低評価を覆す圧巻の末脚ライジングリーズン「調子がぐっと上がっていました」

ライジングリーズン

●1月8日(日) 1回中山3日目11R 第33回フェアリーS(G3)(芝1600m)

一線級の参戦が少ないためか、過去10年、3連単の配当は全て万馬券で、2011年を除けば5万円以上。50万円超えが2回に48万円もあって、荒れるレースとして知られるフェアリーSだが、今年は10番人気のライジングリーズン(牝3、美浦・奥村豊厩舎)が不利といわれる中山マイルの外枠を克服して快勝。3連単は27万5620円の高配当となって波乱の歴史に名を残した。

レースはツヅクが速いラップを刻んで後続を3馬身ほど離しての逃げを打ち、人気のアエロリットは番手で追走。隊列は徐々に縦長となり、ライジングリーズンはポジションを下げてしまうが、慌てずにマイペースを貫く。残り600mを過ぎ、前が苦しくなってくると馬場の外めからスーッと前へ進出。直線に入り馬場の真ん中を一気に突き抜け、10番人気の馬とは思えない堂々のレース運びで重賞タイトルを射止めた。

手綱をとった丸田恭介騎手も開口一番に「強かったです」とひと言。「中間の調整がうまくいき、これまでで一番、強い負荷をかけられました。調子がぐっと上がっていましたよ。精神的な部分でも、落ち着きを保っていましたしね。外枠でしたので、自分のリズムで運ぶように心がけましたが、中山コースの走りはスムーズ。終いでいい脚を使えました。広い馬場でも対応できるようにしたいですね」と会心の騎乗に胸を張った。

近親に交流G1・南部杯を3連覇するなど、ダートで息長く走ったブルーコンコルドがいて、ダートでの活躍馬が多い母系だが、この馬は芝で3戦2勝。今後は高速馬場や丸田騎手も話した広い馬場への対応、更なる相手強化などの課題が残るも、勝負どころで一気に上がってくる機動力はなかなかのもの。試金石となる次走の走りは大いに注目される。

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