメハメハ

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マイノートには《低レベルな戦い》と書いた。それがレースを終わってすぐの感想であった。逃げ切るのも当然の、前半3Fが37.2で上がり3Fが35.0。返し馬でもそうビックリするような気配は見せていなかった。もっともこのレースでの各馬は、同様に頭の高さとか硬い歩様を感じたりと、戦前からあまりいい評価をしていなかったものでもあった。

そして改めて映像で確認してみる。『行きたくなかった…』と和田Jは言ったが、そのわりにはゲート出た瞬間は押して出て行っている。他の馬が予想以上に遅くて、すんなりと前へ出る。後はジンワリした流れを造っていく。しかし映像で見るかぎり、フワフワした走りで物見とかしている様子。逆にガス抜きが出来る感じの逃げになってもいたのだろうと推測する。
人気のクラウンドジャックは、スタート自体は勝馬と互角ぐらいの出だったが、内や外から前へと出る馬を気にしたのか、4番手となる。3角過ぎても位置はそう上がらず、逆に内でさらに後ろの位置どりとなる。

4角手前では、内の3番手を進むヴェゼールが、押して押して前へと上がりたい気配。2番手のシルヴィーボーテを伺う。ハナを行くクリノシャンボールは、相変わらずフワフワした感じで直線へ入る。2馬身の差をつけていく。2番手には内からヴェゼールが上がりかけるが、その内をクラウンドジャックが入ってくる。狭い内ラチ沿いを、鞍上福永Jの右ステッキに応えていい伸びをして前へと進む。しかし先頭のクリノシャンボールは、涼しい顔をして先頭を行く。よくよく和田Jの仕草を見ると、やや内へもたれている感じで、左の手綱を引いている。しかもノーステッキである。最後の1Fが12.0ジャストで駆け抜けた。

結局、電光掲示板に上がった馬は、先行した5頭がそのままで入れ替わっただけ。前半がユックリで上がり勝負となっただけに、当然と言えば当然か。
480キロと、けっこうな馬格のクリノシャンボール。乗った和田Jが《乗り味がいい》と言うのだから、見たて以上のものがあるに違いない。時計の平凡さで、このレースを《低レベル》と書いてしまう私にも呆れている次第でありました。記憶にしっかりと入れておくレースとしておきます…。


平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。