【マイルCS】サトノアラジン&ペルシアンナイト 新旧の実力馬で挑む池江寿厩舎

池江泰寿調教師

良馬場で巻き返しを期すサトノアラジン

15日、マイルCS(G1)の追い切りが栗東トレセンで行われた。

前走、天皇賞(秋)18着のサトノアラジン(牡6、栗東・池江寿厩舎)は、川田将雅騎手を背にCWコースで終いを伸ばす調整。天皇賞シンガリ負けのダメージが心配されたが、素軽いフットワークで6F84.8-66.7-51.3-37.9-11.8秒をマークして先着を果たした。

また、前走、富士S5着のペルシアンナイト(牡3、栗東・池江寿厩舎)は、M.デムーロ騎手が手綱をとってCWコースで古馬準オープンのシロニイと併せ馬。こちらもスムーズな脚捌きで6F84.4-64.9-50.4-37.7-12.3秒をマーク。ひと叩きされて確実に上昇カーブを描いている。

追い切り後、2頭を管理する池江泰寿調教師の一問一答は以下の通り。

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池江泰寿調教師

●いつも通りの動きでマイルG1春秋制覇を狙うサトノアラジン

-:まずはサトノアラジンについてうかがいます。前走の天皇賞(秋)は大変な馬場での競馬になりました。

池江泰寿調教師:少しでも雨が降るとダメなタイプなので、運がなかったという感じですね。

-:結果については、あの馬場ですから、どうしようもないなと見てよろしいですか?

池:そうですね。無事に回って来れて。何度もノメって、危ないシーンがあったので、とにかく転ばないで戻ってきてほしいと願っていました。

-:ファンの方が心配しているのは、あのコンディションで走ったので、ダメージはどうかなというところですが?

池:あまりなかったという感じでしたが、走ってないよりは走った方がそれなりのダメージがあると思うので、目一杯自分のパフォーマンスを出し切った時よりはマシな感じはします。

-:その後の調整過程ですが、どんな感じでしょうか?

池:中2週なので在厩のままだったのですが、ああいう馬場だったので少し慎重に。速い時計は日曜日に初めて乗りましたが、もう少しやっても良かったかなと思っています。

-: 注目の今日の調教ですが、7時に一番でした。今日の追い切りの狙いはどういったところでしょうか?

池:今回のレースに向けてコンディションを上げるために、能力を出せるように、体調を整えました。

-:乗り役さんには何か指示はありましたか?

池:3頭併せで一番後ろから行って、直線で並びかけて、ラスト1Fだけ強めに追っておいてと伝えました。

-:今日の動きについて先生のジャッジはいかがでしょう?

池:使っている時とそんなに変わらないというか、いつものアラジンじゃないかと思います。

-:今年は秋3走目になりますが、前走、前々走と比べてデキのカーブについては?

池:前走が生涯最高というくらいのデキだったのですが、何とかそれをキープしているという感じはします。

-:前走は2000m、今回は1600m。春にG1を勝った距離です。

池:2000mがダメだったとは思わないのでね。馬場が合わなかっただけなので、マイルは実績もありますし、自信を持って送り出せます。

-:京都の外回りコース。3コーナーに坂があって上り下りがあります。

池:エンジンのかかりが遅い馬なので、うまく3コーナーの下りで勢いを付けられるといいかなと思います。

-:1年前にも先生にここでお話をうかがったのですが、あの時は1年間にG2を2勝して「強くなりましたね」と質問しましたが、「まだまだこれからですよ」とおっしゃっていました。1年経ってG1ホースとしてマイルCSに向かうのですが、この1年間の変化はどんなふうに見ていらっしゃいますか?

池:心身ともにやっと成熟したというか、メンタルの方は元々大人びていたのですが、体質的に背中や腰に疲れが溜まりやすいタイプでしたが、今年の春くらいから体に芯が入ってきて、背腰に力が付いてきたなという印象です。

-:6歳の秋、まさに大器晩成と見てよろしいですか?

池:そうですね。

-:春秋マイルG1連覇という大きな目標があるのですが、それに向けて意気込みをお願いします。

池:前走は苦手な馬場でファンの皆さんの期待を裏切ったので、土曜日ちょっと時雨れるようですが、日曜日は晴れそうなので、良馬場でアラジンらしい競馬をして春秋マイル制覇を狙っているので、応援よろしくお願いします。

●マイル適性の高さに自信ありペルシアンナイト

-:ペルシアンナイトについて引き続きおうかがいします。前走は初めての古馬戦、久しぶりのマイル戦、プラス道悪の富士S。いろんな厳しい条件があったのですが、着順は5着。どんなふうに見ていらっしゃいますか?

池:今おっしゃられた3つプラス、休み明けの競馬ということで、動かないと思っていたのですが、その四重苦の中で5着なので、やはり走るなと感じましたね。

-:厳しい条件の中でもそこそこの競馬が出来たと?

池:こちらが思っている以上の競馬は出来たので。

-:その後の調整過程はいかがですか?

池:在厩のまま乗り込んできたのですが、1回使ったことで動きは随分良くなっています。

-:今日の追い切りはどんなプランで臨まれましたでしょうか?

池:CWコースで2頭併せでしたが、ミルコ・デムーロ騎手に乗ってもらって最終確認という形で、上がり重点でしたが折り合いが付いていましたし、動きもタイムも上々だったので、いいコンディションに持って来れたなと思います。まだ会っていないですが、スタッフが言うにはいいコンディション、1回使って良くなっていると聞いています。

-:休み明けの前走を使って上昇という手応えは掴んでいらっしゃいますか?

池:先週の動きが素晴らしかったので、楽しみです。

池江泰寿調教師

師が大きな期待を寄せるペルシアンナイト

-:今回は古馬戦が2戦目で初めての古馬G1チャレンジとなります。

池:その辺がカギになってくると思いますが、この馬の力を持ってすれば十分勝つチャンスはあるかなと思います。

-:春も皐月賞2着という素晴らしい成績があります。春から秋にかけて馬体面、精神面の成長が窺えるところはありますか?

池:精神面はこの馬もしっかりしていたので、大きな変化はないのですが、体は春はまだ線が細くて薄い体型でしたが、ちょっと筋肉が付いてきたなという印象です。

-:まだまだ3歳の秋ですので、これから成長するところがあると思いますが、どのあたり「こうなってほしいな」という思いがあるのでしょうか?

池:筋肉が付いたといっても男馬にしては薄いので、もう少しビルトアップさせて海外のG1にも挑戦出来る馬にしたいなと思っています。

-:それではファンの皆さんに決意の程をお願いします。

池:マイル適性が非常に高い馬だと思っています。古馬相手になりますが、能力がある馬なので、いい走りを皆さんに見せたいと思います。応援よろしくお願いします。