乗り替わりのプレッシャーを乗り越えヒガシウィルウィンが3歳ダート王へ!

●7月12日(水) 大井競馬場 第19回ジャパンダートダービー(Jpn1)(ダ2000m)

過去18回で地方馬が4勝。近年の交流重賞の流れを見れば、むしろ地方馬が健闘しているレースとも見えるが、前回勝った2010年のマグニフィカから7年が経過。今年も人気はユニコーンSを勝ったサンライズノヴァを筆頭に中央馬が上位4頭を占めたのだが、今年は東京ダービーを6馬身差で制したヒガシウィルウイン(牡3、船橋・佐藤賢厩舎)が壮絶な叩き合いを制してJRA勢を撃破。7年ぶりとなる地方馬Vを飾った。

この日手綱をとったのはテン乗りとなる本田正重騎手。落馬負傷のため騎乗出来なくなった森泰斗騎手からバトンを受け、「プレッシャーはもちろんありました」と本音も飛び出したが、レースでは落ち着いて中団のインを追走。ジックリと脚を溜めると、直線で一気にエンジン点火。馬場の真ん中を力強く伸びて中央の強豪を封じて見せた。

「こんなチャンスは滅多にないし、チャンスを与えてくれたことに感謝しています。泰斗さんにも以前、会った際にアドバイスはいただきましたが、乗りやすい馬だし、折り合いもつくよ、とは聞いていました。レースは先生の指示通り、枠も良かったし、いいポジションをとれましたよ」と会心の騎乗に本田騎手もホッと胸をなで下ろしたが「これから南関東を代表する馬になると思いますので応援してください。良ければ、僕の応援もよろしくお願いします」と最後は若者らしいコメントで締めくくった。

01年のトーシンブリザード以来2度目のジャパンダートダービー制覇となった佐藤賢二調教師は「中央の強い馬はいたが、状態はアップしていたので、いい勝負になるんじゃないかと思っていました。スタートを出して、4~5番手で運ぼうという指示。最後は外に出せば、必ず伸びてくれると伝えていました。うちの厩舎に来た頃よりもパワーアップしていますよね。今後は放牧に出して、レースは考えたい。いつも中央馬に負けているし、何とかこれからも一矢報いられたら」と今後を見据える。

先のスパーキングレディーCでは3歳のアンジュデジールが制したが、全日本2歳優駿を制したリエノテソーロがユニコーンSで7着に敗れ、そのユニコーンSを勝ったサンライズノヴァがこのレースでは6着と敗退。ダートの3歳世代は混沌としてきた。もちろんJRA勢もこのまま黙ってはいないはずで、次の対戦が試金石となりそうだ。

ヒガシウィルウィン