【ジャパンC】シュヴァルグラン友道師を独占直撃!「今が一番調子がいい」

シュヴァルグラン

ボウマン騎手が感触を確かめたシュヴァルグラン

11月26日(日)、5回東京8日目11Rで行われるジャパンC(G1)で、シュヴァルグラン(牡5、栗東・友道厩舎)が悲願のG1タイトルを狙う。秋初戦の京都大賞典は後方から外を回って3着まで追い込み、あらためて地力の高さを証明。友道康夫調教師を独占取材し、レースに向けた手応えを聞いた。

●調教目立たない馬が好時計!

-:まず最初に休み明けの京都大賞典についてお伺いします。仕上がりに関してはいかがでしたでしょうか。

友道康夫調教師:休み明けでしたが、その中ではいい状態だったと思います。

-:内を通った馬が1、2着に来たレースで、外を回っての3着は強い内容だったと思います。

友:そうですね、強いレースだったと思います。スタートしてから挟まれてしまい、ポジションが後方になってしまいました。そこから早めに動いていっての内容なので、悪いレースではなかったです。

-:上半期、時計の速かった天皇賞(春)、馬場が悪かった宝塚記念でタフなレースが続きました。反動はありましたか?

友:反動はほとんどなかったです。なので夏休みを挟んで、順調に仕上げることができました。

-:京都大賞典の後は在厩で調整されていますが、この意図は?

友:この馬は太りやすいので、放牧に出すと緩んでしまうんです。なので、宝塚記念が終わった後の夏休みと、有馬記念が終わった後の冬休み以外は基本厩舎で調整するようにしています。

-:在厩のまま順調に調整も進んでいると思いますが、11月9日には坂路で4F52.6秒、終いの1F12.7秒というなかなかの時計が出ましたね。

友:そうですね。あまり調教から動く馬でもないので、それを考えると時計も、動きも良かったと思います。

-:16日にはCWで3頭併せで追い切られましたが、これは予定通りだったのでしょうか。

友:予定通りでした。時計的にはそこまで速くないですが、動きは良かったと思います。先ほども言ったように、元々CWでも動かないタイプなので。

-:そして今週は最終追い切りを栗東坂路で行われて、4F56秒ほど、終いの1Fは12秒後半でした。これについてはいかがでしたでしょう。

友:今日はもうジョッキー(ボウマン騎手)に感触を掴んでもらいたかったので、そこをメインにやりました。時計はほとんど馬なりで出したものです。いい動きだったと思います。

●昨年は秋2度目の東京輸送で3着

-:昨年までは最終追い切りがCWコースでしたが、今年は最終追い切りが坂路になりました。この理由はなぜでしょう?

友:去年の年末あたりからだいぶ時計も出るようになって、調教でも動けるようになってきましたし、腰がしっかりしてきたので坂路でやろうという判断ですね。それまではCWで追い切っても全然時計が出なかったので……。より負荷を掛けられるようになりましたね。

-:デビューの時からそこまで体重は変わっていませんが、中身が変わってきたということですね?

友:そうですね。腰も含めてだいぶしっかりしてきたと思います。

-:ちなみに今日の調教で騎乗したボウマン騎手は何とおっしゃっていましたか?

友:「ハッピーな状態だ」と(笑)。いい感触を持ってくれたみたいです。

-:ジャパンカップでどう乗ってほしいかなどは、もう伝えられたのでしょうか?

友:作戦面などはこれから話し合います。

友道康夫調教師

公式会見で抱負を語る友道康夫調教師

-:やはり今年の天皇賞(春)のように、ある程度のポジションから早めに動くのが理想になってくるでしょうか?

友:どうしてもエンジンの掛かりが遅いところがある馬ですから、早めに動かしたほうがいいのかもしれません。

-:枠順の希望はありますでしょうか?

友:特にはないですね。どこでもいいです。

-:昨年は疲労が残ったということで京都大賞典をパスして、アルゼンチン共和国杯からの始動、中2週で再度東京に輸送してのジャパンカップでした。あの時よりも臨戦過程は良いように感じます。

友:そうですね。中2週で再び東京に輸送した昨年よりは全然状態はいいです。

-:天皇賞・春や宝塚記念よりもいい状態ですか。

友:たぶんこれまでの中で、今が一番調子がいいのではないでしょうか。

-:この後有馬記念も控えていますが、シュヴァルグランにとって、東京と中山ではどちらがいいでしょうか。

友:やはり東京じゃないでしょうか。中山よりいいと思います。

-:まずはジャパンCに全力投球で、その後有馬でも、という感じですね?

友:そうですね。いい状態で送り出してあげたいです。

●生まれた直後の印象「ハーツクライに似ていた」

-:ちなみにシュヴァルグランを友道先生が初めてご覧になったのはいつだったのでしょう?

友:まだ生まれてすぐでしたね。

-:第一印象はいかがでしたか?

友:ヴィルシーナとヴィブロスの姉妹は似ていますが、この一族の他の馬はあまり似てない馬が多いんです。シュヴァルグランも兄や姉とはあまり似ていませんでした。母とも似ていなかったですね。

-:父を出す、ということなのでしょうか?

友:そういうことだと思います。シュヴァルグランも生まれてすぐの頃から父親のハーツクライに似ていました。

-:この馬を育てる上で何か苦労したことはありますか?

友:特にないですね。今まで大きな病気もなく、大きな故障もなく、順調に来てくれましたからね。大きな課題もないです。

-:佐々木主浩オーナーも相当期待されていると思います。佐々木オーナーのこの馬に対する思いの強さを感じる場面などはありますか?

友:そうですね。やはり佐々木オーナー自身、まだ牡馬のG1を獲られていないので、なんとかこの馬で獲りたいという気持ちが伝わってきます。

-:お忙しい中ありがとうございました。最後にファンと、佐々木オーナーにメッセージをお願いします。

友:今は調子がいいですし、ジャパンカップと有馬記念でG1を勝てるように頑張ります。