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サングレーザーが外から突き抜けてレコード勝利!【平林雅芳の目】
2018/4/24(火)
18年4/22(日)3回京都2日目11R 第49回マイラーズカップ(G1)(芝外1600m)
- サングレーザー
- (牡4、栗東・浅見厩舎)
- 父:ディープインパクト
- 母:マンティスハント
- 母父:Deputy Minister
57キロとサングレーザーだけが1キロ重い斤量。この1年間のG2勝ちはこの馬だけ。そこを意味する内容を見せつけるかの様な勝利。1番人気エアスピネルの後ろから追いだしたが、それでいて、そのエアスピネルには0.3秒も差をつける切れ味。先に抜け出したモズアスコットも霞む様な勝ちっぷりで、安田記念へのデモストレーションとなった。この3頭から3馬身も離れた後ろの馬。はっきりと力の差を感じるものでもあった。
陽のあたるところは暑い、建物の中ではそれなりにヒンヤリもしてくれるが京都でも淀は元々、夏は暑く冬は底冷えのするところ。風が時おり吹き抜けてくれるのがせめてもだった。 今日はいろいろと忙しいことが出来てしまい、パドックなんてとても出向けない。検量室の前で、電話でアチコチに断りを入れる時間帯が続いた。マイラーズCの出走馬が地下道を上がってきて、馬場へ入る時に横でやっと見れたぐらいだ。 サングレーザーの雰囲気がいい。他を圧倒して見える。エアスピネルはそう馬体をアピールする方の馬でない。モズアスコットはまずまず。返し馬を、肉眼でじーっと見つめていた。
開幕週だけに、時計は速いとは思ったが1分31秒台にまでなるとは思わなかった。 じっくりとPVを観ながら検証する。スタートは一番外のグァンチャーレが早かった。が、モズアスコットがすぐに顔を出して、先頭を獲る勢いで前に出る。その内からロジクライ、そしてムーンクレストがと、けっこうな数の馬が先陣を切りそうな勢い。さらにダッシュがついたベルキャニオンが一番内へ加わり、そのまま一番前へと出る。ロジクライが続き、モズアスコットは4番手。でも前からは1馬身のところ。さらにロジクライが前へと出て先頭を奪う形。 ここらで2Fを過ぎたあたり。けっこう流れている。エアスピネルで前から9頭目。馬群の前から半分より後ろ。サングレーザーはさらに後ろ。エアスピネルの2馬身ぐらい後ろの内だ。
向こう正面の坂を昇っていくあたりで、内目をヤングマンパワーも上がって2列目に加わる。グァンチャーレが3列目をポツンとで、そこから2馬身ぐらい後ろにカデナとエアスピネルがいる。前半の3Fが33.9と出た。 坂の下りを、今度はロジクライが単独で前へと出た。ベルキャニオンに1馬身と差をつけていく。モズアスコットが前を追う。そのまま先頭へ行きそうな勢いだ。この1Fの間のラップが11.9と、少し流れが落ち着いた時だったからなのだろうか。2頭が内外離れて並んで行く。当然にラップは上がり11.4とペースアップ。内にいたエアスピネルも外へ出し、カデナの内へ入る。
あれ程に縦長の隊列だったのが、前と後ろのふたつの馬群となる。4コーナー手前だが、サングレーザーはまだ後ろの馬群の内目にいた。 直線に入ってきた。もうモズアスコットが先頭だ。それを追うグァンチャーレ。エアスピネルも、カデナの内から前へと出てくる。内でロジクライは勢いが止まり気味。もう押している。サングレーザーが外へと出して、カデナの内を抜けて一気に前へと取り付いてきた。 ラスト300、モズアスコット先頭。内のロジクライを置き去りにして前へと出て行く。エアスピネルも勢いついて来ている。が、その外のサングレーザーの勢いが違う。 ラスト200、モズアスコット先頭。エアスピネルよりもサングレーザーの勢いが優り、グーンと伸びだす。鞍上の福永騎手の右ステッキが入る。1、2発、さらに1、2発と入れて促していく。モズアスコットを交わしてからも、さらに1発入れた。計7発と、彼にしてはステッキの数が多い。
引き上げてきたエアスピネルの武豊騎手は、《まだ反応がもうひとつだね~》とひと言残して入って行った。この感触は、最終レースを終えてから話をした時も同じだった。 福永騎手が引き上げようとした時に捕まえて聞いた見た。《今日はステッキが多かったね》に《そう?》と言いながらも、眼が笑っている。そして《反応が今ひとつだったのでしっかりと追った》とつけ加える。それでいてあの伸びなのだから、一度使ったらさらに切れが増すだろうサングレーザー。エアスピネルもモズアスコットも、次走はもっと良くなるだろう。そこへスワーヴリチャードも加わってくる。安田記念は面白い戦いになりそう。
快晴の日なのに、心がスッキリとしない一日になってしまった。これから大きなレースが続くと言うのに…。
平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。
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