【菊花賞】リアル福永 最後の一冠へ「なんとかタイトルを」

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提供：うまスクエア
21日、日曜京都11レース・菊花賞(G1)の追い切りが栗東トレセンで行われた。皐月賞、そしてトライアルの神戸新聞杯で2着に入ったリアルスティール(牡3、栗東・矢作厩舎)は、福永祐一騎手が騎乗して坂路で最終調整。古馬1000万のアルスマルカートを2馬身前に置き、終い一気に抜け出すという本番を意識した形で4F53.6－39.0－25.2秒－12.6秒を計時。未知の距離へ挑む。

デビュー2戦目にクラシックの登竜門・共同通信杯を勝ち、皐月賞2着、ダービー4着。ドゥラメンテの前にタイトル奪取はならなかったが、常に世代の中心にリアルスティール。ダービーのあとに骨折が判明し、秋が危ぶまれたものの、骨折の程度は軽く神戸新聞杯で復帰。結果は2着ながら、スローペースに泣いた面もあり、ここに来て最後の一冠に向け陣営のトーンもグンと上がってきている。

気性面と血統背景から3000mの距離を危ぶむ声が多いのも確かだが、近年の菊花賞は純然たるスタミナ比べよりも、ロスなく脚を溜めて、終いの瞬発力勝負となるケースが多い。敗れた神戸新聞杯も収穫は大きく、前走の内容、そして中間の気配からもダービー後の骨折の影響は全く見られないだけに、あとは鞍上がリズム良く、どう流れに乗っていくかにかかっている。まさに腕の見せどころとなるだろう。


10月25日(日)に行われる菊花賞(G1)の最終追い切りが栗東トレセンで行われた。
追い切り後、リアルスティール(牡3、栗東・矢作厩舎)に騎乗する福永祐一騎手の一問一答は以下の通り。

●骨折明けを叩き上積みは十分

－：今日は調教に乗られての感触というのはいかがだったでしょうか？

福永祐一騎手：そうですね。先行馬の後ろから折り合いを付けてから、残り2ハロンで内に出して、最後1Fはある程度伸ばすという指示だったので、タイム、動き共によかったです。

－：先週も追い切り乗ってらっしゃいますが、それと比べてどうだったのでしょうか。

福：坂路で乗と馬が行く気になって、下のコースよりはけっこうハミ取っていくのですが、今日、その割にはリラックスしている方でしたね。あの馬なりには。先週のタイムも良かったですし、動きもよかったですし、一度使われて順調に良くなっています。

－：合格点を与える動きと見てよろしいですね。

福：休み明けの時から動きはよかったですし、若干余裕のあった体も、体重はそう変わらないらしいのですが、引き締まってシャープな体付きになっていますし、動きの身のこなしも前走の時とは違って良くなっていますので、いい状態で臨めるのではないかと思っています。

リアルスティール

▲2度目の菊花賞制覇を狙う福永祐一騎手


－：前走の神戸新聞杯を改めて振り返って頂きたいと思います。

福：メンバー見渡しても行く馬少なかったので、スローペースになるだろうというのが、ある程度わかっていたのですが、その時点では次が決まっていなかったので、折り合い重視とかというのは全然なかったです。スタートして馬の後ろに入れて、なんとかなだめながらの追走になったのですが、瞬発力勝負になって、あの馬自身最速の上がりを使ってくれていますし、骨折休養明けの中馬はよく頑張ってくれました。自分が思っていた以上に逃げた馬が最後にいい脚を使って、結果負けてしまいましたが、それは自分の相手を間違えたというか、スローのヨーイドンになりましたが、それでもキレる馬が相手じゃないかなと思っていたので、自分が思っていた以上に勝った馬が強かったです。

－：骨折の影響はなかったと見てよろしいですね。

福：なかったですね。

－：夏からの成長という部分ではどうでしょうか。

福：骨折したので、若干心配はしたのですが、こちらが思っている以上の成長を見せてくれていますし、並足一つ取ってみても、春の当時とは比べ物にならないくらいのしっかりした歩き出来ていますので、それは調教での速いタイムにも表れていますし、順調に完成形に向けていい方向に成長してくれていると思います。

－：改めて、この馬の強みというのはどういうところでしょうか。

福：そうですね。キレ、瞬発力がありますし、スタートもいいですし、折り合い面に関してはあまりハミを外すような事は今まで教えてきていないので、どちらかと言えばハミに向かってグイグイ行くタイプの馬ですね。2400mも問題なかったのですが、3000mを走るにあたって、プラスに働くような走りではないので、前半の1000mがポイントかと思っています。そこまでに余分な体力を使わせずに行けるかが、今回のポイントになるのではないかなと思います。

●距離克服へ陣営が一丸

－：3000m仕様にする為の乗り方というのも福永さん自体されているのでしょうか。

福：それはあくまで調教だと思いますので、矢作先生を始めとする、厩舎スタッフと色々話しながら3000m対応出来るような調教を、という事で、一緒に取り組ませて頂いております。なかなか2、3週間くらいしかない中でどれだけ馬が対応してくれるか、というところなのですが、最善を尽くしてはいますし、あとは競馬に行ってからだと思います。

－：福永騎手は菊花賞を勝ってらっしゃいますが、3000mを乗り切るポイントというのはどういうところになるのでしょうか。

福：これは一般的に広く知れ渡っている事だと思うのですが、下りを2回通りますので、特に最初の下りをスムーズに行けるか。正面スタンドを通過しますし、歓声が凄いですから、前半の1000mをいかにリラックスして走れるかというところを上手くクリア出来ないと、厳しいのではないかと思います。

－：このリアルスティール号で挑む3000mというのもイメージは湧いてらっしゃいますか。

福：血統的に見ても、馬のフォームを見ても3000mがベストではいというのが明らかだと思いますし、そんな中で3000mの菊花賞を選んだという事は勝ちに行くという事の元、そういう判断をされたと思います。そこは3000m上手に走ってよかったね、という事ではないと思いますので、どんな形であれ、勝てるように、そこのみを目指した騎乗をしたいと思います。

－：皐月賞では積極的に前を行く競馬で、ダービーは比較的後ろからという感じでしたが、今回そういうイメージはお持ちでしょうか？

福：変な小細工なしで、正攻法でいけたらと思っています。スタートも上手な馬なので。もちろん、枠がけっこう左右するレースで、スタートから最初のコーナーまでの距離が短いので、枠によって随分乗り方を変えざるを得ないと思いますので、その辺はトレーナーと相談して、枠が出てからになるのではないかなと思います。

－：福永さんはデビューの勝利の時点でG1も狙えるぞという馬だったとお伺いしておりますが、その馬と迎える最後のクラシックとなりますが、その辺りの意気込みはどうでしょうか。

福：非常に高い能力を持っている馬で、まだまだ成長過程にあって、成長曲線は他の馬よりも早い方ではありませんが、秋いい形で戻って来てくれたので。G1を勝てる馬だと思いますし、勝たなければいけない馬だと思いますし、今回3000mですが、非常にいい状態で挑めますので、なんとか人馬一緒になんとかクリアしたいなと思っています。

－：春から応援してくださっているファンの方多いと思います。そんなファンのみなさんへ一言お願いします。

福：春はすごく強い馬がいてタイトルを獲る事が出来ませんでしたが、こうして無事に3冠目を迎える事が出来るというのは、それも一つの能力だと思いますし、牧場、厩舎がいい状態で秋に戻してくれたので、なんとかタイトルを獲りたいと思いますので、たくさんの人の応援を頂いて、後押しして頂ければと思います。応援よろしくお願いします。