【エリザベス女王杯】3歳代表パールコード「使ったあともまた一つ良くなった感じ」

パールコード

9日、エリザベス女王杯(G1)の追い切りが栗東トレセンで行われた。

前走、秋華賞2着のパールコード(牝3、栗東・中内田厩舎)は、「パールコードにとって一番走りやすい所だなと思って」という中内田充正調教師の判断で、川田将雅騎手を背に芝コースを5F追い。スムーズかつダイナミックな脚捌きで5F70.7-53.8-38.5-11.6秒をマークした。

春のオークスはフローラS2着で権利を獲りながら状態が整わず断念。秋初戦の紫苑Sは不利もあって5着と敗れたが、前走の秋華賞では好位を上手に立ち回って2着と世代トップクラスの素質を示して見せた。今回は初の古馬相手となるが、同世代のG1ホースは1頭もおらず、まさに3歳世代を代表しての参戦。「使ったあともまた一つ良くなった」と胸を張って古馬に挑む。斤量差を生かして3歳馬が古馬を破るケースも多く見られるだけに、3年ぶりの3歳馬戴冠に大きな期待がかかる。


追い切り後、パールコードを管理する中内田充正調教師の一問一答は以下の通り。

●3歳世代を代表しての参戦

-:前走の秋華賞は素晴らしい競馬でした。

中内田充正調教師:2着でしたし、陣営は悔しい思いをしています。

-:この秋、紫苑Sを1度使って、秋華賞というのが大きな目標だったと思うのですが?

中:春の時点から、この馬の適性等を考えながら、秋華賞が一番走れるところかなと思っていまして、そこを狙って順調に馬が応えてくれたかなという感じでした。

-:そのレース、内容そのものはどうだったでしょうか?

中:川田ジョッキーが上手に誘導してくれて、結果は2着でしたけども、パールコードのレースは出来たかなと思っています。

-:内容そのものについても納得のいくものであったということですか?

中:結果以外は納得はしています。

-:そうしますと今回は結果も求めてということになるのでしょうか?

中:あくまでも挑戦者の立場ですし、古馬相手でG1馬もいますので、その中でパールコードがどこまで走れるかというところですね。

-:今年は3歳の3冠レースで勝ち馬が全て変わりました。そしてエリザベス女王杯はその3頭とも出ない中で、胸を張って3歳代表という意味合いがあるのではないかと思いますが?

中:結果的にそうなりましたが、パールコード自体、3歳の牝馬でも上の方だと思っていましたので、その辺は代表する形で頑張らせてもらいます。

パールコード

自信を持ってパールコードを送り出すのは37歳の若きトレーナー中内田充正調教師

-:秋華賞を使ったあとですけども、先週はCウッド、今朝は芝での調教でした。

中:今朝、馬場状態を確認したところ、芝がパールコードにとって一番走りやすい所だなと思って芝コースで追い切りをしました。

-:先週のCウッドが長め7ハロン93秒8。楽々という手応えだったようですね?

中:予定より随分速い時計になりましたが、その後の馬も大丈夫でしたので。

-:それも踏まえて今朝は芝が一番いいのではないかというお話でしたけど、こちらも5ハロン70秒6でした。

中:ちょうどいいくらいの時計でしたね。理想の調整が出来たと思っています。

-:今朝の調教で本番にちょうどいい形で臨めると。

中:馬の力は出せる状態に持って行けそうですね。

-:走っているフォームを見ますと、ダイナミックな印象を受けます。

中:体のある馬ですので、ストライドは大きく、体を大きく使ってくれるのがこの馬の特長かなと思います。

-:お父さんがヴィクトワールピサで、お母さんがマジックコード。血統的にはどちらの方が出ているイメージでしょうか?

中:難しいですね(笑)。両方じゃないですかね。血統だけを見れば世界的に通用してもいい血統だと思いますので。

●初重賞制覇がG1タイトルとなるか

-:今回、京都外回りの2200mになりますね。

中:初めて走るコースになりますが、その辺は前走の内容から考えれば対応してくれるのでは思っています。

-:元々はデビューから外回りのコースを使って勝ってきていますね?

中:デビュー戦はまだ訳分からずに走ってきた感じはありましたが、この馬は競馬に行ってからのセンスがとてもいいので、その辺に期待したいと思います。

-:今回、初めて古馬との対戦で名だたる名馬たちとの手合わせという形になります。

中:強いメンバーでパールコード自体どこまで走れるか。今後に繋がるかと思っています。

-:秋華賞の時には仕上げの調教もあったのでしょうけども、マイナス体重でした。そのあたりは?

中:数字的な問題で、体を見れば僕は全然問題ないかなと思っていました。調教もしっかりして、カイバもきれいに食べていましたので、数字には何の心配もしていませんでした。

-:今回、馬を造るにあたっても数字は別にして、体そのものもよく出来てきているというイメージで。

中:使ったあともまた一つ良くなった感じがありましたので、更にパールコードの力が出せるのではないかと思っています。

-:初重賞がG1のエリザベス女王杯ということになれば非常に喜ばしいことですよね。

中:結果がそうなればいいかなと思っています。

-:当日の条件について、望ましくないような条件はありますか? 例えば雨であるとか、枠順であるとか?

中:一番心配しているのは天気ですね。出来れば良馬場で走らせてあげたいなという思いはあります。

-:枠順は問いませんか?

中:上手に競馬をしてくれる馬ですので、枠順は決まったところで競馬をするしかないかなと思っています。

-:それでは多くのパールコードのファンに向けて、エリザベス女王杯の抱負をお願いします。

中:秋華賞では応援してくれましたが、悔しい思いをしましたので、リベンジじゃないですけど、今回またパールコードのいいところを見せられたらいいなと思っていますので、ぜひ競馬場へ足を運んで、パールコードを応援して下さい。よろしくお願いします。