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オーストラリア大使館にて日豪競馬フォーラムが行われる
2015/12/2(水)
11月30日(月)、在日オーストラリア大使館にて「お疲れ様!フェイムゲーム号、ホッコーブレーヴ号!【Japan-Australia Horse Racing Forum ~ オーストラリア競馬との共栄をめざして】」が開催された。今回のフォーラムは海外遠征を検討する馬主、調教師を対象に行われ、会場にはビクトリア州競馬担当大臣、フェイムゲームのノーザンファーム吉田勝己代表、ホッコーブレーヴの矢部道晃オーナー、昨年、豪州遠征を行ったアドマイヤラクティの近藤利一オーナーなど、オーストラリア競馬とのつながりを持つ関係者、調教師を招き、日本競馬とオーストラリア競馬の共栄を目的とした内容となった。
まず始めに海外競馬に精通する合田直弘氏がVTRで登場。自身がオーストラリアの現地で感じたことを、客観的な視点からオーストラリア競馬の魅力を伝えた。
続いてはオーストラリアのMagic Millions Sales社、William Inglis&Son社が順番に、オーストラリア生産馬の世界での活躍、血統の魅力、現地でのセリの内容、オーストラリア競馬の魅力をプレゼンテーション。会場にいる関係者は今後の参考になる情報を真剣に聞き入っていた。
更には主に競走馬の空輸を行うIRT社が壇上へ。日本馬の豪州遠征にも関わっており、海外への輸送に関してスペシャリストとしてのこだわりなどを話し、今後、海外へ遠征を考えている陣営へのアピールは怠らなかった。
続いてはJRA騎手のクリストフ・ルメール騎手と、現在短期免許で来日中のオーストラリア騎手トミー・ベリー騎手、レース実況アナウンサーのマリー・ジョンソン氏が対談。そして、最後に今回の企画の中心人物でもある、在日オーストラリア大使ブルース・ミラー氏から、フェイムゲーム、ホッコーブレーヴの両関係者へ挑戦を讃える言葉が送られた。また、フォーラムの最後にはネットワーキングセッションの時間が1時間設けられており、参加者はその時間をフルに活かし情報交換を行った。
今回のファーラムは初の試みではあったようだが、オーストラリア競馬の現地での人気、歴史的な日本との関係性、日本馬が海外遠征してでも挑戦するだけの魅力などが伝わる素晴らしいイベントだったように感じる。吉田勝己オーナーが「今年は勝つ気で参戦したが、結果は残念だった。また挑戦したい!」と力強く語れば、オーストラリアの競馬関係者は「日本の馬はすばらしい。JCなど豪州の馬でドンドン挑戦したい」と話す。互いに魅力を感じ認め合っているからこそ、今回のフォーラムが開催に至ったと考えられる。これをキッカケにより交流が深まり、互いの国の競馬レベル向上のために切磋琢磨できる関係になる事が理想的な形だと感じた。
メルボルンC出走時のゼッケンを受け取る吉田勝己ノーザンファーム代表(右)と矢部オーナー(左)
本来、豪州競馬ではゼッケンはチャリティーに出品されるとのことだが、特例で両オーナーに進呈された
(左)駐日オーストラリア大使 ブルース・ミラー氏 (中)ビクトリア州政府競馬担当大臣 マーティン・パクラ氏
(右)オーストラリア大使館マーケティング事務所 行使 レオニー・モルドゥーン氏
トークセッションに臨むルメール騎手、ベリー騎手、ジョンソン氏
以下は、ネットワーキングセッション中で競馬ラボが独自取材を行った出席者のコメント一覧となる。
【オーストラリアのトミー・ベリー騎手】
「(なぜ日本に来たか)自ら積極的に望んだというよりは、(ルメールなどを担当している)通訳が1年半に渡って、熱いオファーを送り続けてきた。同国の競馬はオフシーズンとは言えないが、メルボルンCも終わって、しばらくは大きなレースがないこともあり、香港へ向かう合間として来日を決めたんだ。
(ウィリアムズ、オールプレス騎手ら来日したオーストラリアの騎手は先行タイプがいるが)自分は、馬の特徴や展開に合わせてスタイルを変えている。もし先行する騎手が目につくとすれば、それは彼らが厩舎の指示で先行する機会が多かったため、いつの間にかクセとして身についてしまっているのかも知れない。同じように短期免許で現在滞在しているボウマンを見てもらえればわかると思うが、必ずしもオーストラリアの騎手が先行好きなわけではない。
(日本の競馬の特徴は)ジョッキーのレベルが高い。ファンの盛り上がり方が素晴らしいね。(日本で乗った印象的だった馬は)東京の最終レースで勝利したダイワバロニスだね」
【ノーザンファーム・吉田勝己代表】
「(秋に豪州遠征の)フェイムゲームは疲れが出てしまったので、有馬記念は見送ることになりました。現地で2度使ったことが堪えたのかもしれないね。(その他の話題では)ドゥラメンテは年明けにでもノーザンファームしがらきへ入れて、トレセンに入るんじゃないかな。リアルスティールも中山記念か京都記念を使って、ドバイへ向かうことになると思う。
(ファンに注目してほしい2歳馬を挙げて欲しい、という問いかけに)やっぱり里見さんに勝ってほしいよね(サトノダイヤモンド)。能力はありますから。そして、リオンディーズは朝日杯FSへ向かうことになりましたよ。これも相当な能力はありそうだよね」
【ホッコーブレーヴの松永康利調教師】
「ホッコーブレーヴは遠征の疲れもあるので、年内は休養。年明けの復帰を予定しています。春の目標は天皇賞(春)ということになりますが、もし、春に賞金を稼ぐことができれば、来年もメルボルンCへ向かうかもしれませんね。今年は手探りな状態での遠征でしたし、一度、ノウハウを得たことは大きいです。それでも、馬も良く頑張ってくれましたよ」
【昨年、アドマイヤラクティでコーフィールドCを制した梅田智之調教師】
「アドマイヤラクティは残念なことになってしまいましたが、その妹のブレッシングテレサも管理することになります。もともと体質が弱かったり、奥手なところもある血統で、ブレッシングのデビューはまだ先になりそうですが……。なんとか新馬戦があるうちにデビューしたいですね。
(今年、クラシックで活躍のレッツゴードンキについて)マイルCSはスムーズな競馬をみせてくれましたね。来春はひとまず3戦を予定していまして、高松宮記念とヴィクトリアマイルには使いたいと思っています。高松宮記念の前にスプリントの前哨戦を挟むのかは、まだ未定です」
今年のメルボルンCのゴール前 来年も日本馬の挑戦はあるのか?期待したい
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