【5回京都】フォイヤーヴェルク…小平奈由木の注目新馬レポート

フォイヤーヴェルク
(牡2、栗東・池江寿厩舎)
父:ディープインパクト
母:ナイトマジック
母父:Sholokhov

稀代のスーパーホースであり、スタリオン入りしてからも日本競馬を牽引するディープインパクトの産駒。史上最速のスピードで勝ち鞍を量産している。昨年は自己最高となる232勝をマークし、3年連続のリーディングサイアーに輝いた。現3歳ではショウナンアデラ(阪神JF)、ダノンプラチナ(朝日杯FS)、ミッキークイーン(オークス、秋華賞)がG1のタイトルを奪取している。この世代も早速、ブランボヌール(函館2歳S)が重賞ウイナーに。来春のクラシックへも大挙して臨むこととなろう。

母ナイトマジック(その父ショロコフ)はG1・バーデン大賞、同・独オークスなど重賞を5勝した名牝。4代母ノヴェル(独3歳牝馬チャンピオン)に連なる筋の通った一族である。同馬は注目の初仔。総額1億2000万円の値が付けられ、サンデーサラブレッドクラブにラインナップされた。

ノーザンファーム早来で順調に基礎固めされ、7月26日、札幌競馬場に入厩した。8月6日のゲート試験に合格。いったん牧場へ戻り、しっかりと心身を整え直す。10月23日に栗東へ。スムーズにペースアップされ、ひと追いごとに反応も上昇している。父らしいシャープな体付きだが、身のこなしは柔軟であり、重厚なドイツ血統らしい渋太さも兼備。クラシックディスタンスでの飛躍が期待される。

11月22日(日)、東京の芝2000mでターフに初登場。ライアン・ムーア騎手に依頼している。



小平 奈由木(こだいら なゆき)

早稲田大学日本語研究教育センターに勤務した後、競馬関係に進む。競馬専門紙「1馬」の記者、法人馬主「サラブレッドクラブラフィアン」のレーシングマネージャーなどを経て、現在はフリーランス。業界のキャリアは 20年近くになり、生産・育成現場からトレセンまで精通。

月刊誌「競馬最強の法則」の人気コーナー「トレセン最前線」をはじめ、幅広い知識を生かしたエッセーが評判 になっている。